スーパーマーケットで役立つ発注端末とは?

スーパーマーケットで役立つ発注端末とは?

スーパーマーケット(以下:スーパー)では多くの情報機器を利用していますが、現場つまり売場や後方(バックヤード等)ではハンディータイプ(ハンディーターミナルやPDA)とタブレットタイプ(タブレットPC)の発注端末が活躍しています。

 

スーパーで使うパソコンやレジスターは固定されているので、機器の前に商品や書類を持参して作業を行います。

しかし、発注端末は商品が陳列や保管してある場所へ行って作業ができるので、売場と事務所を往復しなくても良く、大変便利に利用されています。

利用され始めたのはずいぶん古く、日本ではハンディータイプが1970年代中頃に先行して利用され始め、1980年代初頭にタブレットタイプが利用され始めました。

 

ハンディータイプが使われ始めた頃はJAN等のソースマーキングはもちろん、バーコードによる商品管理が普及していなかったので、発注等の入力作業は商品コードをテンキーで入力する運用でした。

1984年に大手コンビニがPOSレジを導入して、食品雑貨メーカーにソースマーキングを求めたのを契機にバーコードが普及して現在の様なバーコードのスキャンに変化してきたのです。

 

自動発注が幅を利かせるようになり、徐々に発注端末の影が薄くなってきましたが、まだまだ必要とされる場面が数多くあります。

スーパーにおける発注端末の役割探求で得られた進化の過程に、スーパー業界内外の激しい競争を優位に立つ、ローコストオペレーション等の効率的運営に繋がるヒントが隠れています。

スーパーで発注端末が担っている作業とは

大手を始めとして多くのスーパーでは自動発注システムを利用しているので、過去に多用されていた発注端末の出番は減りつつあります。

しかし、スーパーは自動発注システムの対象に成り難い商品も扱っているので、ハンディータイプやタブレットタイプの発注端末は使われ続けています。

その上、発注端末として誕生した頃の様に、発注すべき定番商品の商品コードと発注必要数を店頭で入力すると言った発注情報入力機能以外の業務にも使われています。

 

発注情報入力以外で重用されたのは、在庫情報つまり棚卸入力です。

先にも記載したように、スーパーの発注端末が利用され始めた当初は、商品や棚札にバーコードは無く、棚札に印字されている社内独自の商品コードを入力していたので、棚卸入力に利用するには手間暇を要するだけでなく、入力ミスを防止する仕組みも脆弱だったので棚卸への利用を躊躇してたのです。

また、発注端末自体が高価だったので、使用頻度の低い棚卸作業に必要な台数を用意するのは困難でした。

ところが、ソースマーキングの普及に伴うPOSレジ利用で高まった単品在庫の把握ニーズと機器価格の低下を追い風に、棚卸も発注端末を利用して単品で行うようになりました。

 

棚卸に関連して、棚割を発注端末で入力する場合もあります。

棚卸入力時に商品入力をランダムに行うと、入力の漏れや重複を誘発するので大抵は陳列順に行います。

その時に、棚番や棚段を入力し、読み込む順番を左右どちらからにするかを徹底すれば棚割情報としても利用可能です。

また、本部バイヤーの指示通りに陳列し、結果を発注端末に入力して報告するケースもあります。

 

スーパーの発注端末の主な業務は言うまでもなく、発注作業です。

たいていの場合は発注通りに納品されるので、仕入情報は発注情報を利用して販売システムで生成されます。

一方で、返品や移動(店間と部門間)は店舗の在庫商品に対する商品作業なので、発注端末を利用して処理されます。

 

自動発注は店舗における発注作業を不要にするのを目的にしていますが、陳列在庫に欠品や過剰が発生している時には、自動発注の各種パラメータを補正する必要に迫られます。

この時には発注端末を利用するのが便利です。

スーパーの発注端末で照会するデータとは

スーパーの発注端末は前段で解説したようにデータを入力するための機器ですが、発注のミスを削減し精度を向上させる三つのデータ照会機能は欠かせません。

 

一つ目は入力履歴の照会です。

店舗発注は入力すると間髪を入れずにお取引先様に送信されるのではありません。

送信前であれば発注内容を修正したいので、お取引先様への商品毎の発注予定を照会し修正する機能が有れば便利です。

また、お取引先様へ送信後でも、納品予定を照会する機能が必要です。

 

二つ目は実績の照会です。

発注の要否や数量算出を支援するための、一日単位(日配品等)や週単位(グロサリー等)の売上や仕入そして廃棄数量の過去実績照会が役立ちます。

発注作業の高い生産性を維持向上するには、過去実績を照会せずとも発注が完全作業になるように、単純化し標準化し更には徹底化の工学的アプローチを経ていなければなりませんが、現実には例外が少ないながら発生するので、対応できる実績照会も欠かせません。

 

三つ目は商品情報の照会です。

発注入力時に無いと困る訳ではありませんが、商品管理に関わるデータ、例えば部門や分類、発注先や担当バイヤー、特売等で変化する価格の照会は、陳列作業等の商品作業に役立ちます。

ハンディータイプの発注端末ではデータ照会は限定的に成らざるを得ませんが、タブレットタイプであれば1画面に表示可能なデータ量は多いので、入力済みの発注データのみならず過去実績や商品管理に関わるデータ、更にはスーパー本部のバイヤーが登録した指示コメントも同時に確認しながら発注作業を進めることができます。

 

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スーパーの販売システムで機能する発注端末とは

企業として運営しておられる大半のスーパーでは販売システムが稼働しています。

販売システムにおける主たる入出力機器は本部に設置されているパソコンですが、データ精度の向上や運用の改善を実現させるべく店舗で行う様になってきました。

 

設置場所や操作人員の確保が思う様にできないケースが増えているので、パソコンでは無く発注端末を利用するのです。

例えば、返品や移動の入力は発注端末で行い、手作業による伝票起案を発注端末と店舗備え付けのプリンターを連携させた伝票印刷機能に置き換えれば、伝票起案作業を削減できます。

 

また、販売システムの部門別管理で売価管理を実施していると、売価変更情報の入力が必要になります。

この際に、値上げや値下げ・見切りデータの発生を自動化して売価変更伝票の起案を省略するのは可能ですが、廃棄は対応できないので、廃棄データの入力を発注端末で行います。

 

一方で売価管理をしない場合の荒利算出には実施棚卸と在庫データの入力が必要です。

ところが、商品毎の理論在庫数を持ち、棚卸実施を実施しない時は理論在庫数に時点原単価を乗じて在庫データの代わりにできます。

 

この機能で注意しなければならないのは、理論在庫数は実態と乖離する時があるので、これを補正する機能です。

実施棚卸の在庫データで補正するのみならず、適時適切なタイミングで対象商品のみの在庫数を修正するには発注端末の利用が便利です。

【まとめ】スーパーマーケットで役立つ発注端末とは?

今やスーパーの発注端末は携帯の容易性に因り多くの機能を持っています。

加速度的に変化するスーパー業界では、データ入力の迅速性と出力の即時性が求められます。

並行して精度の維持向上は前提条件です。

 

更には、SDGsに貢献するECOには紙資源の使用量削減も企業の責任です。

一時は自動発注へのシフトチェンジにより利用頻度が減った発注端末ですが、企業に課せられた新たな要求対応の一部に貢献するのが発注端末なので、今後は活用分野が増えていくでしょう。

 

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