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第1回テスクカフェ(プロジェクトマネージャーの仕事を知る編)

Tさん
小売導入部 課長
南山大学 理工学部 システム数理学科を卒業後、2014年新卒入社。小売業の既存顧客向けシステム開発を4年経験し、5年目でパッケージ製品開発を行う部署に異動。7年目に小売業の新規規導入を行う部署に異動し、プロジェクトマネージャーを経験。現在はCHAINS導入プロジェクトを牽引しながら、部下の育成にも奮闘中。2児のパパ。

取材日:2025年11月26日

先日、社内の交流活性化を目的に人事総務部主催の社内イベントとして「テスクカフェ」をオープン。

第1回目は「プロジェクトマネージャーの仕事を知る」をテーマに、入社12年目、小売業向け基幹システム「CHAINS」の新規導入プロジェクトを牽引するTさんをメインゲストに呼び、これまでの仕事の変遷、転機、やりがい、難しさ・後悔、後輩に伝えたいことなど、根掘り葉掘り聞いてみました。

当日はPMを志す20代の社員を中心に入れ替わり立ち替わり多くの方がテスクカフェに集まってきて、熱心に耳を傾けながら、昔話に驚いたり、面白いエピソードに笑ったり、お悩み相談コーナーに途中なったり・・・。そんな当日の様子をお届けします!

入社からこれまで

新人・若手時代

Tさん:
私が入社した頃は今のような外部プログラミング研修はなかったので、4月~5月に座学を中心とした社内研修でC#を学びました。よくできる同期は5月末にはもう実務に入っていましたが、私は大学で一応学んでいたのにもかかわらず出来が悪く実務に入れるレベルに達していなかったため、6月以降も社内研修は続行。小さいですがそこが最初の挫折だったかもしれません・・。

追加の研修では、営業部が使う顧客システムを作るという課題に取り組みました。顧客情報や商談履歴など、色々なところに散らばった膨大な情報を1つのデータベースに集約して、Webアプリで見れるようにするというもので、エンドユーザーは営業部、期間は4カ月、メンバーは自分ともう1人の同期の2名、開発環境はTalendとC#でした。

司会:
苦労したことは?

Tさん:
分からないことをどう解消していくかに苦労しました。当時、Talendを使える社員が社内にSさんしかいなかったのですが、Sさんは大きなプロジェクトを抱えていて質問に行けるような状態ではなかったです。ネットやYouTubeで調べることも多かったですがネットはフランス語のサイトしかなかったりの状態。Sさんがタバコを吸いに行くのを見計らって、喫煙所までパソコンを持って追いかけて質問したりしていましたね(笑)多忙な先輩や上司にいかに工夫して質問に行くか、それを自然と学べた気がします。

1年目の10月、既存の小売業のお客様の追加・改修案件を担当する部署に配属されてようやく実務に入り、プロジェクトの開発要員として複数の案件を経験しました。

年齢が高めの方が多い部署で、1番年齢が近いのが7つ上のOさん。社歴の長い方々に囲まれたのはラッキーで、多くのことを学べました。特に、今の私の師匠でもあるMさん(現在、60歳の定年を迎えた後も再雇用で在籍中)にはとても可愛がってもらいました。いつも一緒にいました。ここにいる若手の皆さんも同世代とだけではなく、自分よりもっと上の世代の人とたくさん交流して欲しいなと思いますね。

司会:
お客様のところに行く機会はありましたか?初めてはいつ?

Tさん:

1年目の終わりごろ、小売業向け基幹システム「CHAINS」の要件定義の議事録係として着いてきて欲しいと言われたのが初めてのお客様先訪問です。東北地方のホームセンター様でした。要件定義では業界用語が飛び交い、内容はほとんど理解できず。横でお客様と対等に話をする先輩を見て圧倒されました。お客様の業務が分かるSEとはこう言うことかと感じた瞬間でした。

司会:
1年目から内容がなかなか濃いですね。2年目以降は?

Tさん:

少し担当する範囲が増えてきて、スーパーマーケット様のプロジェクトで外部設計~稼働までを初めて任せてもらえました。

CHAINSのバージョンアップ案件で、お客さんとのやりとりもそこから一気に増えましたね。PMのOさんがかなりスパルタで(笑)よく怒られてました(笑)
3年目に入り、小規模案件でしたが、初めて自分で要件定義書を作成して、愛知のドラッグストア様のシステム部長に説明しに行きました。緊張しましたが自分がメインになってお客様と会話ができることが嬉しくもあり、楽しくてやりがいを感じました。

仕事の転機 プロジェクトマネージャーへ

Tさん:
5年目に、製品企画部(現プロダクト企画部)に異動しました。尊敬する先輩がいて、その人の下で働きたくて異動希望を出しました。パッケージにお客様ごとに手を加えて届ける部署から、大元であるパッケージ自体を改良していく部署でしたので高い開発力や知識が求められるわけなのですが、自分の力不足を痛感し、大きな壁にぶち当たって苦戦していました。

製品企画部に異動して1年が経過した頃、とあるスーパーマーケット様の新規導入案件にて、本稼働時に大きめのトラブルが発生し、応援要員として現地にかけつけることになりました。トラブル解消に向けて力になりたい一心で頑張っていただけではありましたが、プロジェクトを取り仕切っていたシステム部長Mさんの目に留めてもらい、トラブルが終息した後に製品企画部から新規導入プロジェクトを担当する部署へと異動することになりました。これがテスクキャリアでの転機だった気がします。当時は28歳、入社7年目でした。

そこからは、部長のMさんに要件定義のいろはを教わりながら、CHAINSの新規導入プロジェクトに参画していきました。

初めてプロジェクトマネージャーを務めた時はおんぶにだっこ状態。一人では何もできなかったです。分からないことばかりで、Mさんに間違っていないか全部確認してから実行に移していました。Mさんが忙しいのは分かっていましたが、後で指摘されることの方が怖かったので・・。

CHAINSという製品に対する理解もここで一気に進みました。テスク大学で学んできてはいましたが、やっぱり実際で経験することが大事だなと。

後輩からの質問

印象に残っている仕事は?

Tさん:
さっき話したスーパーマーケット様のトラブル対応は今も強く印象に残っています。大変だったからというのももちろんありますが、それ以上に基幹システムを扱う責任の重さやお客様の業務を支えているという自覚が生まれた体験でもありました。自分たちが作ったシステムが止まることによって何が起こり、お客様にどんな影響があるのかを身をもって体験しました。

当時、物流センターの2階でシステムのトラブル対応をしていたのですが、ピッキングリスト(出荷指示書)が発行されないことでスムーズな商品の積み込みができず、夕方になると外にトラックの長い列ができていくんです。あの光景を目の当たりした時、2度と同じことを起こしてはいけないと思いました。

ありとあらゆるトラブルが起きて胆力もつきました。若いうちに色々辛い経験を積んだ方がいいという言葉は今の時代にあまり使わない方がいいとは分かっていますが・・・、それでもあの時の経験があるからこそちょっとしたことでは動じなくなりましたし、冷静な対応・判断ができるようにもなりました。 

やりがいは?

Tさん:自社製品があり、かつ業種特化で、他社事例が豊富にあることがテスクの圧倒的な強み。

要件定義の場でお客様のシステム部長さんから、「テスクさんってすごいね。自分たちのこと本当に良く分かってくれている」「若いのによく知ってるね」と言ってもらえることが若手の頃からよくありました。会社の強みではありますがやっぱり嬉しい。少しドヤ顔もしたくなります(笑)

チームで、みんなでやる楽しさも大きいですね。社内の人はもちろん、お客様とのやり取りも楽しく、要件定義から稼働まで年単位でのやり取りになるので関係も深まります。

顧客業務と自社製品の理解を深めるには?

20代社員:
お客さんのこと、製品のこと、どちらも深く知っていることが大前提だと思いますが、どうやって覚えていきましたか?入社4年目になりましたがまだまだ知らないことの方が多いです。

Tさん:
やりながら覚えるしかない。結局経験しないと、やらないと覚えられないと思います。テスク大学に出ることで業界用語やお客様の業務を知ることはできますが・・。
でも今思うと、聞いて終わらせるのではなく、機能を実際に触ってみたり、社歴の長い先輩に「テスク大学でこんなことを勉強したが、実際はどう使われているのか」とたくさん質問しておくべきだったな・・と反省しています。

プロジェクトマネジメントで気を付けることは?

20代社員:
年明けから初めてプロジェクトマネージャーをお任せいただけることになりました。やりたいとずっと言ってきたけれど、決まったら怖くて仕方がないです。

Tさん:
私も初めての時は同じで、ずっとやりたいと言っていたのに自信が持てなかったです。だからこそ、聞くことが大事だと思います。初めてやることは、行動する前に確認する。ある程度進んでから失敗するよりもいい。
実は3年目の時に小さな改修案件のプロジェクトネージャーやってみる?と言ってもらったのに、怖くて断ってしまったことがあります。あの時怯えずにやっておけばよかったなと思います。1人でやり切るなんてことは絶対にないので、機会が巡ってきたらぜひチャレンジして欲しいです。

あとはきちんと計画してこまめに見直しをすること。一番大切であり一番難しいことで、私もまだまだ課題がいっぱいです。計画の見直しは本当は毎日やれた方が良くて、最低でも1週間に1回はやるように意識しています。

40代社員:
Tさんは年齢が上の方にも遠慮なくはっきり伝えられるところが良いところだと思います。お客さんに対しても嫌な印象を与えずにはっきり伝えられる。私はなかなか言えなくて、結果苦労しています。

20代社員:
私も遠慮してなかなかはっきり言えないタイプかもしれないです。コツありますか?

Tさん:
プロジェクトを成功させるためには言うしかない、というのはありますが・・・

新人の頃から部署関係なく、年齢関係なく会話をするように意識はしていました。仕事の話でははなく雑談です。話したことがない人、仕事の話しかしたことがない人にお願いするのってなかなか難しいと思いますが、普段から他愛もない話ができている人であればお願いごとも、助けを求めることもしやすいのかなと。古典的ですが喫煙所でのタバコミュニケーションも意識していました(笑)

最近の若手の子を見ていると、チャットで済ませてしまっているのをよく見かけますが、直接言いに行くのも大事だと思います。さくっとお願いしやすいのがチャットですが、本当に伝えたいことは足を運ぶべき。申し訳なさそうに依頼するだけで相手が受ける印象も違うはずです。

お客様との打ち合わせもWebは苦手に感じます。顔色、空気感、本当に分かっているかどうかは現場に行かないと分からないことが多いです。Webだと無口で怖い印象だったお客様先の担当者が、現地に行ったらとてもよく喋る気さくな人だったということも(笑)大事な内容を決めるときや、お客様の様子に少し不安がある場合は必ず対面でコミュニケーションをとるようにしています。

後輩へ‐実体験から若手に伝えたいこと‐

技術に浸かる

Tさん:
とにかく開発してください。勉強してください。

自社のパッケージ製品があることがテスクの強みですが、製品に閉ざされたスキル・知識になってしまっているのが今の自分の課題です。私の場合はたまたまかもしれませんが2年目ぐらいから開発機会が減り、製品のことは良く分かるけれど、製品を越えた領域になった途端に自信がなくなります。

技術も知識も、自社製品の領域のみに絞るのではなく、IT全体、アーキテクトの部分、インフラ領域など、幅広い分野に興味を持って勉強しておくべきです。幅広い知識・技術を兼ね備えた上で、社歴と経験を積み重ねて流通業とテスク製品を熟知すれば、お客様の本質的な課題解決ができるプロジェクトマネージャーになることができると思います。

昔は会社の体制的に難しかったですが、今は若手のうちに技術に集中できるような体制に会社が変わったのでそれができるはずです。

先輩から多くを学ぶ

Tさん:
世代の近い人、部署が同じ人とだけではなく、たくさんの人と交流して欲しいです。

テスクは派遣常駐がなく、自社製品があり、自社内でずっと同じメンバーと仕事ができるのが会社としての魅力で、東海地区にはこの環境が叶う会社は意外と少ないことも皆さん知っているはずですし、そこに惹かれて入社してきたはずです。

「製品づくり」「売る」「届ける」「サポートする」が一社に揃っていて、その道のプロ、歩く辞書みたいな人もたくさんいます。
様々な立場の人と接点を持って、先輩たちからたくさんの知識・経験を盗んで、真似してください。

私のことももっと頼って欲しいです。皆さん遠慮してかあまり話しかけてもらえません(泣)
頼られると嬉しいので、遠慮しないでたくさん話しかけてください。私も話しかけます。

全員:
では、Tさんを囲む会、月1でやりましょう!(笑)