基幹システムは英語でなんて言うの?
普段英語を使うことのないシステム部門の皆さんが、ひょんなことから基幹システム再構築時に、英語を使わなければいけなくなったときにお役立てください。
目次
基幹システムを英語でどう言う?
How do you say a “Kikan System” in English?
Webで「基幹システム 英語」と検索すると、主に、Core System とMission Critical System の二つが結果表示されます。
二つを比較すると、簡単でイメージしやすいCore System をつい使ってみたくなります。Core System という英語を使うシチュエーションでは、それを使う場面で共通した背景があると思いますので、使用しても、まず誤解は無いように思います。
でも、そもそもCore(中核・基幹)になるSystemって何(What)?って、聞かれたら、困りませんか? Core(基幹)になるシステムは、何だろう?どこまでがCore(基幹)なのだろう?と・・・。
ひとつの答えとして、「機能が一つでも停止または故障すると業務が回らず、場合によっては、事業や組織の存続にかかわる大きな影響を及ぼすシステム」、つまり必要不可欠を英語で表す「mission-critical」なシステム、と考えてみるとどうでしょうか?少し説明になっている感じがしませんか?
基幹システムが一つでも欠けると,事業が順調に進まない
If one of the mission-critical systems doesn’t work, your business won’t work well.
「Mission-Critical」なシステムは、各事業の業態・規模・市場・国によって、違います。
電力などのエネルギー供給システム・航空チケットのシステム・鉄道の運行システム・銀行のオンラインシステムなど、リアルタイムに社会インフラの大きな影響を及ぼすシステムが「mission-critical」なシステムだということは、とてもイメージしやすいと思います。
身近なところでは、皆さんの会社の業務で利用しているシステム(Enterprise System)の一部が停止した際には、自分の業務が停滞(stagnate)してイライラした(nervous)経験を持つ方も多いのではないかと思います。
「自分の仕事(own task)」を軸にすると、停止している時間(during downtime)、業務ができなくなってしまうシステムは、自分にとっての「mission-critical」systemと言えます。
また、その業務システムを使う多くの社員が、多ければ多いほど、停止する業務範囲は大きく、会社全体に影響が及びます。
これによって、会社の事業が停滞する場合に、その業務システムは会社にとっての、「mission-critical」systemと言えるでしょう。
こうした事態に多くの社員が一斉に社内の情報システム部門のスタッフに連絡し、その対応のために、復旧作業がスムーズに進まないなんてことになると、もはや二次災害ですが・・・。
基幹システムは事業収支に影響する
Mission-Critical systems affect cash flow
もし、この業務システムが、会社の生産管理システム(production control system)や受発注システム(Electronic Ordering System)が停止したらどうなるでしょうか?会社全体の業務が止まり、事業継続に支障を来すでしょう。
例えば工場のラインが1日の稼働時間の25%停止してしまったらどれだけのロスになるでしょうか?
点検(inspection)、歩留まり安定(stable yield)までの時間など、止まってしまった影響は、停止時間以上になるのではないでしょうか?
その間、生産できた商品の出荷が遅れ、納期が守れず、信用の失墜につながる可能性があります。
また、受発注システムが2時間停止してタイムリーな仕入れや受注ができなかったら、販売機会(sales opportunity)を失ったり、過剰な在庫(excessive inventory)を抱えたりしています。
両方とも機会損失(opportunity loss)という目に見えない(invisible)損失ですが、会社のキャッシュフローを考えると、在庫仕入れによる支出(cash-outflow)が発生して、収入(cash-inflow)が入らない状態になり、キャッシュフロー(cash-flow)が減少して会社の財務(financial condition)は悪化(deteriorate)します。
目に見えない機会損失も、キャッシュフローという形で見える化 (visualization)されて、これらが積み重なって決算(financial results)という結果にその影響が表れます(appear in financial statements)。
基幹システムの構成は会社によって違う
Each company has a different component of mission critical systems
それでは皆さんの会社の基幹システム(mission-critical systems)は、何が挙げられますか?
よく重要なものとして挙げられるシステムは、業種によっても違いますが、主に、購買管理(Purchasing management)・生産管理・商品施策(Merchandising)・在庫管理(Inventory management system)・販売支援(SFA: Sales force automation system)等のシステムではないでしょうか。
それに財務会計システムを加える場合もあるでしょう。
キャッシュフロー経営を軸に据えて、短期で決算を締める企業の中には、財務会計システムを中心に、全社のシステムを構築し、常にキャッシュベースで会社の状態を把握する企業もあると聞いたことがあります。
基幹システムは、連携とスピードが大事
Easy to cooperate and run fast are most important for mission-critical systems
事業は様々な業務の連続によって成り立っています。
しかし、システムがそれぞれ単独でしか機能しないと、それぞれのシステムが優れていても、非常に不便で、会社の現状を把握することも難しくなります。
その結果、事業運営に支障きたすか、それぞれのシステム間の連携に人手がかかって、合理化はおろか、せっかくのシステム化の効果を半減させてしまいかねません。
会社の経営視点で見た場合、現状を把握するまでに時間がかかり、把握して次のうち手を出そうにも、すでにタイミングを逸しかねません。また、状況が常に変化していて、そのうち手が最善かどうかも疑わしい事態になってしまいます。
経営に不可欠な基幹システム
Management requires mission-critical systems
そうなると、基幹システムは、必要不可欠なシステム群(mission-critical systems)というだけでなく、各システムが連携して、迅速に業務判断(business judgement)や意思決定(decision-making)ができるものが求められます。
これらの解決策の一つとして、大企業を中心に統合基幹業務システム(ERP:Enterprise Resources Planning)の導入を選択されてきました。
しかし、基幹となるシステムを統合したからといって、各業務がスムーズで劇的にうまくいくかというと、そうでもないという実情もあるようです。ERPシステムの場合、統合を第一目的とするために、各主要業務プロセス(primary function)をERPシステムのパッケージに合わせることで、各企業の各業務の良さを犠牲するケースもあるようで、ERPは現場の不満との折り合いが、導入に向けての大きな課題なのかもしれません。
各企業には、それぞれの強みや良さを持っていて、皆さんの会社にも、変えたくない、残したい部分などもあると思います。それをすべて既存システムで代替することは難しいです。また、すべてを一からシステム化するにも多大なコストがかかります。したがってその企業も、業務とシステムにうまく折り合いをつけて、合理的(affordable and cost effective)なシステム投資を行ってきた企業が多いのではないかと思います。
基幹システム導入で一番大事なシステムは販売管理システム
The most important system for introducing a “Kikan-System” is a sales management system.
多くの会社の売上は、モノやサービスの販売によるもので、これらの現状を把握して経営に生かす販売管理システムは、基幹システムの一番大事なシステムと言って間違いないでしょう。
購買から代金回収まで(between purchasing inventory and receiving cash)、現在の状況を正しく把握すること (grasp current situation ) が経営の根幹になりますが、企業それぞれの業務フローの個性にあったシステム(a system that suits the individuality of each business flow)を選ぶのも重要なことだと思います。
販売管理の中で忘れてはいけないこと(issue that must not be forgotten in sales management)は、在庫管理(stock management)です。
経営を左右する大事な要素の一つで、キャッシュフローに直結します(linked to cashflow directly)。売上や利益ばかりに目を奪われず、いかに在庫管理を経営に生かせるものにするかしっかり基幹システムの検討の最重要事項として扱ってほしいところです。在庫管理の巧拙が、今後のマーケティングへの活用の成否を決めるのです。
(Skillful stock management will determine the success of future marketing utilization.)。
基幹システムへの投資の成否は明確な目的の有無で決まる
Whether there is a clear purpose determines success or failure of the investment in the mission-critical systems
基幹システム投資に必要なのは、目的をはっきりさせることだと思います。そのためには会社の課題を可視化し、課題解決の優先順位をつけて(prioritize)、より高い事業目的達成への道筋を描くことではないかと思います。
会社が目的に即した優先順位で、システム投資を行うことで、複数の重要なシステム間の連携やスピードと現場の業務のバランスをうまく図る必要があります。
基幹システムは英語で言うと、mission-critical system(s)かもしれませんが、その役割は、高度な経営戦略の体現そのものかもしれません。
そして、その導入によって、高度な意思決定(advanced and sophisticated decision-making)が可能になれば、従来、効率化や合理化そして費用対効果ばかり重視されていた基幹システムが、利益を生むシステムとして、活かされるようになれば、基幹システムを提供する会社として、これほどうれしいことはありません。
基幹システムは、ただの基幹システムだけじゃない!!
A “Kikan system” is not just a mission-critical systems but・・・
基幹システムは、必要不可欠で事業継続に欠かせないシステム群である。しかし、それらのシステムが迅速な連携で意思決定に必要な情報を提供できた時、収益を生むシステムに生まれ変わる、本物の基幹システムとして・・・
A “Kikan system” is a group of mission-critical systems for business continuity. However, if a Kikan system provides beneficial information to management for decision-making in co-working with their system resources rapidly, the system will become the profit-making system as a genuine core system of your business.
Hope this article will help you soon.
基幹システムにとてもいい資料がある!英語ではなく日本語版です
今話題のDX(デジタル・トランスフォーメーション)は一般企業のみなさんには非常にわかりづらいものです。
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本ブログを執筆したのは流通業専門のシステムベンダー「株式会社テスク」です。
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