小売業の変化対応術 工夫して行動に移す方法
現在小売業を取り巻く環境は、ますます厳しくなっていると感じます。
原材料高騰による物価上昇や人手不足による人件費の高騰、働き方改革で生産性が上がるどころか、人材確保という新たなる問題。挙げればキリがありません。
しかし、変化する世の中は渡っていかなければならないので、その対策は必要です。今一番必要なのは、昭和の時代のド根性やただ頑張るではなく、いかに工夫して効率よく成果を上げるかです。
今回は、そのための行動することの重要性とその方法を書いていきます。
小売業で働く人の現状維持思考をはずす
そもそもどうして現状維持をしようと保守的になってしまうのでしょうか?
小売業の変化をリスクと捉えてしまう
新しいことにチャレンジしたり、無理だと思えることを引き受けたりという、実はとても大きな小売業にとってのチャンスに対し、そこに一歩踏み出すことはチャンス以上のリスクではないか?
今のままが一番安全で楽という保守的な考え・・
何もしなければ安全だ!やらなければ危険な目に合わない!と発想する方は実に多くいます。
これらは行動しない方の典型であり、「危険回避」「セーフティ」といったところに優先順位を置いてるパターンの方で、人生観も嫌な目に合わない、危険を避けることになってしまっている“無難“を選択する方たちです。
これはチャレンジして何かが起こることよりも、チャレンジしないで何も起こらないことの方がいいという潜在的マインド ”現状を維持しよう” という考えがあるからです。
変化の激しい小売業界において、こういう思考ではたしてチャンスが巡ってくるでしょうか?
目の前のチャンスを自ら放棄し、生かさないのですから、流れも悪くなり、やがてチャンスも来なくなるし、チャンスが目の前を通っても、おそらく気づかなくなるでしょう。
小売業は変化対応業というマインドを持つ
小売業のお客様は、時代に合わせて変化していきます。そして、インフラや環境もどんどん変化していきます。小売業は商品を並べて販売することがビジネスの本質と思っておられる方も多いかもしれませんが、もっと深いところでは、お客様の変化に合わせて価値を提供することが本質ではないでしょうか?
つまり、時代に合わせて変化していくお客様に価値を与えるには、自らが変化するしかありませんので、小売業はある意味“変化対応業”であると言えるのです。
変化の早い小売業に考えすぎは時間の無駄?
変化の早い、小売業にとって考えすぎはいかがなものなのでしょうか?
小売業は事前に考えるより、対応力が今の時代は必要
完璧に!失敗できないと考えると、じっくり調査し、キッチリ計画を立てることを優先します。
しかし逆に考え過ぎて結局行動に移せないという本末転倒になってしまうケースもよく見かけます。
これは、とても頭がよく、気のまわる方に多いのですが、問題が起きても大丈夫なように、様々な角度から準備しておかなければならないと考え、準備万端になるまで行動を起こさず、終いには「リスクが大きいからやらない方がいい」と、結局行動を起こさないという結果になるパターン。
このケースは、もはや行動しないわけですから、計画し考えた時間すら無駄に近いと思います。
こういう頭が良くて、気が回る方なのに、なぜか結果を出せない方を私は最近よく見かける気がします。
それと真逆で、無鉄砲であんまり深く考えてないような方が、まわりをふり回しながら、結構結果を出してるケースを見かけます。
こういう方は、ある程度の準備ができたら行動に移す行動派で、問題は起こってから考えて対処していくタイプです。以前はこの手のタイプは失敗やポカも多いため敬遠され、あまり評価されませんでしたが、今の時代にマッチしている方法であり、意外や貴重な存在になっていると思います。
答えのない現代社会において、あれこれと起こりもしない問題に頭を悩ませ行動しないくらいなら、行動した方がマシ。そもそも今の世の中、想定外のことばかり起こるんだから、事前にあれこれ考えたってうまくいくとは限らない。
そんな起こりもしないことを考える無駄な時間があるんだったら、起こった問題を解決する経験やスキルを身に着けることに時間を使う、この手のタイプの方が、これからの時代強いと思います。
ようは危険を冒さないから・・ チャレンジしないから・・ 対応スキルがつかない。
起こりもしない問題の対応方法を考えるのに時間を使って、なかなか行動しないから、問題発生時の対応スキルやマインドを鍛える時間もなければスキルもつかないという、悪いスパイラルに入っているということです。
小売業で行動を遅らせるトラウマをもった人多数
私が子供の頃、親から「お金が貯まってから」とか「後片付けしてから」とか、「○○してから○○しなさい」ということをよく聞かされました。
一見正しそうなこの教え・・ 実は行動を遅らせる、行動を起こせない呪文のようなものです。行動できない方に多い「今は忙しいから、来月から始めよう」とか、「今はお金がないから、資金ができたら始めよう」というのは、この呪文から来ている気がします。
「リスクやデメリットを全て洗い出してから」 「全部署の確認をとってから」 「今の仕事が落ち着いたら」・・
よく似てますよね?
このトラウマを持った方は、何か新しいことにチャレンジしようとすると、できない理由ややめた方がいい理由を先にいっぱい思いついてしまいます。時代の変化を考えたら、今はチャレンジした方が、行動した方がいい理由を論理的に考え、できない理由とかはそこそこに、走りながら変化し対応していくことが求められます。
小売業で行動できない人の特長
では、小売業で行動できない人の特長は何でしょうか?
小売業の店長にどうしたらなれる?
行動できない方の特徴に、そもそも自分がどうなりたいのか、何を目指しているのか、どういう結果が欲しいのか、それが決まってないから、どう行動していいか分からないという方がいます。
なりたいと思っていても、なかなかやったことがないことって誰にでもありますよね?
例えば・・
店長になりたい!
しかし、どうやったらなれるか分からない。クレーム対応もありそうだし、数字落としたら降格?
やり方や未来が見えないと行動に移すことは怖くてできません
やり方を理解してないから、リスクばかりが先行し、”不安”を感じてしまいます。この不安が前述の”現状を維持しようという姿勢”を生んでいるといっても過言ではありません。
逆に、行動する方はリスクがあって当たり前と考えます。だから、現状維持の発想すら脳裏をかすめません(笑)。そして、何をするかというと・・
リスクの大きさを算出し、そこを最小限になるように制御します。
その制御ができ、リスクを許容できたら、すぐ行動に移します。
これは、やれる方法思考か、やれない方法思考かの違いです。
短絡的な発想で、行動する理由が整理できない
行動する方は、すぐ目の前に起きそうな事象の”面倒くさい”とか”やりたくない”というマイナス部分ではなく、俯瞰的に見て、その行動が必要かどうか考え行動に移します。
一方、行動できない方は目の前の事象だけでことを判断して行動に移せなくなります。
例えば、彼女ができる人は、彼女がいたら人生どんなに幸せかを俯瞰的に考えるので、マッチングアプリやイベントへの参加等、行動をしまくります。
一方、彼女のできない人の典型は、ふられるかもしれない、嫌われるかもしれない、恥をかくかもしれないという目の前の不安や恐怖という短絡的な発想で行動できなくなってしまいます。
そして、行動しないないために、その不安回避ノウハウも、ふられた時の気持ちの持って行き方のノウハウも、経験しないため身に付きません。
こういう人の彼女ができない確率は誰が考えてもわかりますよね?極めて0%に近いです。
これは物事を短絡的な発想だけでとらえネガティブモードに突入する典型的な行動しないパターン。
いわば行動する理由が整理できていないパターンです。
以下に行動できない人の特徴をいくつか列挙してみます。
- 行動する前にまず「知識」を修得しようとする人
間違ってはいませんが、こういう人は知識を追い求め、次々に新しい知識を得ようとします。
そうしているうちに時間がたち疲れて行動しなくなります。行動する人は、知識よりまず動きます。
そして、行動しながら必要な知識だけを修得します。行動することで本当に必要な知識が何かが分かることを知っているからです。 - 面倒くさがりでついつい先送りする人
こういう人はいつも忙しいです。すぐにやればすぐ終わることも先送りし、後回しにするため、生産性がどんどん悪くなるうえに、頭の中はいつも「あれもこれもやらなきゃ」という雑念ばかりです。
ゆえに、イライラして冷静さも落ち着きもありません。 - 口だけの人
ノウハウコレクターや評論家タイプの人にみられますが、論理中心で反論や批判は得意ですが、行動力はありませんので結果は出せません。
私の知人にも典型的な人がいますが、本を読みまくり、セミナーに出まくり、ホントに知識はスゴいです。
しかし、その人物は20年前と今と何も変わっていません。(苦笑) - ギリギリにならないと行動できない人
こういう人は何につけてもお尻に火がつかないと行動できないです。
最後の最後に行動しますが、お分かりのとおり、目的がやり終えることですから、やっつけ仕事だったり、短絡的な仕事の仕方しかできません。よい結果は当然出にくいですね。 - 後(あと)でやる、明日やる、来月からやる
後でならできると本気で思っている人たち。こういう人に明日も来月もやってこないです。
また再びやってくる今を先送りしているだけで、「後でやる」が口癖です。 - 時間があれば解決策は見つかると思っている
大きな勘違い。むしろ今すぐ考えた方が解決策は見つけやすいです。
行動できない人の特徴のひとつ。 - 自信がないから行動できない人
実は全くの逆。
行動しないから自信がつかないことに気づいていないです - 完璧を求める人(100%主義)
行動の前に完璧を求める人。これは時間もかかれば、ほとんど行動には移せないです。
自分に完璧を求めるならまだいいですが、部下に完璧を求める上司は最悪。部下は確実に潰れてしまいます。
まとめ
今回は『小売業の変化対応術 工夫して行動に移す方法』というテーマで書かせていただきました。
今の時代、現状を維持しようとして行動を変えないと、上昇どころか間違いなく下降傾向になります。
私は多くの成功者を見てきましたが、成功する小売業の共通点は、すぐ決断することと、すぐ行動すること、そして他社より断然多くのチャレンジをしているところだと感じています。
成功者になったらそれがゴールで、今は何もしてないと思っているかもしれませんが、成功者が成功者でいられ続ける理由は、いつもチャレンジし、すぐ行動に移すことを続けているからだと思います。
今の時代は70%くらい準備/計画ができたら、ポジティブ思考で行動に移すことが、変化に対応し、厳しい小売業の環境を渡り歩くことができるのではないでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事を執筆したのは、弊社テスクになります。
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