アプリは小売の集客施策に使えるのか

世間では、紙媒体での販促から、デジタル販促へ!という声が多く聞かれます。

いままで折込チラシで販促をしていたけど、新聞購読者数も減っているし、次の手を考えないと・・・と思案を巡らせている販促ご担当者も多いのではないでしょうか。

 

本ブログでは、小売の集客に販促アプリは有効なのか、を考えていきたいと思います。販促の次の一手につながるヒントになることがあれば幸いです。

小売業の集客施策はこのままでいいのか

世間では当たり前のように言われている「紙媒体での販促から、デジタル販促へ!」の方向性は、小売の集客では正解なのでしょうか。

多くの小売業では、集客施策のメインは新聞折込チラシでしょう。折込チラシは取り巻く環境として、各社状況はさまざまでしょうが、一時期よりも印刷費用、折込単価ともに上がっているのではないでしょうか。一方で新聞購読者数は減っていますから、リーチできる数も減っているはずです。では、効果はどうでしょうか。

 

多くの場合、折込チラシの効果測定はできておらず、その効果は不明瞭です。効果が明確にはわからないまま、「毎月予算を取っているから」「競合他社もチラシを打っているから」、などの理由でチラシを継続していることも少なくないはずです。

近時のコロナの影響で折込チラシを控えていた小売業の方からは、「チラシを打たなくても、客足が減らなかった」といった話も聞こえてきます。(ただし、通常とは違う事態なので、本当はチラシ減によって客足に影響があったが、外食需要からの流入分がそれをカバーした、ということも十分に考えられます)

 

ただ、チラシの役割は短期的な集客だけではありません。チラシには店舗の看板がわりの役割もあり、チラシを定期的に打つことで認知を上げる効果もあります。ですが、店舗をいつも身近に感じてくださっている1次商圏のお客様にはあまり必要のない効果なのかもしれません。

このような状況を考慮し、チラシによる販促と、デジタル販促をうまく組み合わせていくことが、小売の集客には必要です。

小売の集客にアプリは使えるのか

では、現状の折込チラシでの集客とあわせて取り組むべきデジタル販促とはなんでしょうか。結論から申し上げると、小売業が取り組むべきデジタル販促手段は「自社専用スマホアプリ」です。

現状、多数の小売業が取り組んでいるデジタル販促手段としては、「HPへのデジタルチラシ掲載」「LINE公式アカウントの運営」「チラシアプリへの出稿」が挙げられます。「LINE公式アカウントの運営」「チラシアプリへの出稿」はスマホアプリに関する施策ですが、自社専用スマホアプリとは決定的な違いがあります。

 

それは、お客様の属性情報が取得できない、という点です。属性情報が無い状態でのデジタル販促では、紙のチラシでの販促の類型から脱し切れていません。リアルタイムな情報更新、通知などのメリットはありますが、属性情報を利用し、お客様の状況に応じた販促は実現できません。

自社スマホアプリでは、多くの場合、アプリ取得時に簡単な個人情報を取得します。取得する内容はさまざまですが、居住エリアや生年月日、年齢などは取得する場合が多いです。

そこで実施される販促は、1次商圏のお客様への重点的なアプローチがメインです。

 

※自社スマホアプリといっても機能は様々なため、以降はテスクのスーパーマーケット向けアプリ「Safri」が持つ機能群を念頭において話をしていきます。

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小売の集客における自社アプリの役割

先ほど、自社スマホアプリのメインの役割は、1次商圏のお客様への重点的なアプローチ、と申し上げました。

では、そのようなツールは果たして使いモノになるのでしょうか。売上高=客数×客単価の計算式に当てはめたとき、自社スマホアプリは以下のように売上高に貢献します。

 

客数への効果について、自社スマホアプリに来店ポイントの機能があれば、それによってお客様の来店頻度を高めることができます。ただし、このコロナの状況に限っていえば、これは無条件に喜べる状態ではないかもしれません。難しいところです…。

これも自社アプリの機能で緩和が可能です。そのカギとなるのは、予約機能です。

 

特に食品SMで多いのでしょうが、サービスカウンターでクリスマスケーキ、お歳暮、恵方巻などの注文を取っていると思います。

これをアプリで予約注文をとることで、サービスカウンター業務や、データへの打ち起こしの手間を削減する、というのが予約業務のメイン目的です。

これを転用し、カレーセットや鍋セットといったメニューを作っておくことで、「アプリで予約→来店してセットを受け取り、会計だけして退店」という流れで滞在時間を短縮することができます。

 

なかなかカレーセットだけ買うお客様はいない、別のものもついで買いする、というのも事実でしょうが、それにしても滞在時間の短縮には貢献できます。

それなりの準備は必要ですが、これを突き詰めて、買い物のドライブスルー化を実現することも可能です。

実際、イオンリテール社がコロナ対応でドライブスルー対応を行ったことがニュースになっていたのを見られた方も多いのではないでしょうか。また、EC機能を使えば、そもそも来店は全く必要がなくなります。

 

客単価(買上点数×一品単価)にも自社アプリは貢献できます。プッシュ通知クーポンの合わせ技で、「会計〇○円以上のお客様は〇%割引」といった通知を行う事により、客単価に対して働きかけることができます。

もちろん「会計〇○円以上は~」の設定によっては、大勢のお客様を対象にした割引になってしまうので、通常の客単価を調べたりしたうえで設定をする必要があります。

客単価の上位数%をラインとした設定をすることによって、バーゲンハンターではない、上得意様にメリットを感じて頂くこともできます。プッシュ通知はセグメントができますので、上得意様に多い属性に対して同じようなクーポンをプッシュ通知し、新たな上得意様の創造を試みるといった取り組みも考えられます。

 

このプッシュ通知は、販促施策の創意工夫によってさまざまな使い方が考えられます。セグメントの元となるデータが揃っていれば、特定エリアの販促強化や、上得意様への囲い込み強化、新たな上得意様の開拓、手薄な層の掘り起し等々、に取り組めます。ただし、あまり頻繁にプッシュ通知が増えすぎるのはよくありません。

 

皆さんも、「このアプリ、通知ばっかり来るけど、内容は興味ないものばかりだし、アンインストールしようかな」と思った経験がないでしょうか。

適切にセグメントしていれば、関連性が強く、興味がある内容を通知できる可能性が高まりますが…とはいえ、ですよね。ここを強化していけば、ワントゥーワンマーケティングを推進することができます。

小売の集客にアプリを使うと、こんないいいことも

・刷込み効果も期待できる

アプリに必要なこととして「飽きられない」ことが挙げられます。これは、業種に関係ない悩みだと思います。

よって。お楽しみ機能があるか無いか、というのが意外と重要になってきます。

 

クーポンが当たるかもしれないスクラッチ形式のゲームなどがあり、毎日チャレンジすることができれば、アプリが忘れられることもないですし、なによりお店のことを毎日想起させるので、刷込みの効果も期待できます。

 

・こんな面での囲い込みも

チラシアプリに出稿していると、競合のお客様を奪える可能性もありますが、逆パターンも然り、です。

都合の良いことを言うと、自社の1次商圏のお客様にはチラシアプリを使ってほしくないけど、他社の1次商圏以外のお客様にはチラシプラスを使ってもらって顧客流入させたい、というのが理想ですよね。

 

1次商圏のお客様に自社アプリを使ってもらい、クーポンやお楽しみ機能といった諸機能で囲い込むことによってチラシアプリを見る頻度を落とすことを狙えるのも自社スマホアプリの隠れた効果です。

まとめ

小売の集客にとって、自社アプリは非常に重要です。

本ブログを読んで頂き、「とにかくチラシで販促だ!」「チラシアプリにも出稿しているし、自社アプリの検討は必要ないかな?」「自社アプリをわざわざ使うメリットがイマイチわからない…」といったお考えに変化がありましたでしょうか。

 

中小規模の多くの小売にとって、自社アプリというのはまだまだ「次のステップ」なのかもしれません。

ですが、よくよく周囲を見てみると、意外と多くの小売業が自社スマホアプリを導入しています。

「すぐに検討しないと!」という方も、「まずは情報収集から…」という方も、更に詳しい内容を知りたい方は、資料ダウンロードコーナーをご覧いただければと思います。