脱属人化と効率的な引継ぎをする方法とは?小売業の仕事で紹介

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今の業務は「あなた」にしか出来ない業務でしょうか?あなたにしか出来ない業務…カッコいい響きだと思います。カッコいい響きではありますが、それは本当の意味で組織のためになっているでしょうか?

もしあなたが突然倒れてしまったら…もしあなたが突然異動になってしまったら…もしあなたが突然会社を辞めることになったら…後を引き継いだ人は大変な目にあうことになります。しっかりとした引継ぎがされないと、企業としても大きな痛手となってしまいます。属人化を排除することにより、組織は本当の意味で組織として機能します。業務を標準化することで、属人化を排除し、いつでもスムーズな引継ぎを可能とすることで強い組織を構築することができるのです。属人化における業務引継ぎの苦労と脱属人化とはどのようなことなのかを、小売業の仕事をベースに解説します。

属人化した業務の功罪

小売業の仕事は属人化しやすい傾向にあります。特にバイヤー業務は属人化の傾向が強いと言えます。それはなぜか…熟練バイヤーは自分のバイイングスタイルを確立しており、ある種のオンリーワンスタイルで業務に取り組んでいるからです。自分なりの商談データの保存、自分なりの商談方法、自分なりの商談作法など、自分が理解して分かっていれば良いと考えます。オンリーワンスタイルがバイイングに対して有利に働けば働くほど、ますます属人化に拍車が掛かっていきます。商談は対人折衝ですから、新任バイヤーと比較すると、熟練バイヤーに分があったりします。熟練バイヤーだからこそ仕入が可能だったとか、熟練バイヤーだからこそ得た商品原価だとか、功罪で言うところの功の側面も一部あります。しかし、よく考えると罪の側面の方が大きいことがわかります。例えば、業務に関する情報には、各商品の商談情報・取引先情報・商談方法・商談技術・MD構築技術・商品販売データ・担当部門の数値データなどがありますが、業務に関する情報やノウハウは各バイヤーの中で留まってしまっていることが多いです。バイヤーとしての経験が豊富になるにつれて、単独で商談を行うことになっていきます。そのような状況になると、情報共有は重要視されないので、個人しか知りえない情報としてブラックボックス化してしまいます。例えば、共有すべき商談情報として、商談経緯・商談時期・商談履歴・取引先情報・商品情報・原価情報・値引き条件・リベート情報・発注数量・納品情報などが挙げられます。これらの情報が特定の個人しか知りえないという場合、業務が組織に付いているのではなく、特定の個人に付いてしまっている状態と言えます。では、業務が属人化してしまう原因は何があるのでしょうか。

属人化の原因には以下のようなものがあります。

・業務上の情報を共有する方法がない

・業務が専門的であればあるほど標準化とは無関係と思ってしまう

・業務を属人化させることで自身の価値を発揮しようとする

このような原因を解決するには、どのような方法があるのでしょうか。次章以降で確認していきましょう。

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人事異動の引継ぎ  とある引継ぎの例

企業に人事異動は付きものです。人事異動は慌ただしく行われるので、必要事項を正しく迅速に引き継ぐ必要があります。引き継ぐ事項は主に商談情報です。先ほど列挙した、商談経緯・商談時期・取引先情報・商品情報・原価情報・値引き条件・リベート情報・発注数量・納品情報などです。しかしながら、この必要事項を正しく迅速に引き継ぐ行為ができない場合が多いようです。小売業の玉突き人事は、引継ぎの時間やタイミングが短くなりがちです。勤務形態はシフト制なので休日がバラバラです。店舗担当者は出勤日に店舗を抜けて、異動先に引継ぎに行くことになります。店舗は少ない従業員で回しているため、ひとりでも抜けると大変です。そのため、必要最小限の引継ぎ時間で自店舗に戻らなければなりません。バイヤーも商談・事務作業・競合調査・休日の合間を縫って引継ぎを行わなくてはなりません。このような実態を前提として、小売業の人事異動で起こりがちな辛い引継ぎを、以下のパターンを例に確認してみましょう。

【パターン1】

・店舗担当者が新任バイヤーとして本部に異動となる

・現任バイヤーが別のカテゴリー担当バイヤーとして異動となるが本部には残る

新任バイヤー視点では、初めてのバイヤー職ということもあり、全く何も分からないため、早急に必要事項を引き継ぎたい。経験がない中でバイイングを実行していくために、必要事項を正しく迅速に引き継ぐ必要があります。

現任バイヤーの視点としては、引き継ぐ情報は多々あるはずなのに、一元管理できていないため、何をどのように引き継いだら良いか迷ってしまう。引継ぎの時間があまりない中、仕方なく山盛りの商談用紙やカタログなどを渡し、取引先のメールアドレスや電話番号を自分なりにExcelにまとめ共有することで、引継ぎした感を出す。

このパターンは、現任バイヤーが異動ではあるが、本部にいるので、新任バイヤーは引継ぎで分からないことがあっても確認しやすい状態です。ただし、引き継ぐ時間は多くないため、効率的に商談情報などを引き継ぐ必要があります。正しく迅速に引き継ぎが行われないと、お互いに大変です。

 

【パターン2】

・店舗管理職を務めていた元バイヤーがチーフバイヤーとして異動となり、再度バイヤー職を務める

・現任バイヤーは初の店舗管理職として店舗に異動となる

元バイヤーの視点としては、バイヤー職を理解しており、知見やノウハウがあるため、商談情報を必要としている。

現任バイヤーは本部から離れるため、商談情報を引き継ぐ必要があります。しかしながら、商談情報を一元管理できていないため、何をどのように引き継いだら良いか迷ってしまい、引継ぎ未完了で異動となってしまう。

このパターンは元バイヤーがバイヤー職として復帰するというものです。バイヤー経験があるため再度バイヤー職を務めることになっても知見やノウハウで何とかなります。しかし浦島太郎のようになっているため、正しい引継ぎが行われないと過去の経験に頼ったバイイングしかできません。未経験なカテゴリーを担当することになると、より一層大変な目にあってしまいます。現任バイヤーも引継ぎの時間があまりないので、結局山盛りの商談用紙やカタログなどを渡すような引継ぎとなってしまいます。

【パターン3】

・菓子担当のAバイヤーが日配担当バイヤーとして異動

・日配担当のBバイヤーが菓子担当バイヤーとして異動

お互い現役バイヤーとして知見やノウハウがあるため、必要な引継ぎは主に商談情報となっています。職務をコンバートするように、商談情報である山盛りの商談用紙やカタログなどもコンバートします。お互い早急にバイイングに取り掛かりたいが、大量の商談用紙とカタログ整理に時間を割くことになり、非効率的な引継ぎが発生してしまいます。お互いのため息が聞こえてきそう。

このパターンはお互いが商談情報を一元管理できていれば、非常にスムーズにバイイングが可能です。しかし、商談情報の一元管理を行うには共通のツールや共有フォルダのような仕組みが必要なため、バイヤーのみを責めることはできないのではないでしょうか。

【パターン4】

・店舗担当者が新任バイヤーとして本部に異動となる

・現任バイヤーは初の店舗管理職として店舗に異動となる

新任バイヤー視点では、パターン1と同じです。初めてのバイヤー職ということもあり、全く何も分からないため、早急に必要事項を引き継ぎたい。経験がない中でバイイングを実行していくために、必要事項を正しく迅速に引き継ぐ必要があります。現任バイヤーも初の店舗管理職ということで、新任バイヤーへの引継ぎは大事と思っていますが、自身の引継ぎで頭がいっぱいです。

初の職務で両者共に気が気ではないパターンです。これはパターン1と似ていますが、大きく違う点は「現任バイヤーが本部からいなくなってしまう」ことです。そのため、最も正しく迅速に必要事項を引き継ぐ必要があります。新任バイヤーの身になって考えてみてください。慣れない本部に出勤し、本部メンバーや取引先と新たな人間関係を構築し、経験のないバイヤー業務を務め、ストレスマックスで帰宅するのです。せめて引継ぎくらいは正しく行われないと、自分のスタイルを構築するまで苦しむことになります。

これら引継ぎの4パターンで苦しんでいるのは先の章でご紹介した「属人化の原因」が関わっています。

・情報の一元管理ができないから個人で情報管理してしまう

・バイヤー業務は専門的だから標準化とは無関係と思ってしまう

・熟練バイヤーの業務は特に属人化しがちであり、自身の価値が発揮されていると思ってしまう

では、属人化を排除していくためにはどのような方法があるのでしょうか。次章を見てみましょう。

脱属人化の方法

業務が属人化することで起こる功罪についてご理解いただけたと思います。特に罪の面で、例に挙げたような引継ぎが実際に起きているのです。脱属人化を目指して、スムーズな引継ぎを実施するにはどのようにしたら良いのでしょうか。それにはまず業務の標準化です。標準化されないと以下のようなことが起こります。

・各人によって業務内容にバラつきが出る

・個人プレーがメインとなり、組織としての業務が不安定になる

・個人の力量によって業務の質に大きな差が出る

業務を標準化することで、業務内容を平準化し、組織としての業務を安定化させ、業務の質を平均して上げることができます。では、平準化を実施して脱属人化を目指すには何が必要なのでしょうか。脱属人化をするには以下のようなことが必要です。

・商談情報などの業務で発生する情報を共有化する

・業務を仕組み化する

・業務のマニュアルを作成して共有する

業務で発生する情報が共有されないとブラックボックスとなってしまい、当人しか対応できない状態になってしまいます。当人しか対応できない=個人プレーです。個人プレーの集まりはただの集団でしかありません。組織として動くのであれば、可能な限り情報の共有を行い、対応の幅を広げることが大切です。対応の幅を広げるには、業務を仕組み化することが前提となります。業務を仕組み化することで、誰でも対応することが可能となりますし、作業効率化にもつながります。作業効率化は先ほど例に出した引継ぎなども当てはまります。そして業務を仕組み化するためにマニュアルを整備して誰でも確認できるようにします。マニュアルは作成して終わりではなく、業務に合わせて中身のアップデートを続けなければなりません。マニュアルが古くなって業務内容に合わないようでは意味がないからです。

脱属人化と効率的引継ぎ ~まとめ~

今回は小売業のバイヤー業務の属人化と引継ぎ業務の苦しみに注目してみました。各バイヤーの中にブラックボックス化してしまっている業務情報(商談経緯・商談時期・商談履歴・取引先情報・商品情報・原価情報・値引き条件・リベート情報・発注数量・納品情報・商談方法・商談技術・MD構築技術・商品販売データ・担当部門の数値データなど)を一元管理することで、情報共有が可能となります。情報共有がスタンダードになれば、個人の集団は組織へと昇華します。バイヤー業務の情報を一元管理し、業務の効率化を図り、生産性を上げることで、より一層強い組織を目指しましょう。属人化につながってしまうような意識や思い込み、価値観を変えること企業として取り組む必要があります。

脱属人化に寄与するツールとして、弊社の商談.netをご紹介します。バイヤー業務の情報をポータルサイトで一元管理することで、バイヤーの情報管理を標準化します。商談に関するあらゆる情報を共有化することができますので、人事異動や緊急の場合の引継ぎも効率化します。商品画像やカタログデータ、マニュアルなどもフォルダ内に格納することができるので、紙の山から解放され生産性が向上します。その他、多彩な機能が備わっていますので、ご興味がございましたら、資料ダウンロードまたは当社にお問い合わせください。

2021/4/19