気づきあり! 主婦・バイヤーとのよもやま話

KEYWORD :

この商品って品揃えにいれるべき?

■ 100円パスタ(冷凍食品)

友人のバイヤーとの話です。この商品は置くべきかという議論をしました。いろいろな商材で話をしましたが、まずは冷凍食品における低価格パスタ。いわゆる”100円パスタ”の話です。

最近の冷凍食品は、びっくりするくらい美味しいですね。本読者に多い男性陣は、ラーメン系(坦々麺・ちゃんぽん・つけ麺)が人気ですが、パスタ系は幅広い女性が好きで、品質もかなりレベルが上がってきており、198円~398円パスタは相当美味しいうえにリピート率も高いです。バイヤーは、その商品選定も神経を使うと言ってましたが、今回議論が白熱したのは”100円パスタ”を置くべきか置かざるべきか?

私の意見は低価格商品を求めるお客様はたくさんいるし、低価格商品が無いと冷食全体が高額な店に見える等の理由から置いた方がいいと思ったんですが、友人のバイヤーは「冷凍食品のレベルを疑われる」という理由で積極的には置きたくないと・・

なんでやねん!惣菜じゃないんだから、主婦が冷凍食品のレベルなんか疑うか!って白熱。
よ~し主婦の意見聞いてきてやるーくらいの感じで、一旦おちつきました。

この「100円パスタ」置く置かないどっちが正しいということはありませんが、結局担当バイヤーの信念や軸でしょうね。お客様層や地域などの様々な条件の中、お客様目線でブレずに信念をもって品揃えするということでしょう。

■ スーパーマーケットで雑貨

ある高級スーパーが昨年、かなり商品カテゴリーをしぼり品揃えを厚くした戦略で話題を呼びましたが、今回は今の時代スーパーマーケット(以下SM)に、品揃えとして”日用雑貨”っているか?という話です。

かつてSMといえば、日常生活を送るのに必要なものがほぼ揃うというイメージがありましたが、今はDrgsやCVSなどの競合の出現や、坪効率の悪さから、SMでも食品に特化して日用雑貨を置かないところが出てきました。特に激安系のSMはほとんど雑貨は扱ってないような気がします。

私は知人バイヤーに、雑貨など置かずに、よっぽど惣菜とか充実させた方がお客様も喜ぶし、売上も荒利もあがるしいいんじゃない?という問いを投げかけたところ、確かに鍋とかフライパンとかの雑貨はほとんど売れないけど、ティシュとか洗剤、電池は結構売れるうえに、発注は自動化できるし、賞味期限ないし、管理が楽なんだわーと。それに求めるお客様がいる限りやめられないと・・ 「雑貨は麻薬かっ!?」とツッコンでしまいました。

今回は上記のような最近話してきたバイヤーとの雑談話や、主婦との雑談話を”よもやま話”としてレポートしていきたいと思います。結構気づきはあると思いますので、ぜひ読んでくださいね。

EDLPか?特売か?

■ 問題は、お客様視点でどっちがいいのか?

次も議論が白熱した”EDLPか?特売か?”という話。
EDLPといえば有名なのがウォルマート。日本でも西友さんが有名です。特売といえば古くから日本に親しまれる販促手法です。今回は、薄利多売か?マーチャンダイズミックスか?というどっちが売上・荒利が上がるかという自分目線ではなく、お客様にとってどっちがいいんだ?というお客様目線で議論してみました。

● EDLPのお客様メリット・デメリット
お客様は、いつ行っても全商品がそこそこ安い価格で商品を安心して購入することができるというメリットがあるが、その反面商品によっては、他の特売をしている店の方が安い可能性がある。

● 特売のお客様メリット・デメリット
特売日にあたれば、対象商品がかなりのお買い得価格で購入できるというメリットがあるが、特売品以外は、EDLP店の方が安い可能性がある。

お客様にとって実はこれだけ、ということは・・ 価格面だけで論理的に考えると、長い目で見てトータルでどっちが安いか?ということになるんだけど、絶対にお客様はそんな視点で考えてない!では、なんだ?安いものだけ求めて、EDLP店、特売店に分けて行くのか?そんな人はいるけど少ない。じゃあ何?品揃え?品質?接客?サービス?・・と議論は深みにはまり、話がどんどん遠くに行ってしまいました。

■ どっちがいいかの答えが出てない

少なくとも日本の量販店小売業は、全国チェーン、ローカルチェーンに限らず、現在ではEDLP・特売の両方の店舗が存在しています。どちらかが勝つという感じもなく存在しています。これはお客様がそこだけに価値を感じていない証拠じゃないでしょうか?

私が主婦たちにインタビューしても、「あそこはいつ行っても安い」という評価はあまり聞いたことがないけど、「あそこのお肉は美味しい」「あそこの惣菜は美味しい」「○○買うならあそこが安い」「野菜売場の男の子がイケメン(笑)」と、意外やEDLPなのか特売なのかに興味がない。

この件に興味があるのは、実は業界の人と小売業コンサルタントと流通ジャーナリストなんじゃないか?

結局のところ、どちらかに大きく偏っていかないのは、EDLPなのか?特売なのか?答えが出てないからだろうということで議論は終わりました。

ただ言えるのは、EDLC(Every Day Low Cost)は絶対に必要ということ。小売業が今後投資すべきは、無駄なコストや二重作業を減らす、生産性を向上させるという方向であるのは間違いありません。

主婦の意見からみた揚げ物の動向

■ 家庭から油が消えかけている?

主婦たちに話を聞くのは本当に面白いです。めっちゃ身勝手、いいたい放題!家庭?職場?旦那の実家?でのストレスをここに発散してるかのよう。(ちなみに今回は40~50代の主婦5人に聞きました)

今回は天ぷらやフライなどの揚げ物についての話です。

Q:「揚げ物って家で揚げますか?」

  • A:「暑いのに揚げ物なんかやるわけないでしょ!」(バカじゃないの調)
  • A:「家で揚げ物なんて、もう何年もやってないよ」(まだそんな天然記念物いるの調)
  • A:「平日に揚げ物は、間違ってもやらない」(自分に手間はかけない調)
  • A:「自分で苦労して揚げるより、買ってきた方が美味しい」(お金より合理化調)
  • A:「忙しいのにそんなことやってられない」(やることいっぱいある調)
  • A:「新婚や子供が小さいときはやったけどね」(今は愛情のかけらもない調)

まあ身勝手な意見ですが本音なんでしょうね。

私が、例えば揚げるだけの冷凍のコロッケとかは買わないの?と聞いても、今はもう買わなくなったと・・

それどころか「あなた知らないの?今の冷凍食品は、お弁当に冷凍されたまま入れとくと、食べるころにちょうどよくなって、レンジでチンもいらないのよ」って・・ (そんなこと知っとるわい!と思いながら、へ~と・・)

なんと、もはやここに集まった主婦たちは、家庭で油を使うことがなくなったような感じでした。

■ ながら族の天才主婦たちへの対応は?

上の意見を冷静に分析すると、以下の現象が私の中で1本につながりました。

  • 夏は天ぷらやコロッケのような揚げ物が飛ぶように売れる
  • 全てのコンビニが、揚げ物をレジ横で売っている(売れるものしかコンビニは置かないはず)
  • 家事で一番時間を短縮できるのは食事の支度(洗濯とかは短縮できない)
  • 各社惣菜の売上構成比が、ぐんぐん上ってきている
  • 各社冷凍食品の売上構成比が上がってきいる
  • 揚げるだけの冷食が売れずに、冷凍5食入りうどんがバカみたいに売れる(笑)

このことから、SMでは惣菜部門をいかに活性化させるかが大きなテーマであるし、冷凍食品の品ぞろえをどう考えるかも大きなテーマであるという仮説が成り立ちます。

もう一つ、買ってきた惣菜を手抜きに見せない方法を聞いたので・・(苦笑)

  • いつも同じ惣菜を買わないようにする
  • トンカツとかは卵でとじて出す
  • 一工夫手間をかけて(大根おろしを乗せる等)食卓に出す
  • もちろん、お皿に移して出す(パックは見つからないように捨てる)

ということは・・ POPで「忙しい主婦の味方♪卵でとじたら惣菜に見えませんよ!」と書いたら、結構売れる仮説が成り立つのですが・・ 惣菜担当の皆様、上記よもやま話、参考にしてください。

メーカーはPBをやりたいのか?

■ メーカーはどうしてPBやるの?

以前のメルマガで ”勝負するのはNBかPBか留型か?”という記事を書きました(『必見!利益が上がるバイヤーの仕事術』)。その時は、NBは今後利益を出すのが難しい、PBはメーカーの都合もあり、どうしても品質または価格の問題が残る。できれば留型で売れ筋商品を自社で育てるのが効果的という話をしました。

今回はPBにフォーカスしてメーカー目線で話をしました。(Bはバイヤー)

私 「最近ドライのNBって減ったよね?」

B 「明らかに減ったね。某大手EDLP小売業は、ドライはPBばっかりだよ。」

私 「メーカーはPBなんて、本気でやりたいの?」

B 「仕様書出さなアカンしノウハウでるし、基本やりたくないはず」

私 「じゃあなんでメーカーは受けるの?」

B 「理由はいろいろあるけど、経営的に工場の稼働率を下げるわけにいかないし、上げなきゃいけない
は理由の一つかな。それにPBの場合、ロスは飛躍的に減るから・・」

私 「メーカーもPBやりたくないのに、厳しいね」

B 「そうだけど、断固としてPBをやらないメーカーもまだいっぱいあるよ。」

私 「超大手さんでPB一切やってないとこ確かにあるね」

B 「アイスクリームとかPBあんまりないでしょ?」

私 「そーだね。でも、さすがだね」

B 「さすがというか、売れなかった時のリスクが大きいし、契約切られら相当の痛手だしね・・」

■ 消費者と小売業の間で、課題の多いメーカー

メーカーは消費者と小売業の間に立って、かつてでは考えられないほど大変な時代になりました。相次ぐ食品偽装や遺物混入事件で、品質管理コストも膨大になり、PBといえ安かろう悪かろうではリピートしないため今後も苦戦を強いられます。品質を維持して価格を下げてもなかなか簡単には売れません。今後は品質をかなり向上させ、値ごろ感(価値>価格)を出さないと、さらに厳しい時代が到来します。TPPもついに決定し導入されますので、食品市場には激震が走るでしょう。(またTPPによる業界激震予測の記事も書きたいと思います。)

最近のメーカーさんは、世の中が厳しいせいか非常にレベルが高いと思います。商品のトレンド(アップ、ダウントレンド)については、めちゃめちゃ詳しいです。これもPBでより消費者に近づいたからかもしれません。バイヤーさんは、ぜひメーカーさん(各社強い分野がある)にトレンドを聞くべきだと思います。そして自社での分析をかかさないことです。時代の変化は本当に早いです。

 

今回は『気づきあり! 主婦・バイヤーとのよもやま話』というテーマで書かせていただきました。

よもやま話とは、とりとめのない雑多な話とか、無駄話という意味です。そんなことをメルマガの記事にして申し訳ないと思いつつも、このよもやま話の中に、小売業の売上や利益を上げ、ロスを減らす多くのヒントが隠されていると思って今回記事にしました。勘のいい方は、いくつも気づきがあり、商売に取り込めることがあるのではないでしょうか?

また、時代とともにお客様は変化し需要も変わることが、よもやま話からよく分かりました。今後は顧客と商品を結びつけたアトリビュート分析が、価格、品質、品揃えの決定に大きく役立つでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 2015/10/28