ビッグデータの活用に挑む

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ビッグデータで大きく前進する小売業のマーケティング

■ ビッグデータとは?

最近”ビッグデータ”という言葉がいろんなメディアに登場してくるようになりました。今年のリテイルテックの当社ブースにも、ビックデータ分析に興味をお持ちの方々が多数お越しになられました。

ご存じとは思いますがビッグデータとは、膨大で複雑な(非定型)従来のDBでは処理しきれないほどのデータの集まりのことをいいます。しかもリアルタイム性が高いところがビッグデータの大きな特徴です。実は特にこれといった定義はないので、活字で説明するとこのようなあいまいな表現になります。

皆さまにも分かりやすい身近なビッグデータは、カーナビのデータがそれにあたると思います。ルート検索や地図情報、GPS情報、リアルタイムの渋滞情報、到着予想時間等、あれだけの大量の非定型データはビッグデータにあたると思います。これらの何億件というデータを瞬時に検索し、リアルに表示する技術が世の中には既に存在しています。

 ■ 小売業界にも既に広がりつつある

小売業界でも”ビッグデータ”は今熱いです。ID-POSデータ(顧客ID付レシートデータ)、SNS上の生データ、地域・時間毎のコーザルデータ(天候・温度等)などなど、あらゆる情報をマーケティングに活用していこうとする動きが小売業界でも活発になってきました。ある調査によると、ビッグデータの活用は”重要課題”と回答する企業(小売業)が半数を超えているとなっていました。

確かにこれらの情報が手に入れば、ターゲットとするお客様の好みや行動パターンも分析でき、棚毎に”あたる商品選定”や、タイミングタイミングで”あたる販促企画”が組めることになるのは間違いないでしょう。

今回は”ビッグデータ”にスポットをあてて、小売業におけるビッグデータの有効な活用方法のお話しをしていきたいと思います。

ビッグデータで差別化を図る(競争力UP)

■ ビッグデータは新たなる最強の武器になるか?

これまでメルマガで何度となくお話ししていますように、店舗型の小売業は非常に厳しい環境にあります。ネット通販の出現による顧客流出や競合による価格のたたき合いなど、あげればキリがないですが、まさに戦国時代です。その戦国時代、当時最強と言われた武田の騎馬隊を、鉄砲という新な武器による3段打ちで勝利を飾った織田軍のように、ビッグデータは現代における戦いの方法を大きく変える予感がします。

■ なぜ競合他社ではなく、自店に来てくれてるか?

お客様がどこでいくらで購入するかは、まさにお客様の自由です。ゆえに、この厳しい時代を勝ち抜くには、今後ますますネット通販を含む競合他社との差別化が必要となってきます。そこにしかない商品やサービスを提供するということが重要になることは周知の事実です。

では、今、来ていただいてるお客様は、何故ネットではなく、競合店ではなく、自店で買ってくださっているのか?それがお分かりでしょうか?想定はできるものの、何故他店ではなく自店で買っているのか事実は知らないのではないでしょうか?しかし、そこが自社の強みであり、差別化のポイントになります。一番マーケティングでターゲット層に伝えなくてはならないところです。それは単なるPOSデータからは読み取れません。ビッグデータはそれを知る可能性を秘めています。

 ■ ”マス” から、”セグメント”、そして ”個”のマーケティングへ

かつては、店舗そのものや看板、チラシなどを使って、安さや便利さ新鮮さを売りにして、幅広いターゲットにアピールするマスマーケティングが主流でした。今は、顧客や地域をセグメント(細分化)して、ターゲット層を絞るマーケティングや店づくりが進んでいます。カジュアル衣料や自転車やホームファッションといった専門店は典型ですし、SMやHCでも地域に密着した店づくりが強みを発揮しています。

『女性の方に!』より、『35歳のお肌の悩みのある方に!』と表現した方が、お客様の心に「私のことだ」とささるのは分かりますよね?まさにこれがセグメントマーケティングです。

ビッグデータの出現により、”セグメント”よりさらに進化した、お客様の個々に対する”個”マーケティングが可能になってきます。これからはますます、経験と勘が通用しない時流変化のスピード感になってきます。ビッグデータによる意思決定が重要課題と答える企業が多いのもうなずけます。ビッグデータは戦国時代の鉄砲にまさる大きな武器になるかもしれません。

ネット通販はビッグデータ活用の先駆者

 ■ まんまと買上点数・客単価をあげられた

楽天やamazonに代表されるネット通販は、最近何を検索したかや過去の購入履歴データから、おすすめ商品を表示してくるのはご存じですよね?まさに、ビッグデータを活用した”個”のマーケティングの典型です。商品購入時には、「これを買った人はこんなものも買ってます」と普通にすすめてきます。私も先日ふとんクリーナーを購入しましたが、一緒にダニフィルターをすすめられ、思わず買い物カゴに入れてしまいました。まんまと買上点数・客単価をつり上げる見事な戦術にハマってしまいました(苦笑)。

度が過ぎてる感(マヌケ?)もあり、以前「豚の角煮」をレンジで作くれないかとレンジグッズをやたら検索したからか?おすすめ商品で「豚の図鑑」すすめられたのには思わず噴いてしまいました。俺は豚マニアじゃねー(笑)

 ■ ネット通販は、分析 → 即時PDCAが完成している

以前のメルマガにも書いたように、”分析する”ことや”発見する”ことには、実は何の意味もありません。重要なのは、その分析結果に基づいて”やってるか?” ”行動してるか?” です。行動が伴わないのであれば、分析すること自体、時間の無駄であり投資する価値もないと思います。

ネット通販の場合、ビッグデータ分析 → 即時PDCAがシステム化されており確実にできています。人が分析して、人が動くわけではないので、確実に実施されます。これがとてつもない強みになっています。新規顧客獲得・リピート回数アップ・買上点数アップ・客単価アップ・離脱顧客防止・休眠顧客復活と見事にシステムでPDCAが回っています。これが大きな競争力であり、差別化となっています。

ビッグデータを活用して効果をあげるには?

■ 目的意識をしっかりもつ

ビッグデータを分析していると、どんどん面白い傾向や行動パターンが見えてくるので、大抵の人は『これは何かに使えそうだ』と考え、あれやこれやと分析の深見にはまってしまいます。これが本末転倒”分析する”けど”行動しない”罠です。引越しの準備が目的なのに、懐かしいアルバムを見入ってしまうあのパターンによく似ています。夕方までに終わるはずが、深夜まで引越しの準備に追われた経験ありませんか?

■ リアルタイム高速検索、即時PDCA、継続PDCAが鍵

本末転倒にならないようにするには、目的を明確にすることです。新規顧客獲得のため、リピート回数アップとか、買上点数アップとか・・

そのための分析であることを強く意識しなければなりません。そして、何よりも行動することです。しかも、即時PDCAを回すことです。そして継続すること。これをしくみとして回せれば、現代の戦いに勝ち残れるのは間違いないと思います。なぜなら、これができている企業はほんの一握りです。やりきれば相当な武器になります。継続は力なり、さらに継続して宝なり・・

■ コストパフォーマンスを勘案して

ビッグデータを分析できるシステムはまだまだ高額です。本当に投資対効果があがるかは慎重に見極める必要があります。徐々に安価で高速にできるエンジンやしくみも出始めていますし、実際にWeb上で試してみることができるものもありますので、あわてず自社にあったコストパフォーマンスの出せるシステムを探すことをおすすめします。

今回は、『ビッグデータの活用に挑む』というテーマで書かせていただきました。

ビッグデータは有店舗小売業に対しても、これからの時代、競合との差別化を図る武器として大きく力を発揮する可能性を秘めています。高速にリアルにデータを自由に引き出せることはもちろんですが、経営課題の解決、目的を達成するための道具であることを忘れてはなりません。競争力強化やコスト削減といった経営課題解決に、新規顧客獲得、リピート回数アップ、買上点数アップ、客単価アップ、離脱顧客防止、休眠顧客復活といった目的にビッグデータを有効に活用し、即時行動をおこし”即時PDCA”の環境を確立することがもっとも大切であると思います。

今回はビッグデータを活用して効果を上げる具体的アクション例については、長くなってしまうので書けませんでした。大切なのは細かなテクニックではなく、お客様のお役にたてるか、喜んでいただけるかという本質的なところなので、まずはこんなところで・・

機会があれば、テクニック編も書いていきたいと思います。

 2014/3/28