基幹システムで仕入原価を小売業が下げるためのポイントとは?

基幹システムで仕入原価を小売業が下げるためのポイントとは?

いつでも安く商品を販売している小売業は魅力的ですよね。そのためには取引先から安く仕入れて安く販売することが理想です。

取引先から安く商品を仕入れるため、商談にて原価交渉は行っているでしょうか。

 

原価交渉をするためには仕入原価の構成を理解している必要があります。仕入原価を下げるためにはどんな方法があるのでしょうか。

今回は仕入原価の構成を解説した上で商談時に注目するポイントを考えます。

小売業における仕入原価とは?

仕入とは、自社で商品を販売するために、取引先(メーカー・問屋)から商品を購入することです。仕入原価とはその仕入額のことを言います。

小売業は商品を取引先から仕入れて、陳列し、お客様に販売をして荒利を出す流れとなります。

仕入時の費用である仕入原価は荒利を出すために重要な数値となっています。そのため取引先との仕入原価を決める商談は非常に重要なものになります。

 

しかし、取引先から提示される原価の構成要素はわかりづらいことが多いと思います。取引先には商談で仕入原価の理由を聞いていますでしょうか?

根拠の説明を理解するためにも、仕入原価の構成がどのようになっているか理解した上で取引先に交渉することが必要です。

 

ご存じの方が多いと思われますが仕入原価は大まかに川上・川下で発生した費用に要素を分けることができます。

  • 川上・・・取引先が商品を製造する費用。企画・製造・在庫管理・物流などで発生する費用。 
  • 川下・・・取引先が製造した商品を小売業に販売する費用。センターフィー・販管費・EDIシステム利用料など。

 

どの要素で交渉可能か、仕入原価の構成を理解することが非常に重要です。

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小売業が仕入原価を下げるためには?

仕入原価を下げるためには、どの要素を下げることを考えるべきでしょうか。

今回は具体的な仕入原価を下げるための方法を3つ取り上げて説明をしていきます。

・1回での発注単位数を増やす

物流費と在庫管理費を削減して仕入原価に反映させる方法です。

発注単位は、バラよりケース、ケースよりパレットの単位で発注をしたほうが物流費はより下がります。

まとまった数量を発注するとトラックの積載率を上げることに繋がり、配送回数を減らすことができます。

 

また、ある程度まとめて小売が商品の注文をすると、多少仕入原価を安くしても倉庫に在庫を残すことが無くなるので在庫管理費を削減することに繋がります。

ただし、デメリットとして小売側の社内在庫が増えてしまう可能性があります。

 

小売側の店頭・バックヤードの在庫量を把握した上で、ある程度の売上予測がついた商品にのみこの方法を検討するべきと考えます。

・通過型物流センター総量納品

こちらはTC(トランスファーセンター、通過型物流センター)を利用して、取引先からTCに全店分の納品分を1回の配送で納品し、TCにて店ごとの納品分に振り分ける運用を行います。

取引先にとっては店別に納品する作業より、全店分の受注商品をまとめて出荷・納品作業を実施することでコスト(物流費・人件費等)を減らすことができます。

 

そのため、コストが下がった分小売の仕入原価を下げられる可能性があります。例えば取引先はある商品を物流コストの低いパレット単位でTCに納品します。

その後TCにてパレットから店ごとにケースに分割する作業を行います。

 

TCから店舗にケース単位で納品されるので、店舗ではバラに分割して陳列をする流れになります。

取引先からの物流で店直かつバラ単位での納品とすることは物流コストが一番高くなるケースになります。

・センターフィーの過度な受け取りをやめる

前項で説明をした通過型物流センター総量納品を実施している小売は、取引先の物流費が削減できることを理由に費用の請求をすることがあります。

その費用はセンターフィーといい、小売業がメーカーや問屋などの取引先に請求する物流センターの使用料です。

 

メーカーや問屋などの取引先が小売業に商品を納める際に小売業が運営する物流センターに総量で納品すれば、物流センターが各店舗別にピッキングをして配送するため、店舗別の納品にかかる配送の人件費を抑えることができます。

その見返りとして請求することがセンターフィーです。取引先にセンターフィーを請求することは、小売の物流センターを運営するため費用や検品、店舗への配送費などの費用として使用されます。

センターフィーは商品の代金に対して設定料率を掛けて算出されます。料率はカテゴリ別に設けられることが多いです。

 

この仕組みを活用することは取引先にとって物流コストを抑えられることでメリットがあります。

しかし、センターフィーの設定料率決めるのは小売業側であり、取引先には料率の根拠が不明瞭なこともあるようです。

 

そのため高額な設定料率でセンターフィーを設定していると、物流センターを経由しないケース(取引先から店直・バラ物流)で発生していた物流コストより上回ってしまい、その分取引先は仕入原価に積み増しをしてしまうことがあります。

仕入原価を上乗せさせないためにも根拠のないセンターフィーは見直しが必要な可能性があります。

基幹システムを活用して仕入原価を分析するには?

商談において、どの取引先に仕入原価の交渉をするべきかの判断のためには実績データによる分析が重要になります。

また、取引先が商品を安く提供するためには小売の販売状況を把握して、効率の良い生産計画を立てる必要があります。

テスクのパッケージ製品には小売向けと取引先向けにそれぞれ実績データを分析可能な機能が用意されています。

・小売業向けシステム

小売向けの基幹システムパッケージ製品「CHAINS Z」には分析機能である「GRIP」が用意されています。

「GRIP」にはマネジメント情報で活用をする部門分析、マーチャンダイジング情報を分析する単品分析、時間帯の分析を行う時間帯分析など、標準機能で豊富な分析パターンを用意しています。

 

その中でも、取引先ごとの分析が可能な「取引先別分析」という機能で実績を照会することができます。

この機能は取引先別の切り口による分析であり、月ごとの仕入原価・仕入売価・仕入額・値入率、構成比を照会することが可能です。

このように月ごと・取引先ごとの状態を理解して商談の準備を行うことで、どの取引先に仕入原価の交渉をするべきか判断材料に活用ができます。

・取引先向けシステム

取引先向けのパッケージ製品「商談.net」には分析機能である「POSデータ共有」が用意されています。

小売業で売り上げた実績を取引先に公開するシステムで、各店の販売数・販売金額・入荷数・来店客数を照会することが可能です。

 

こういった小売業の実績データを有効に活用することで、効率的にいつ・どれだけ製造するかの生産計画を立てることが可能になります。

在庫として保管している商品の廃棄数も減ることで仕入原価への上乗せを防ぐことに繋がります。

【まとめ】基幹システムで仕入原価を小売業が下げるためのポイントとは?

仕入原価とはどんな構成なのか、仕入原価を下げるための手段の一例を説明しました。

どの商品を取り扱うかは安く仕入れて売れる商品を採用するべきです。

 

どの商品を採用するかは小売だけでなく、製造をするメーカーから販売する小売業まで、全体最適で検討をする必要があります。

実績データを小売・取引先で分析可能な「CHAINS Z」 「商談.net」をぜひご活用いただき、商談時にお役立てください。