チェーンストア店舗が採用すべきDX化とは?国内・海外の事例・メリット紹介!

チェーンストア店舗が採用すべきDX化とは?国内・海外の事例・メリット紹介!

今、店舗のDX(デジタルトランスフォーメーション:Digital Transformation)にフォーカスが当たるのは、人口が増加する社会を前提にした事業拡大のビジネスモデルがいたるところで、ほころびを出しているからです。
サブリースシステムの賃貸アパート経営や全国に展開する中古車販売店、急拡大した後に経営危機に陥ったステーキレストランや高級食パン店などはいうに及ばず、小売業でも拡大経営の失敗事例は枚挙にいとまがありません。

 

これらに共通しているのは、日本市場が人口減少により変化している事実を理解せず、過去の成功体験に引きずられ、事業規模拡大というビジネスモデルを継続し、無理を推し進めたところにあると言われています。

社会の多数派は認知バイアス(直感や経験にもとづく先入観によって非合理的に判断する心理現象)で判断するクセがあるので、未経験の状況変化に正しい行動を起こせないから過去の成功体験を現場に押し付けるのでしょう。

 

コロナが落ち着きを取り戻したとはいえ「第〇波」の到来に怯えながら、度重なる物価値上というインフレを懸念し、地政学的リスクなどに起因する景気の先行きに不安を抱える中では、益々過去に盲従してしまう危険が潜んでいます。

チェーンストア企業の第一線で企業をけん引するマネジメント層の方々は、現実を正しく理解し、事例を選別して判断し、行動に移さねばなりません。

 

本記事では、昭和や平成の売上偏重のビジネスモデルから脱却した令和のチェーンストア経営の一端である店舗DXを解説し、新時代の成功へと誘います。

店舗DX化のトレンド

2010年にスマホを持っている日本国民は5%未満だったのが、最近は95%を超えています。

モバイル端末全体の普及率が95%を大きく超過している実態とあわせて考慮すると、生活者のほとんどがスマホを持っていると考えて販売施策を実施しなければならないと考えます。

つまり、生活者の情報認知媒体が、紙や公共放送から、インターネットやスマートフォンアプリと言ったSNSを主としたデジタル変革に対応し、情報をデータ化して顧客満足度を上げなければならないという現実の受け入れだと断言できます。

 

また、コロナパンデミックが引き起こした非接触並びに非対面といった顧客ニーズへの対応も必要です。

 

そして、小売業が最も深刻な状況に陥っている非正規雇用労働者を中心にした人手不足は、早急に克服すべき経営課題であり、店舗運営に関わる作業工程の削減は人手不足解消に有効な施策です。

 

これら諸課題の回答の一つが店舗DXなのです。

 

今までの小売業は店舗の「立地」が収益に最大の影響を与えていました。

しかし、店舗DXが実現する今後は、立地以上に「サービスのレベル」がニーズを掴み店舗の収益に効果を発揮するでしょう。

国内における店舗DX化の事例

具体的な日本国内における店舗DXの事例として、情報発信機能としてスマホアプリの利用があります。

スマホアプリの採用により、チラシや店内POPと販促ポイントや顧客分析をICTの活用によりデジタル化・一元化が可能になり顧客満足度向上に繋がります。

 

スマホアプリの導入とあわせて、レジツールも旧来型の接客を要する形式に変わってセルフレジの採用も増えています。

しかし、セルフサービスの店舗ではチェックアウト時が唯一の顧客接点であり、チェッキング・キャッシング・サッキングを通じて買い物の楽しさを増幅している面があります。また、操作ミスを不正行為と疑われるのを避けたがる顧客はセルフレジの利用を嫌います。

ですから、セルフレジへ切り替えは熟慮しなければならない面があります。

ところが一方、先に述べたコロナ禍を契機とした非接触・非対面ニーズの増加にも応えなければならないので、有人レジとの並立が効率と効果を両立しているようです

 

有人レジであれセルフレジあれ、衛生面とヒューマンエラー回避や不正防止の観点からキャッシング操作におけるキャッシュレス決済への対応は急速に進んでいます。

 

スマホアプリとセルフレジ以外の店舗DX事例は発注の自動化です。

もちろん、発注はオンラインで行うので、お取引先が受注状況や店舗の在庫状況をリアルタイムで把握できるようにもします。

そのために在庫管理もICTを活用しています。

海外における店舗DX化の事例

海外では小売大手企業とIT大手がAIを試験的に利用した店舗DXを推進しています。

 

代表的な事例として挙げるのは、小売店舗の世界に衝撃を与えたAmazon Goです。

紹介資料の中には「無人化店舗」としている記事がありますが、チェックアウト業務を完全に省略(店舗側と同時に顧客のチェックアウト作業も無くしている)したにすぎません。

当然ながら補充や品質管理などの業務は人材を投入しており「無人」店舗ではありません。

しかし、残念ながら新規出店は滞っているようですので「成功」事例とは言えないようです。

 

小売の世界でアマゾン社と最も激しく戦っている企業は、8年連続世界最大の売上高記録を持つウォルマートです。

このウォルマートは、「ウォルマート ペイ」というキャッシュレス決済「マイクロ・フルフィルメントセンター」というBOPIS(Buy Online Pick-up In Store:ECで購入した商品を店舗で受け取ることができる)で店舗DXに力を入れています。

 

小売店舗の世界では、アメリカが先頭を走っているのですが、アメリカ以外ではホームファシリティのイケアの取り組みがあります。

イケアは店舗の主な業務である顧客の問い合わせを、商品カタログを完全デジタル化してECサイトで解消するようにしています。直接的な店舗DXではありませんが、店舗業務の効率向上を実現するので、広い意味の店舗DXと言えるでしょう。

 

一時期は店舗DXの目玉としてマスコミを賑わしていた「顔認証&キャッシュレス決済」は、アメリカにおける人種差別問題に関連して、IBM社などIT大手が極めて消極的になっています。

「人種差別」に対する温度差が大きく違う日本では判りにくいですが、逆の意味で海外事例です。

 

知らないと損する?小売業のための”効率化”ガイド

たった5分でわかる!スマホアプリのメリットがわかる入門ガイド

店舗DX化を目指すメリット

店舗DX化を目指すメリット

小売業で以前から言われている競合に打ち勝つ店舗の根幹は、「売る」から「売れる」言い換えれば「売れてしまう」、「儲ける」から「儲かる」言い換えれば「儲かってしまう」です。

これは、サービスレベルを落とさずにコストを下げて経営の効率化を実現するようにする処にあります。

コストにおける比率の最も高い部分は「人件費」ですので、業務の効率を高めれば良いのです。

 

スマホアプリを利用したチラシや店内POP、販促ポイントや顧客分析のDX化は正に業務効率を高め、結果的に人的コストが減る好例と言えるでしょう。

また、人件費より削減できる額は少ないながらも、チラシやPOPの印刷に関わる紙やインクのコストも減らすことができ、SDGs(エスディージーズ)への取り組みをアピールできます。

更に、デジタル化により顧客への情報提供がリアルタイムに行えるのみならず、ヒューマンエラーも確実に減少するので、顧客満足度も向上します。

つまり、リピータが増し来店頻度も増すので、客数が増加して収益も伸びます。

 

一方のセルフレジ導入による店舗DXも同様に人件費の削減だけでなく、有人レジのスペースに上回る台数のセルフレジが設置でき、レジ待ち時間の短縮による顧客の利便性が高まります。

また、セルフレジは有人レジチェッカーに発生するクレームが減り、チェッカーの負担軽減に役立つことも報告されています。

 

そして、発注作業の自動化は店舗従業員の作業を低減し、運営状況の管理も併せて削減します。

また、発注自動化は発注のヒューマンエラーが無くなり、商品ロスやチャンスロスの減少を通じて潜在的なコスト効果も期待できるのです。

また、お取引先との情報共有により、お取引先からの効果的支援も得られます。

店舗DX化の採用留意点

国内市場のパイは徐々にではありますが確実に減少していきます。

この現実を直視する時に避けて通れないのが店舗DX化なのです。

経営姿勢を売上重視から利益確保つまり拡大経営から、効率経営にシフトチェンジしなければならないのは、明らかなのです。

 

しかし残念ながら、店舗DXの成果は短時間で現れないので、投資コストの回収を期待するのであれば、莫大な投資を一気に行うことは避けた方が良いでしょう。

また、新たな取り組みをする時に重要な点は人材の育成です。

人材を育成するには相応の教育を施さなければならないので、この部分にも時間と費用が発生するのをあらかじめ許容しなければなりません。

 

中国戦国時代末期の思想家、荀子の言葉に「着眼大局、着手小局」があります。

店舗DXに関しても、俯瞰的な視点で適用分野を思考し、確実な分野から一歩一歩確実な適用に留意する必要を感じます。

【まとめ】チェーンストア店舗が採用すべきDX化とは?国内・海外の事例・メリット紹介!

チェーンストア店舗が採用すべきDX化について紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。

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