生鮮部門ならではの発注業務の難しさとは?生鮮食品へのニーズ変化についても解説

生鮮部門ならではの発注業務の難しさとは?生鮮食品へのニーズ変化についても解説

以前、お客様の発注業務を体験させて頂く機会がありました。

発注担当者はどのような情報を元に発注をしているのかをお聞きしたいと思いお願いしたところ、ある店舗の部門チーフを紹介され、そのチーフからヒアリングをさせて頂いた時に、「実際に発注してみますか?その後、私が見直すので大丈夫ですよ」と誘われ、タブレットで発注入力を行わせて頂きました。

 

在庫状況や昨日の発注数、来店客数予測や特売商品など確認した上で、1クラスだけ入力したのですが、ことごとく修正された事を今でもはっきりと覚えています。

「発注はKKD(経験・勘・度胸)だ!」などと表現される方もおられますが、教えて頂いたチーフは、経験を元に緻密に考えながら発注をされていると感じました。

 

その後も「どのように発注数を決定していますか?」と、多くの店舗の部門チーフの方に伺いましたが、一つとして同じ回答をされた方はいらっしゃいませんでした。それぞれ皆さんがさまざまなアプローチで情報を整理し・推測し・発注数を決定している事が分かりました。

今回は生鮮部門の発注について考えたいと思います。

発注業務の重要性

生鮮部門に限らず、発注作業はスーパーマーケットにおける大変重要な業務であることは言うまでもありません。

発注漏れや過少発注は機会ロスとなり、大きな売上減少となるばかりかお客様が離れる原因にもなりかねません。

 

逆に、過剰発注は、在庫が増えるばかりか限られたバックヤードの在庫スペースをひっ迫し、無駄な作業も増えることになります。

販売期間の短い商品については値引き、廃棄のロスを生むことにもなります。

 

そのため、季節、日にち、曜日、天候(天気・気温)、自店の販促(特売等)内容、売場の構成、イベント、競合店の販促内容(チラシ等)などの情報をもとに、商品別に販売数を予測し発注業務を行っていることと思います。

だからと言って、3時間も4時間も発注を行っているわけにもいきません、他の業務もあるので、1~2時間ほどで作業を完了する必要があります。

 

こうした作業を軽減すべく「自動発注」を利用している小売業も多くなってきました。

売上型、カウントダウン型、在庫基準型など、商品特性に合わせた発注方式を採用され、最近では需要予測型の自動発注システムを採用されるケースも多々聞くようになりました。

 

どのような発注方式を採用するかはさておき、発注数算出を自動化することで発注漏れや過剰発注などのリスクを最小限に抑えることは間違いありませんし、発注担当者の作業軽減も実現されていることと思います。

生鮮部門ならではの発注業務の難しさとは?

しかし、生鮮食品の発注に関しては、同様の効果を得ることが出来ない場合があります。

JANコードが貼付されている商品の場合は良いのですが、キャベツやジャガイモ、生魚のように販売商品コードと発注商品コードが違う場合は、自動発注で発注することは非常に困難です。

商品コード

例えば、キャベツを1ケース発注した場合、通常6玉入りでも商品調達の都合で8玉入りの商品に変更される場合があり、販売商品の個数で予測した数量と発注した商品個数が一致しない場合があるからです。

また、価格が相場に左右されることや、品質により、販売予測数量を変更せざるを得ない場合もあります。

販売期間の短さ

一般的に販売価格が下がれば販売数量は多くなりますが、生鮮食品の場合はそう単純ではなく、品質にも左右されるため、単純な計算は成り立たなくなります。

 

さらに、生鮮食品ならではの特徴として、販売期間の短さがあります。

販売期間内で売り切れず残ってしまえば廃棄せざるを得ない商品も多々あり、過剰発注が利益を下げる大きな要因になるため、在庫することが出来ません。

販売形態の違い

生鮮食品は個包装や袋詰めして販売する場合も多いかと思います。

1/2、1/4にカットしラッピングする場合もありますし、複数の原料から商品を作る”お刺身盛り合わせ”のような商品もあるため、過去の販売数量を参考に直接発注数を決定することが難しく、加工食品の発注とは”別物”と考えた方が良いかもしれません。

 

ここ十数年で大きく売上を延ばした商品のひとつに「カット野菜」があります。

これは一人暮らしの方や高齢世帯はもちろん、共働き・子育て世帯まで幅広く人気を集めています。

 

とんかつ用千切りキャベツや○○用セット野菜などは、必要量が少量の方々からのニーズだけでなく、調理時間の短縮にもなるためかと思いますが、当然、丸物の販売量にも影響されますので、こうしたお客様のニーズの変化にも対応する必要があります。

生鮮食品へのニーズ変化と他部門連携

近年では「冷凍食品専門店」がトレンドキーワードとして取り上げられました。フランスの冷凍食品スーパーマーケットが日本に出店したかと思えば、日本のスーパーマーケットも新業態として冷凍食品に特化した店舗を出店しました。

これは必要な時に必要な分だけ使える、フードロスの削減につながる、ゴミが少なくなるといった理由が挙げられるかと思います。

 

ほうれん草、ブロッコリー、きのこ類をはじめとする野菜も高いニーズがあるとのことです。

私もコンビニエンスストアで冷凍フルーツを買うことがありますが、少量ですが安価で買えて少し食べるだけで満足するおやつのひとつになっています。

 

鮮魚系の冷凍食材は、生魚系と同じ担当者が発注を行うケースが多いかと思いますが、野菜、果物などの冷凍食材は青果部門の担当とは違う部門として管理されている事も多いのではないでしょうか?

その場合は、他部門のニーズ変化も情報のひとつとして知ることも重要なポイントになりそうです。

 

コロナ禍において、お客様の購買行動に変化があったと言われております。

外食率が下がり、内食率が上がった、スーパーなどへの買い物の回数が少なくなり1回の購入金額が上がった、簡便な時短が可能な商品が好調、節約意識が高まった、などと合わせて、生鮮食品及び冷凍食品が好調というデータがあります。

 

冷凍食品が好調な理由は、時短・簡便調理、保存が可能なことが理由のようです。

生鮮食品が好調な理由はコロナ禍で健康意識が高まったことが理由とされ、生鮮と簡便食品のクロスMDの強化を進めていると聞きます。

やはり、お買い上げ頂くお客様のニーズの変化に対応し、売上を確保し続けるには、他部門との連携が必須のように感じます。

【まとめ】生鮮部門ならではの発注業務の難しさとは?生鮮食品へのニーズ変化についても解説

以上、生鮮部門の発注業務のむずかしさと、今後の生鮮食品へ影響を及ぼすかもしれない事柄について考えてきました。

 

残念ながら、生鮮EDIシステム「Fresh O₂」は上記のさまざまな情報を把握し、発注をサポートする機能までを搭載しているわけではございませんが、少しでも発注業務をし易く、情報を確認しながらおこなえる様に工夫を行っております。

 

過去実績の参照はもちろん、未来の客数予測、天候、絞込み条件ごとの仕入れ金額などを発注画面に表示し、複数企業からの提案商品を比較しながら発注業務を行うことが可能です。必ずや発注業務の作業改善に貢献出来ると考えております。

 

生鮮EDIシステムのご検討の際には、一度お問い合わせ頂ければ幸いです。

また、ダウンロードページより資料のダウンロードも可能となっておりますので是非ご参照頂ければと思います。