小売業・スーパーのムダなコスト・経費を削減!効率化の業務改善と成功事例

小売業・スーパーのムダなコスト・経費を削減!効率化の業務改善と成功事例

ユニクロさんやニトリさんに代表される、SPA(製造小売業)という製販一体の業態が今消費者から支持されています。

流通過程のあらゆる無駄を取り除き、価格を抑え、ファッション性と低価格を両立させたことにより、絶大なるお客様の支持を得ています。

 

両社ともにあの低価格であっても、50%の荒利、17~18%くらいの営業利益を出しているので驚きです。

 

食品業界で見れば、このSPAは商品のPB化に置き換えられます。

現在あらゆる食品小売業でNB商品と同容量の対等商品が70%~90%の価格で販売されており、どんどん消費者の支持を集めています。

今後小売業界では、現在の不況が収まり景気が回復したとしても、SPA化・PB化は進み、元の消費構造、流通構造には戻らないと予想されます。

 

なぜなら従来日本では当り前とされてきた・・

メーカー → 卸売業 → (二次卸) → 小売業 → 消費者

という流通過程は崩壊し、消費者にとって価値を生まない企業間の重複作業や無駄は、もはや許されない時代に突入したからです。

ましてや、一企業内での無駄や重複作業は言語道断といえるのではないでしょうか?

小売業の無駄なコストや原価、経費に対して、効率化の意味とそのポイントについて解説いたします。

小売業・スーパーの無駄なコストや原価は命取り

現在日本の小売業を取り巻く環境・景気は、依然厳しいものと予想されます。

人口も減り、高齢化が進み、消費が低迷するのに反し、店舗は増え、ネット販売や異業種の参入で競争はさらに激しさを増していく。

 

客単価は落ち、新店へ安売り店へと消費者が流れる中、既存店は大幅な改装や大胆な革新でもしない限り、前年割れがごく普通の状況です。

利益確保の対応策は?

いろいろ方法はあると思いますが、一番即効性がある方法は、売上が落ちた分、無駄なコストを削減すること

ようするに売上が4%前年割れしても、それ以上コストを(例えば5%)削減すれば利益は確保できるということです。

しかし、気をつけなければいけないのが、利益主義に走りすぎてしまうと、縮小傾向に陥ること。単純な一律コスト削減も、客離れがおき、売上低迷、経営不振をまねく例もあるため注意が必要です。

 

よって、対応策としては無駄なコストを見つけ出し、それを徹底的に原価を削減し、その浮いたコストの一部を接客やお客様への新たなサービスに使い、バランス良く売上を維持し、コストを抑えることが必要となります。

製造業と違い、小売業にはまだまだ無駄なコストや原価が多く存在します。
この無駄を無くさないと原価管理もできず、小売業を取り巻く環境に会社はのみ込まれ、命取りになりかねません。

小売業・スーパーの非効率化な事例: 頭を使わない安易な発注

小売業 非効率化な事例1: 頭を使わない安易な発注

まず、事例1をみていきましょう。

特売時の安易な発注

よく見かける特売の「前回と同じ」という発注。

前回1ケース売れ残った実績があるのに、また同じ無駄をくり返す。あげくのはてには「残っても安く仕入れてるから定番で売れれば儲かる」と、とんでもない発言まで飛び出す。

 

特売で売れ残るものが定番で売れるわけがない・・ 鮮度劣化・品揃えの悪さに直結です。

こういうお店は、今すぐ”鮮度一番”という看板を外してもらいたいものです。

全店統一の安易な発注

よく見かける全店同一サイズ・色という発注の仕方。

地域格差や客数、ライフサイクルの違い等あるのに、一律で発注をかける。

 

「売れ行きを見て、あとから移動をかければいい」と、こちらもとんでもない発言が・・

移動するにもコストはかかるし、商品劣化のリスクもあります。

 

見切り・廃棄のリスク、返品コスト増に直結です。

こういうお店は、今すぐ”地域密着!お客様のために”という看板を外してもらいたいものです。

不良在庫のメカニズム

上記のような頭を使わない安易な発注をするとどうなるでしょうか?

売れない商品が棚に並んでしまう、『不良在庫』の発生です。

そもそも不良在庫には、売れない理由があり、その理由によっては悪いことに他の商品にも悪影響を与えます。いわば不良在庫の伝染です。

 

例えば、不良在庫の存在で発注が止まり、売れる商品の発注すらできない等の現象。

このように不良在庫が不良在庫を生むというメカニズムがありますので、上記のような安易な発注を改善し、いち早く不良在庫を処分しなければなりません。

続いて、事例2をみていきましょう。

売れもしない惣菜を大量につくる

パートさんは近所の主婦が多いため、午前の勤務の方が多いです。

パートさんの都合でシフトを組み、惣菜やお造りをその時間に集中的につくり、夕方まで販売するというパターンをよくみかけます。

 

作ってから時間がたったものは美味しくありませんし、見切って安く売りさばいても、美味しくないものは、リピートしないし、美味しくない印象がついたら、間違っても見切る前に買うことはありません。

今の時代、お客様目線で必要なものを必要な量だけ、納得する価格で提供しなければならないので、働く人の都合に合わせるのではなく、お客様の都合に合わせなければ、見切りや廃棄が増え、印象まで悪くなり、無駄が増大します。

小売業・スーパーの非効率化な事例2:観点が違う、人のシフトや配置

小売業 非効率化な事例2:観点が違う、人のシフトや配置

次に、人のシフトや配置についてです。

不適切な人員配置

入荷時や品だしの際、重たいものを女性や高齢者が作業をしている姿を見かけます。

当然無理がありますし、事故のリスクも高まります。若い元気な男性スタッフがやれば、スピードもあがり、事故の危険もグッと下がります。

 

ましてや時給の高いベテランパートの方がこれをしていてたら大変なロスです。

また、繁忙期や繁忙時間帯には人が不足し、閑散期や閑散時間帯には余剰人員が出るというのもよく見かけます。

きめ細かな人員配置で無駄を排除

上記のような無駄を排除するには、きめ細かな人員シフトを実現させることにつきます。

曜日別・時間帯別の繁閑を正確に把握し、仕事量に合わせた人員を配置することです。

 

高い時給を設定してでも、繁忙時間帯2時間だけ来てもらった方が結果人件費が下がったり、月間時間契約(80時間8万円等)で、店長判断で来てもらう日と時間帯を決めるという方法の方が無駄がなくなり、結果生産性も向上します。

そして現在では、精肉部門の人が青果の品だしを手伝い、鮮魚部門の人が餃子を焼くのは当たり前。普通の時代です・・

無駄のオンパレード ここを改善すれば小売業・スーパーの効率化へ

まだまだある無駄のオンパレード ここを改善すれば小売業の効率化へ

最後に、改善できるポイントをご紹介します。

小売業にはまだまだ多くの無駄が存在

徹底効率化されてきた製造業とは違い、小売業にはまだまだ改善すれば除ける無駄が多く存在します。

以下に、見かけるいくつか例を挙げてみましょう。

 

  • 競合がやってるからと、始めた特徴のないポイントカードとその還元率
  • コストの高い店長が率先してやってる特売の品出し
  • 朝から一心不乱につくる結局廃棄されるお造りや惣菜
  • 誰も使ってない、高額な売上分析システム
  • 今の時代に店舗間・社員間での有料通話や見直さない料金プラン
  • 無駄に広い事務所や倉庫、そして売場
  • 安易な泊りがけの仕入出張
  • 値下げ交渉も長年していない賃借料
  • レンタカーより高くついている車両費
  • 長年一緒のアウトソーシング業者(清掃業者等)
  • 毎週・毎月発行されている誰も見てない帳票
  • 1000種類を超える、統一されてない消耗品
  • 統合化しないサーバーやシステムの数々
  • 誰も中身が分からないブラックボックス化したシステム
  • 最初だけ登録して、そのままの棚割システム

 

【参考】スーパーの商品改廃とは?効率化する方法を伝授

【参考】基幹システムで請求照合作業を効率化する3つのステップ

小売業・スーパーの業務改善の成功事例

最後に、弊社の小売業向け基幹システム「CHAINS Z」を導入した企業様の業務改善における成功事例をご紹介します。

店舗業務の効率化で、売り場づくりや接客に注力が可能に

東京都に本社を置き、110店舗の食品専門店を展開する株式会社エース様の成功事例です。

店舗では非効率な事務作業を削減し、売り場づくりや接客などに注力できる仕組みを作ることを実現できました。

 

例えば、今まで煩雑だった改廃棚札発行も、マスター変更情報や棚割情報から自店舗に必要な棚札が自動で出力できるようになりました。
また、新たに導入したEOB(タブレット)も棚割順に並んで表示されるため、売り場とバックヤードを往復せずとも売上・仕入などの実績データを参照しながら、効率的で正確な発注が行えるようになりました。

自動発注で発注作業の削減し、品揃えを最適化できた

東京都に本社を置き、28店舗を展開する食品スーパーマーケット、株式会社京王ストア様の成功事例です。

慢性的な人手不足が続いており、今後もその状況はさらに深刻化すると見込まれ、発注作業の負担を軽減し、限られた人員でも安定した運営を行うための取り組みとして、自動発注の導入を進めました。

人手を「作業」から解放することで、より価値の高い業務、たとえばお客様の節約志向に応じた特売政策の立案や、地域ごとのニーズに応じた品揃えの最適化、売り場づくりの工夫といった、店舗運営の本質に注力できる環境づくり構築されました。

惣菜センターへの生産指示・製造結果連携により業務を効率化

三重県に本社を置き、12店舗を展開する食品スーパーマーケット、株式会社マルヤス様の成功事例です。

店舗発注をハンディターミナルに統一し、惣菜センターの生産システムへ製造指示データを自動送信する仕組みを構築できました。

 

従来はFAXや電話、メールなどバラバラの手段で行っていた発注作業が効率化されただけでなく、製造結果も店舗へデータ連携されるようになったことで、仕入データ(移動データ)の早期確定が可能となり、総菜部門の荒利把握もスピードアップできました。

 

以上のような、実際にインタビュー取材した成功事例を紹介してますので、気になる方はぜひ導入事例ページをご覧ください。

 

【まとめ】小売業・スーパーのムダなコスト・経費を削減!効率化するための業務改善とは

いかがだったでしょうか?

ひとつでも思い当たるふしがあったら、即座に対策を実行すれば結果は出ると思います。

このような小売業の無駄なコストや原価を削減すれば、小売業が求める効率化の本当の意味が達成できるのではないでしょうか?

 

こんな話があります。

ある大繁盛旅館の女将は、お客様が帰ったあとの部屋の電気がついていたら「お金が落ちている」と言ってニコニコしながら消して回っていたそうです。

このような無駄についている電気が小売業には山のようにあるのではないでしょうか?

 

いわばお金がいっぱい落ちてます。やるかやらないかで大きな差が出ます。

特にお客様に価値を生まない企業側の無駄は、今すぐ徹底排除すべきです。

 

株式会社テスクは、小売業向け基幹システムシステム「CHAINS Z」を提供しております。

本部と店舗における業務のムダを削減、標準化し、コスト削減を実現させる効果がありますのでぜひご覧ください。