”続” 2017年の小売業はこうなる

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トランプ政権から得た小売業の方向性

前回のメルマガ「2017年の小売業はこうなる」が意外や大好評でしたので、今回は前回書ききれなかった内容を書いていきたいと思います。

■ トランプ大統領でTPPはどうなるか?

アメリカではトランプ大統領が誕生し、これからどうなっていくのか?と様々な評論も飛び出し、世界中もの凄いことになっています。日本でもその影響は大きく、株価をはじめとして経済に大きな影響を与えると多くの評論家の方々が予測し、小売業界に対しても「デフレ傾向になる」とか「高額商品が売れる」とか勝手な予測をしています。

トランプ大統領の発言で、小売業に関係しそうなのがTPPからの脱退。トランプ大統領は「TPP(環太平洋経済連携協定)はバカげた協定だ」と言ってますので、発言通りにアメリカは抜ける可能性が高いです。そうなれば、これまでTPPのために国が積み上げてきたことは全てリセットされてしまい、「なんやねん!」ということになります。とはいえ、日本の小売業はTPPで何か準備してたか?というと、まだほとんど何もしてなかったと思います。結果として今まで通りなので影響は特にないと思うし、世界経済の影響や景気の変動は今までもずっとありましたので、トランプ大統領誕生で、今さら小売業の商売上、大きな影響を騒ぐほどのことでもないかと思っています。

■ トランプ大統領から学べること

それよりも、トランプ大統領から私は今回学びました。

トランプ大統領の発言は過激で、「改革する」というより「破壊してやる!」と過激に聞こえます。

しかし、言ってることは「アメリカファースト」に代表されるように、過激なだけで、ごくごく当たり前のこと。
こんなのどの国でも、自国を守り、自国を繁栄させることが大切で、余裕がなければ他国のことより自国だと思います。はっきり自国をまず考えるって正直に言ってるだけで、ぶっちゃけどの国もそうです。しかし、それを正直に言えば、強烈な味方もできますが、強烈な敵をつくるのは事実です。ゆえにトランプ大統領支持は、強烈な味方と敵の真っ二つに分かれています。

この戦略?は、これからの小売業にも学べるとふと思いました。専門店が伸びて、総合店が苦戦する背景には、より多くのターゲット向けというよりも、”あなた向け”と商品を絞って成功した背景があります。これはターゲットを絞って強烈な味方をつくるというもの。2017年以降は、この絞り込みをさらに深め、徹底的に半径2km以内に住む人向けだったり、高齢者向けだったり、主婦向けだったり、ターゲットの心理を徹底的について、強烈な味方をつくることに成功した企業が、トランプ旋風の流れにも乗って、伸びてきそうです。

これだけネットショップ含め、商品がどこでも購入できる世の中になると、どうしても価格勝負になってしまいます。2017年以降の小売業は、価格勝負が限界に来て、顧客心理勝負になっていくと思います。トランプ大統領のような過激な発言は不要ですが、強烈な味方になってくれるお客様のための、絞り込んだ店づくり(商品やサービス)をする企業が徐々に現れます。

始まるプレミアムフライデー

■ もっと大胆にやらないと普及に時間はかかる

ひと昔前に、”はな金”という、休暇前の平日ということで花の金曜日という言葉が流行語となりましたが、今度は”プレミアムフライデー”という,月末の金曜は午後3時には仕事は終了という制度が2017年から誕生します。記念すべき第1回目のプレミアムフライデーは、今年の2月の月末の2月24日と決定した模様です。

これを年6回、偶数月に実施をするように経済産業省が推奨するようです。

当然大企業や公務員は、この制度に乗って、徐々に実施をすると思いますが、買物や外食などの消費を喚起する目的から考えると、当の小売業にお勤めのみなさんはむしろ休めませんよね(苦笑)

この制度は、徐々に普及するのかもしれませんが、どうせ消費を喚起するのであれば、もっと大胆に!プレミアムフライデーは 「消費税を無税にします!」 くらいのことを自治体もやれば、めちゃめちゃ消費すると思います。(トランプさんの記事書いてたらつられてしまいました・・) 実際、○曜日とか、○日は、全品10%OFFをやっている小売業がありますが、やはり普段売れない定番品がめちゃ売れてますからね。

■ とりあえず何かやってみる企業は絶対強い

多くの小売業は、このプレミアムフライデーを見逃すわけがありません。さっそく百貨店では、イベントの開催を予定していますし、旅行会社とのコラボレーションもするようです。

小売業でも、単なるセールでは集客は難しいので、大胆なセールや、新たな時間を有効活用するようなプランが出てきそうですね。

まずは2月24日各企業がどんな動きになるか見ていきたいと思います。ここでも、静観するのではなく、まず行動を起こしてみる企業がこれからも強いと思います。「まだ早い」とか「やっても無駄」とか、やらないうちから判断してしまうのはもったいないです。何事もやってみないと分からないですし、その経験がのちに宝となり行動力の習慣になりますので!

ものが届く時代の幕開け

■ 消費者の購入スタイルの変化

先回のメルマガに書きましたが、ネット通販・ショップのしくみが恐ろしい勢いで進化をはじめています。amazonプライムエアが本当に実現し、ドローンが荷物を30分以内に届けてくれるようになったら、お客様の買物スタイルは正直大きく変わると思います。

もともと、江戸時代の頃は、消費者は買い物にいくというより、商人が売りにくる形が主流でした。そして、明治から昭和にかけ、小売店舗が登場し、どんどん巨大化し、消費者は自分で買い物に行く、そして、買い物を楽しむというスタイルに進化しました。

そして、平成に入り徐々に商品が自宅に届くという形に進化してきています。この便利さは、経験した人なら分かると思います。雨の日でも、重たいものでも、当日や、ほぼ翌日までに玄関に届くのですから。これまでも常識をやぶってどんどん変化をしてきた購買スタイルは、AI技術やロボット技術がますます進化して変化していくと思われます。

しかし、注文から30分以内に商品が空からドローンで届くなんて私は想像もつきませんでした。
30分って・・ そのうち注文する前に商品が届くんじゃないかぁ(笑)

■ リアル店舗 の進化の方向は?

2017年は、ネットショップ→配送の進化の始まりの年だと思いますが、小売業のリアル店舗も負けずに進化すべきだと思っています。まずは、ネットにはない買い物の楽しさを追究し進化させていくこと。そして商品やサービスも進化させていかないといけません。それは今あるものを進化させることで十分いけると思います。

これまでも、単なるプリンをやわらかプリンに進化させて大ヒットしていますし、台湾ラーメンとまぜそばをコラボさせ台湾まぜそばが大ヒット。最近では、グラタンの中身がかき氷というとんでもない進化形も出ています。全く新しいものは受け入れられるのに理解と時間がかかりますが、進化形は消費者の心を打つことが比較的簡単です。

上記のように、全く新しいものを作り出すのではなく、進化させることが必要です。これはメーカーが考えることとか思っていてはいけないです。そんなことをしていては流されるだけ、小売業とはいえ自社の舵取りは自社でしないといけない時代が幕開けしてしまったのです。

サービスも同様、常識をやぶる進化形サービスが今年徐々に登場するでしょう。

話は変わりますが、先日ベンツを日本一売るという凄い営業の方と食事をする機会がありました。この話が小売業につながるかは別として、「他の営業と何が一番の違いですか?」の問いに、「売った後も、キッチリすばやく対応し、絶対に約束を守るだけです。これは、当たり前のことを当たり前にやるだけだけど、それをできる人が少ないんでしょうね」と言ってました。この方は、お客様からの信頼がとても厚く、「あなたから買いたい」「あなたに知人を紹介します」ということで、強烈な味方(買っていただける信頼関係)が多くいることが一番の強みだと感じました。これは、小売業も見習えるし、アフターケアは小売業にとって、進化形サービスのヒントではないしょうか。

商品担当からお客様担当へ

■ 商品の切り口から、お客様切り口へ

AI技術とロボット技術が、もの凄い勢いで進化しています。2035年には、どうあろうが単純労働はほぼロボットによって代行されると予想されています。自動運転の自動車ができれば、運転手という仕事はなくなるわけですし、小売業においても、レジのチェッカーや品出し陳列など、今もっとも多くの人件費をかけている作業は機械化ロボット化されるでしょう。

またこれも大胆な予想ですが、これまで当たり前とされてきたバイヤーやMD制度や組織。これは商品を切り口、商品をベースに考えた仕事であり役割です。このような商品ベースにどれだけ売り、どれだけ利益を上げるか?という売り手発想もいずれAI技術で機械化され、まだ数年は大丈夫なものの、商品ベースでは、だんだん競争力はなくなっていくと思います。

■ お客様の気持ちはググれない

お客様が何を必要とし、何に関心があり、どうしたら嬉しいか・・

これからの日本の小売業は、ここが大きなポイントになると思います。人の気持ちや、お客様の心理はネットでググってもでてきませんし、正直にお客様から話してもらわないと分かりません。そのことからも、商品切り口の組織ではなく、お客様層切り口の組織の考え方が2017年からいよいよ始まるのではないかと考えます。冒頭に述べたように、いわば強烈な味方をつくるための組織です。(10~20年後は当たり前になってると思いますが・・)

 

今回は『”続” 2017年の小売業はこうなる』というテーマで書かせていただきました。

2017年は、商品を見るところからお客様を見るところへシフトしていくと思われます。決して自分の価値観や先入観で、お客様はこうだ!って決めつけない方がいいです。お客様はいろいろだから、そんなの無理とか思っていたら、せっかく成長できるチャンスも逃してしまいます。自社が何をしたいのか?どんなサービスや商品で価値を提供したいのか?どうお客様に必要とされるのか?何となく商売を続けていては、世の中の流れ(人口減やネットショップの波)に流され、厳しくなる一方です。自社がどうしたいか、どうしていきたいかを「お客様ファースト」で考えるときではないでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2017/2/13