基幹システムと会計リテラシーの活用方法とは?ステップ別に解説

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企業の様々な活動を貨幣単位で記録し、それらを社内外に報告し、意思決定に活用することを会計とするならば、あらゆる業界、職種、立場のビジネスパーソンにとり、会計知識を持つことは有益なことと思われます。

会計リテラシーとは会計の専門家以外の人が、会計や計数管理の基本的概念を理解し、会計情報や数字を読み解きビジネスなどに活用できる能力のことであるそうです。

近年、日本公認会計士協会から会計リテラシーマップが発表され、ビジネスはもちろんのこと、生涯に渡りライフステージに合わせた会計知識の学びと活用が推奨されています。

このような状況に反して、会計に対して苦手意識を持つ方も多いようです。決算書は何のためにあるのか、簿記がわかるとどう役に立つのか、過去の数字をみることに意味があるのかという疑問を持つ方もいらっしゃると思います。

私自身もそうでしたが、会計を学ぶ目的や効果が不明瞭なまま、簿記の細事にとらわれて挫折しがちではないでしょうか。全体像が把握できなくて繋がりや影響が分からなくなる、とにかく会計用語が難解であるなどの壁にぶつかっているのではないかと思われます。

こんな状態を脱して、決算書がわかるようになり、数字に強くなる、会社の数字を使って意思決定をする、周囲を説得できるようになるにはどのようにしたらよいでしょうか。

今回は会計リテラシーの習得に関するヒントと、基幹システム等の活用方法について、ステップ別にご紹介させていただきます。

会計リテラシーの習得 ステップ1(基幹システムを活用して会計の全体像を把握する)

会計の知識を習得する際、まずは全体をざっくりと大まかに捉えることが肝要と思われます。

会社の数字はどのように作成され、活用されているのでしょうか、大まかにその全体像は以下の通りです。

①日々:取引を記録する

日々の取引を仕訳して記録する(簿記)

②決算期:決算書を作成する

簿記により記録された数字を使用して決算書を作成する

・B/S (貸借対照表)⇒どのように資産を蓄えているか、資金の運用戦略がわかる  

・P/S (損益計算書)⇒どのように利益を稼ぎだしているか、利益がわかる  

・C/F(キャッシュフロー計算書)⇒どのようにお金を運用しているか、現金・預金の流れがわかる  

③決算書を活用する

会社の状態を把握・報告して意思決定に活用する。

・利害関係者(株主・取引先・税務署等)向けの情報⇒財務会計

・社内向けの情報⇒管理会計

会社の価値を向上させる

・ファイナンス(財務)

・お金(キャッシュ)を管理する。資金調達・配当など

 

経営層・経理関連の部署以外の方にとっては、①と②は概要を知る程度の知識があれば、それほど詳細な知識を持たずとも問題はないと思われます。むしろ決算書を読む、分析する力を身につけ、数字に強くなり、意思決定に活用できることが必要とされているのではないでしょうか。

このように簡単に会計の枠組みを理解して、自分の中にインデックスを作成してしまえば、あとは発生した課題や知りたい情報がどの分野についてのことか、目鼻を付けたのちに検索したり、関連分野の書籍を探したり、その分野の識者に話を聞いたりすることが容易となるでしょう。

ワード検索の際、前提知識があれば、より短時間で必要な情報に到達できるものと思います。

 

なお、基幹システムでは、日々の取引情報は販売管理システムからインプットされ、このインプット情報は日次・月次のタイミングで会計システムへ連携させるという流れとなっています。

また、販売管理システムには会社の全体像を把握するツールとして、ご活用いただきたい機能がございます。

一例としまして、販売管理システムで出力する日計表や月次営業資料等は、日々の取引内容の速報値として、随時確認可能です。何事もスピードが重要となる昨今、これらの機能は決算書作成前に会社の全体像を把握できる重要なツールであるといえます。

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会計リテラシーの習得 ステップ2(数字を把握する力をつける)

企業の決算書は、大きな数値を扱うことが多く、桁数が多くなって細かい数字が頭に入ってこないということはないでしょうか。そのような場合、いくつかコツがあるようです。

細部にとらわれず、思い切って数字を切り捨てて把握する

大きい金額や数字の羅列は、3桁ごとの,(カンマ)を利用して単位を理解して、細部を切り捨てて規模をぱっと把握することができます。

例えば、ある部門の8月の売上高は4123053555という報告書を見ても数字を把握するのに時間がかかります。しかし4,123,053,955とカンマが付されていれば(カンマが3個で十億を表すことが頭に入っていれば)、41億円の売上を突破したことが瞬時に理解できます。

パーセンテージを使用する。(比較を容易にし、全体構造を把握しやすくする

財務諸表分析のなかで、最も基礎的な指標が得られるものとして百分比財務諸表分析があるように、数字の羅列だけ眺めていてもどれだけ増減したか、重要度合いや変化の仕方がわからない場合など、パーセンテージはあらゆる場面で有効に使用できます。

例えば、ある部門の8月の売上高は4123053555という報告書があったとします。41億円の売上を達成したことはわかりますが、この数値単独よりも、他の数値と組み合わせてみることをお勧めします。すなわち全社の8月の売上高と比較して32%である(部門数が5であれば好調な部門)、前年同月の106%に該当する、年間の売上高の20%を占めている(該当月は売上が好調だ)、目標売上を102%達成したといった評価・分析も可能です。

また、有名なパレートの法則(全体の80%は上位20%の要因から成立する)、弊社システムでも提供する売上と商品の関係性を表すABC分析なども全体構造をパーセンテージで把握する手法です。

数字用モノサシを用いて、腹落ちしやすくする

例えば、あなたの会社で「今月は前月より100万円の売上増加」という目標があったとします。

Aさんは自分が企画した新商品の単価が100円であり、当月中に売上が10,000個増加すれば達成できると考えます。Bさんは自部署の販売員5人に20万円ずつ売上を増加してもらえれば達成できると考えます。Aさんは新商品の単価がモノサシであり、Bさんは自部署の販売員の売上高をモノサシとしています。

AさんがBさんを説得する場合、「今月は一人当たり2,000個ずつ新商品の売上を増やせば目標に達成する」(100円×2,000個×5人=100万円)という話をして新商品の販売を促進するよう勧めるでしょう。このように数字に対して自分用のモノサシを持てば数値に対して素早くアクションできるようになり、説得したい場合は相手のモノサシを使用すると効果的です。

一人前を使用する

日経新聞に2021年3月時点の日本の借金は1216兆円という記事が発表されました。これを読んだ際、数字が大きすぎてピンとこない…ということはないでしょうか。しかし、日本の人口1億2622万人で割ると国民一人当たり963万円の借金となります。もし国民一人当たりの借金を自分が返済しなければならないとすると、私などにはとうてい返済しきれない金額だという感想をいだきます。

これに倣って、会社の数値を一人前(一人当たり)に落として比較することができれば、労働効率も確認できるようになります。

 

数値を把握するためのヒントをいくつかご紹介させていただきました。

これらをいちいち手計算で実施するのはご負担に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

もし、一定の頻度である数値を確認したい、他のメンバーと数値を共有したいというような場合には、システム的に実装することも一つの手段です。

会計リテラシーの習得 ステップ3(身近なところで会計数字を使ってみる)

部門別損益計算書作成のススメ

所属部署の予算を確認する機会や、業務上の目標数値が課せられたり、目標決定の際、決算書のP/Lの構造を使って部門別損益計算書を作成してみてはいかがでしょうか。

あなたの所属部署の昨年度の売上と、その売上を生み出した原価(仕入金額等)がわかれば、売上ー売上原価=粗利(売上総利益)が算出されます。

販管費(給料や広告宣伝費等の間接的な経費)がわかれば売上総利益ー販管費=営業利益が算出されます。この営業利益が本業の儲けであり、部署の成績であり、部門長に任された責任範囲の数値です。

部署全体の数値が算出されたら、所属人員で割って一人当たりを算出し、ご自身の目標値と比較すると目標値の根拠等 見えてくるものがあるかと思います。(もちろん、各人員の職位や役割などの考慮点も多々あり、単純な頭割りで比較できるものではありませんが…。)

ところで、売上や仕入などの数値はご存知の通り弊社システムでご提供させていただく機能の一部であります。

重要なことは、数値の成り立ちを知り、損益計算の構造を理解して活用していくことにあると思います。

そこから売上目標とされる数値の決まり方、損益分岐点や限界利益などを認識しつつ、何を改善すれば営業目標を達成できるか等、様々な課題の検討に役立てていただけるものと思います。

基幹システムと会計リテラシーの活用方法 まとめ

いかがでしたでしょうか。

流通業界は2020年から2021年にかけて大きな変化を経験してきました。

コロナ渦の影響が強くなった2020年3月以降、消費者のショッピングの方法は大きく変化し続けています。

こうした変化の荒波に取り組まれている皆様におかれましては、ビジネスモデルのチェンジや組織の大胆な構造改革に対し、スピード感をもって決断・実行していく必要があると思われます。

会計リテラシーを身につけることによって、ますます 数値に基づく評価・選択を迅速に行い、判断や決断のスピードをあげる一助としていただけるものと信じます。

 

先述の通り、弊社システムでは流通業のお客様の売上・仕入を始めとした最も根幹的な数値を取り扱い、ご提供させていただいております。

その重要性に緊張感と誇りをもって取り組んでいます。

ぜひ基幹システムから得られる数値を会計リテラシーと組み合わせて、皆様の課題解決にご活用いただきますようお願いいたします。 

 

また、今回こちらのブログを執筆するにあたって以下を参考といたしました。今後の学習などにもお使えいただけますので是非参照ください。

大阪商工会議所『ビジネス会計検定試験 公式テキスト3級』

戸村涼子『会計と決算書がパズルを解くようにわかる本』

西山昌彦『会計はザックリの方がよくわかる』

2021/11/2