データ分析ツールは導入したが、今ひとつ効果があがらない・・

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最近のデータ分析ツールは、高性能であらゆる事ができる便利なものがいくつも出てきています。「単品レベルの日別データが曜日毎に瞬時に取り出せる」とか「昨年のこの日のデータが簡単に比較できる」とか「ビジュアルに色わけされ瞬時に判断がつく」等々よく耳にします。しかし、この分析ツールで「客数が何ポイント伸びた」とか「買上点数が増えた」とかいう話は残念ながら、あまり耳にしません。本来の目的はそこのあるはずですが・・

データ分析で、よくある効果があがらない理由

  ・使っていない(ごく少数のバイヤーしか利用していない)
  ・蓄積されたデータを確認しているだけ(結果を見てるだけ)
  ・分析の仕方や分析後のアクション方法を知らない(教えていない)

 上記理由にあるように、使わなかったり、仮説検証ができてなかったり、どう有効利用して、どうアクションしていいか分からないといった、高額の投資をした経営者には、信じられない理由で効果が上がらない例が多いのです。

 導入すれば効果がでるものではありませんので、目的(客数アップとか買上点数アップとか)があって、アクション(斬新な関連商品販売とか)があり、その結果を検証して、さらにアクション、改善といった事がなければ効果はあがりません。このような基本的な部分の欠如が効果のあがらない一番多い原因です。

 逆に効果のあがっている企業の例では、この仮説検証だけを専門に実施する部隊や人材を配置しています。今の時代、それくらいデータ分析による戦略立案や販促企画立案は、重要な時代に突入していると思います。

 高度成長期には、「物を並べておけば売れる」という”物不足”の時代でした。こんな時代に分析は必要ありません。物を大量に確保する事が一番重要でした。その後経済安定期には、「売れないもの」がでてきた”新商品ラッシュ”の時代でした。この時代には、データ分析で死に筋商品を発見し、新商品を投入するというアクションが必要になりました。その後のバブル崩壊期には、「価格競争」という”価格破壊”の時代でした。この時代には、売れ筋商品の適正在庫数と適正価格をデータ分析で把握する必要がでてきました。そして失われた10年・・ ”物あまり”の時代となり、消費は低迷し、小売業の飽和感が増す中、企業の統廃合が進み、新業態や業種を超えた小売競争が始まりました。

 では、今はどんな時代でしょうか? これだけ物があふれ、店舗もあふれている時代。「お客様の購買意欲を刺激しないと売れない」時代になったと思います。例えば、政府の出した「家電のエコポイント」や「エコカー減税」。今買えばお得!そしてエコ!という刺激策に確実に対象家電や対象車は売れています。

 これと同じような刺激策は、地域の量販店でも可能だと考えます。例えば・・

  ・受験シーズンに、夜食の応援フェアや合格祈願グッズの販売
  ・家庭訪問シーズンには、芳香剤や生花の特売
  ・夏休み直前や入ってすぐに、カラーリング(毛染め)を学生向けに展開
  ・不要なものを下取り、買い替えセール
  ※ いつどのタイミングでどんな需要が生まれるかを地域密着で判断する。

など、目立つPOPや販売員をつけて実施すると効果が期待できます。
これからの時代は単なる値下げ・値引きではなく、お客様の購買意欲を刺激して、さらにお買い得でないと競争に勝てないくらい小売業にとって大変な時代になると思います。

 このように、分析そのものも時代とともに変わっていきます。その時代にマッチしたデータ分析が必要となります。これからは、お客様刺激策を考え実施し、その結果を分析するといった、企画単位のアクション分析が一番必要となってくると思われますので、「使っていない」 「データを確認してるだけ」 というのは論外である事は言うまでもありません。