1.費用は使用予定期間で比較する
販売管理システム選定の際のポイントの1つである、「使用予定期間での費用の比較」について解説します。
背景
システムを導入する時には、初期コスト以外に、ランニングコストが発生します。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の調査では、基幹システムの平均寿命は約14.6年との調査結果が出ています。当調査においても、年々基幹システムの寿命が長くなっているという結果がでており、導入予定のシステムを何年間使用する予定であるのかを考慮したうえで意思決定を行う必要があります。
システム選定のポイント
システム選定のポイントは、「使用予定期間での費用の比較」です。
使用予定期間を、システム選定を行うときから考慮し、導入後にどれだけのランニングコストが必要になるのか、想定をしたうえで意思決定を行うことが重要です。
理由
前述の14.6年という期間において、トータルコストを想定して考慮しなければ、正しい意思決定が行えないのではと私たちは考えます。
ランニングコストには以下のような要素があります。
- 保守料金
- 追加開発の費用
- 電気料金
- インフラ関連通信料
- 端末の寿命による入替
- サーバーの寿命による入替
- サーバーOSのバージョンアップ
- サーバーOSのバージョンアップに伴うシステム改修費
- システム運用のための工数
ここで、試算が行いにくく、大きな出費になりやすいのは、「サーバー・OSのバージョンアップに伴うシステム改修費」と、「システム運用のための工数」の2つです。 初期費用が安いけれどサポートが不安定なテクノロジー、バージョンアップを繰り返すテクノロジーなどを採用すると、サーバーやOSなどの更新時にシステム改修の工数が膨らみがちとなり、それに伴い作業費用も高くなってしまいます。
また、1つのシステムを稼働させるためには、サーバー、OS、セキュリティツールやバックアップツールなどのミドルウェアなどを組み合わせてプラットフォームを構築する必要があり、たった1つのミドルウェアのサポート終了と更新に伴い、それ以外のミドルウェアやOSのバージョンの適合確認などが必要となり、その対応に多くの工数が必要となります。そのために必要な運用の工数についても考慮に入れてシステム選定の意思決定を行うことが重要となります。
当社が提供する「販売管理システム」の場合
テスクは、お客様にお納めするソフトウェアは10年以上ご利用し続けていただくことを前提にシステム構築を行っています。テクノロジーの将来動向を正確に予測することは難しく、サーバーやOS、ブラウザーのバージョンアップ対応などは必要となりますが、テスクではその際に不必要に高額な費用が発生しないように十分に留意をしています。 採用するプラットフォーム、DB設計、プログラムロジックは長期使用を前提に考え、初期費用・ランニングコストも含めたトータルコスト(TCO)を小さくできるシステムデザインを志向して、ご提案とシステム構築を行っています。
テスクでは、「基幹システム」と称されるシステムは、頻繁に更新を行うものではなく、その周辺システムのみが技術動向に応じて変化していくものだと考えています。つまり、一度基幹システムをしっかりと構築しさえすれば、周辺システムの更新が行われようとも、その背骨である基幹システムはそのまま利用し続けるべきものであると考えてシステム構築を行っています。