結局基本に忠実な人が勝つ

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基本に忠実な人が勝つ理由

■ 基本を忘れない人がやっぱり強い

「基本に忠実に!」よく耳にする言葉ではないでしょうか?おそらくみんなそんなことは分かっていると思います。しかしこれができている人は意外に少ない。小学校の時「無駄遣いをしてはいけない」「名前を呼ばれたらハイと返事をする」「きちんと整理整頓をする」という基本を誰もが習ったと思いますが、私の周りにこれが全てできている人は皆無です(笑)

人は様々なことに関して、慣れてくると基本を疎かにしてしまいます。そのことがアカン人(アカン店)になってしまっていることに私は気付きました。逆に基本に忠実な人は、そこからの応用も効き、すばらしい結果をあげていることにも気づかされました。

例えば、一流のプロ野球選手は実は素振りばかりしています。イチロー選手や松井選手は試合後も夜中まで素振りをしているとか・・ ヘッドスピード・角度・タイミングによって、ヒットが打てる確率が変わるわけですから、べき乗効果で他の選手とは差が出て当然です。二流の選手が、きっと基本を忘れテクニック(応用)に走り、そこそこで練習を切り上げ、夜の街で酒でも飲んでるだろう時間にです。

ちなみに私、アマチュアゴルファーは、素振りなどほとんどせず、ロブショットやドローボールを打ちたくて、そういう練習をします。基本のスイングもできてないのに、できるはずがありませんね(苦笑)
プロは毎日毎日素振りをし、基本で単純なことばかりを繰り返して、その延長でテクニックを磨くのですから・・

  • アカン人の典型 = ちょっと上手くできるようになったら、基本を忘れテクニック(応用)に走る
  • 凄い人の典型 = どんなにすごくなっても基本を忘れない

このように、スポーツの世界でも、ビジネス社会でも、料理や勉強でも、基本が大切なことは同じです。

今回のメルマガは、人から優秀とか凄いとか言われる人や店舗、実際目標をいつも達成するバイヤーさんや店長さんとか、こういう人たちは、他の人と何が違うのかといろいろ考え、比較してみた結果、結局”基本に忠実な人”が強く、おいしいところを全部持っていき、全てを手に入れていることに気付いたので、各テーマの基本とは何かを書きたいと思います。

小売業の基本は何だろう?

■ スーパーマーケットの基本って何だ?

例えばスーパーマーケットの基本って何だろうか?私はきれいごとではなく「美味しいものを提供して、お客様の食卓を飾り、お客様やそのご家族に喜びを提供する」ことが基本だと思います。もし、「売上・利益を上げる」ことが基本とすると、仕事の仕方は全く違ってくると思います。どちらが正しいとは言いませんが、現在では前者の方が私が見てきた繁盛店の基本です。

最近スーパーマーケットに行くと本当に割安感を感じます。先日も1パック5枚98円というコロッケを見ました。経費をかけず冷凍品をさっと揚げ、コンセプトは価格勝負。すごいな~と思った反面・・ そこそこ売れるだろうけど、美味しいのか?忙しいばかりで売上・利益は上がらないんじゃないのか?この店の基本は「価格勝負?」いや他のものは特に安くない・・ 基本はいったいどこにあるんだ?と思ってしまいました。

私の知ってるよく売れる牛肉コロッケは、厳選したジャガイモを、素材感と食感を際立たせるつぶし具合で、安全な国産牛に店内で下味をつけて美味しさを追求しています。これだけでも、高品質で美味しいものを安心・安全にお届けするというコンセプトが伝わってきます。それを、お客様がお求めやすいように1枚単位で販売(120円/枚)。美味しい物をお客様にお届けするという基本がうかがえます。調べたわけではないですが、上述の1パック5枚98円というコロッケの何倍も売上が上がっている気がしますし、この商品のリピート率は間違いなく、凄く高いと思います。

■ 基本は、仕入れて・加工して・並べて・買っていただく

少々古い話ですが、プロ野球監督在位8年間全てAクラス、そのうち5度の日本シリーズ進出を成し遂げた中日の名将落合博満監督は「野球は、投げて・打って・走って・守る。この4つを基本に忠実にレベルアップしていくだけ」と言ってましたが、小売業も、仕入れて・加工して・並べて・買っていただく。の4つを基本に、お客様志向で忠実にレベルアップしていけば、好結果が生まれることは間違いないと思います。

ターゲットとなるお客様の笑顔を想定して、仕入て、加工し、陳列し、手に取っていただく、この各々の技術をお客様のために忠実にレベルアップし続ければ、誰も追いつけないすごいバイヤー、店長になれます。なんせ、自分の売上・荒利を上げることばかり、そして自分がいかに楽をするかを考えて、取引先や部下に仕事をふってる人が実に多いですから・・ これまではそれでも良かったかもしれませんが、これからはそういう人の転落はあっという間だと私は思います。

POPの基本って何だろう?

■ お客様と商品の唯一の接点

次にPOPの基本です。そもそもPOPは何を訴求するものでしょうか?もちろん”価格”というまっとうな答えが返ってきそうですが、本当にそれだけでしょうか?POPは、お客様と商品をつなぐ唯一の接点です。それなのに、”商品名”と”価格”しか書いてないPOPを今でも多く見かけます。どこよりも安い価格で売ってるならまだしも、大して安くないのにデカデカと価格だけをアピールしています。そういうお店に限って、「ウチは価格だけで勝負せず、お客様に価値を提供してます」とか言ってます・・

POPでお客様へ その”価値”を訴求せずに、他にどこで訴求するんでしょうか?
お客さん一人ひとりに声かけるんでしょうか?

例えば、390円が中心の弁当コーナーに、800円の弁当が”価格のみPOP”で陳列されてたら売れるでしょうか?ほとんどの人が「高い」と思い、売れてはいきません。しかし、800円には800円なりの理由があるはずです。その理由をきっちり分かりやすくPOPに書き、お客さんの”買う理由”が心に刺さればどうでしょうか?これは390円の弁当を置き去りにして、800円弁当がどんどん売れていきます。

■ そのPOPのコピー例

今だけの限定品♪
「店長絶賛の国産タケノコと旬野菜をベースに優しい味付けのおすすめお弁当です」
「カロリー控えめを美味しく食べて、旬な野菜で体の中から美しくなりませんか?」

商品名と価格だけのPOPでは、お客様に800円で買う理由が分からないため、売れないのではなく、買わないんですね。このようにPOPの基本は、価値を訴求することであることは明白です。

■ 誰も反応しなくなった「店長おすすめ」 「月間奉仕品」

大量印刷したと思われる「月間奉仕品」や「店長おすすめ」という小さなPOPを今でも見かけます。今の時代、誰があのPOPにお得感やおすすめ感を感じるのでしょうか?そんなものをコツコツ貼るヒマがあったら、本気で店長がすすめする商品に上記のようなおススメ理由をPOPで訴求すれば、はっきり言って売れます。
お客様が購入するまでの流れは・・

  1. お客様が商品を見つける(おや何だろう?美味しそう・・)
  2. 買う理由ができる(POPや商品を見て、ふむふむ・・欲しくなってきた)
  3. 買っていただける(他にいいものなく、価格<価値なら買おう!)

という流れです。上述の小売業の基本とお客様と商品の唯一の接点であるPOPの基本を疎かにしなければ、売上も荒利も自ずと上がってくるのではないでしょうか?

お客様心理の基本って何だろう?

■ 論理的にではなく、直感に訴える

スーパーマーケットにご来店されるお客様は各売場にどのくらいの時間滞在しているかご存知でしょうか?もしご存じでないならば、ぜひ自分の店舗の計測をしていただきたいです。ある調査でお客様は思ったほど売場には滞在しないという結果がでています。実際にいくつかのスーパーマーケットで調査したそうですが、各売場内においてのお客様平均滞在時間は1分に満たないとのことでした。私自身もこの数字には驚きでしたが、パッと来て、さっさと次の売場に行く感じです。そして、スーパーマーケットの場合、ほとんどが何を買うか決めずに買い物をしてるケースが多いので、お客様の購入の意思決定は論理的な思考ではなく、直感的なものであると言えます。この基本を決して忘れてはいけません。

■ 買いたいと思うものがない?

上記のように、お客様の購入意思決定は感覚的なものであることから、店側はお客様心理にいかに訴えるかが大きなポイントとなります。先述したように、もし「売上・利益を上げる」ことが基本として、売場作りをしている場合、お客様心理に訴えることはかなり難しいと思います。なぜならお客様の心理や関心事は、売る側とは全く別のところにあるからです。

よって、お客様に近づき、お客様の関心事に寄り添い、お客様の立場を最優先で考え、それに見合ったお客様が買う理由を徹底的に追及したうえで、直感に訴える提案をすることに力を入れるべきです。売れないのは外部環境や部下のせいではなく、お客様が買いたいと思うものがないということに早く気づくべきです。

地域密着の基本って何だろう?

■ 地域密着は商品だけでは通用しなくなった

地方のローカルチェーンで大成功している典型は“地域密着”です。確かにどのお店も同じ品揃えという時代は完全に終わり、その地域に密着したMD展開ができるかどうかが今後の店舗の存続にかかってきています。その地域特有の商材やメニューなどで、惣菜や日配のMD展開を実施している店舗を多く見かけます。

では、その”地域密着”の基本はどこにあるのでしょうか?

私は地元の食材や商材、地域特有のメニューの品揃えというよりも、地域のお客様の生活に密着するところに基本はあると思っています。どういうことかと言うと、実際に地域に住む人たちが、今何に関心を持ち、何を求め、何に喜び、何に感動するか?そこに密着して、それに応えることが基本ということです。
それは、商品だけではなく、場や機会まで提供するという意味です。

■ 来店する意味がお客様にあるか?

先ほど述べたようにお客様に”買いたいと思うものがない”となると、お客様は来店する意味すらなくなってきてしまいます。もし、地域のお客様に関心のあるイベントや企画、そして会いたくなる店員といったような、わくわくする”楽しい出来事”が店舗にあればどうでしょうか?お客様に特別な存在として店舗は認識されるのは間違いありません。そして、店舗が”楽しい出来事”を提供する場として認識されれば、その”楽しい出来事”が来店する意味や動機になり、店舗がお客様の生活において重要な居場所、行きたくなる場所になり、地域に密着した特別な存在になります。

よって、お客様が店舗をどのように見て、どのように評価し、生活においてどのような位置付けと考えているか?という視点で地域密着の基本をとらえるべきではないでしょうか?

これから地域密着で勝ち続ける小売業は、地域のお客様ニーズを正しく理解したうえで、”商品”や”楽しい出来事”を提供し続けられる小売業であると私は予想します。

 

今回は『結局基本に忠実な人が勝つ』というテーマで書かせていただきました。

”基本” 言い換えれば 物事をするのに必要な ”当たり前のこと”

これを忘れずに忠実にやり続ける人は極めて少ないです。だからこれができる人は秀でるし圧勝します。
例えば、”勝つには人の何倍も努力をしなさい”という言葉、みなさん一度や二度は小さい頃に耳にしたのではないでしょうか?これは誰でも知ってる当たり前のことですよね。でもほとんどの人は、それができません。それどころか人より楽したいと思う人が圧倒的多数です。この多数派に流されず、誰でも知ってる当たり前のことを忠実にできる人が圧勝します。間違いありません・・

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2016/5/20