基幹システムで欠品を減らす方法とは?

店頭にいつも並んでいる食品や日用品が欠品していたら、皆さんならどうするでしょうか。

普段購入しているものであれば、違うメーカーのものが店頭に並んでいても近くの店舗で探すことになるかと思います。

 

1つの商品の欠品が原因で、その日の買い物は全て他の店舗で行なうと、欠品を起こした店舗の売上に影響します。

欠品は件数でなく、重大な機会損失として荒利益高や売上高に換算して追及すべき改善課題です。

 

今回は小売業を対象として、基幹システムを導入して欠品を減らす方法を紹介していきたいと思います。

欠品が発生する原因

欠品が発生する原因は主に3つが考えられます。

1つ目の原因は商品管理によるもので、商品構成、品揃えの作業ができていなければ、適正な棚割りを作ることができません。

商品毎の売れ数に比例したフェース数と陳列数にならなければ欠品が発生します。

売れ筋(店舗で扱っている商品の中で売れ行きが良い)商品の品揃えが少なく、死に筋(売れ行きが悪いまたは停滞している)商品が売場の多くを占めてしまうと、売れ筋商品で欠品が発生し、在庫コストが増大します。

 

2つ目の原因は在庫管理によるもので、過剰な在庫にならず、かつ品切れを起こさない在庫数でなければなりませんが、日々の仕入数、売上数、在庫数をきめ細かく管理できていないと、欠品が発生します。

売場で発生するロスについても在庫に左右されるため、在庫管理に必要な数値となります。

販売数はPOSデータから日々の在庫が更新されても、マスターに登録されていない商品、またはマスターに登録されていてもPOS側のコードと相違があれば、売場で欠品が発生しても、本部システムの在庫は減ることがなく、欠品に気付かなくなります。

 

仕入数は検品精度の低さ、伝票入力作業の遅れにより、売場と本部システムの在庫数にずれが発生します。

棚卸の実施で正確な在庫数を把握できますが、決算または中間決算時だけ実施する企業が多く、在庫の精度を維持することが難しくなります。

 

3つ目の原因は発注精度によるもので、どれぐらい売れるか予測して発注を行なっても、予測が外れて商品が売れ残ってしまい、また全て売り切ってしまっても完売したら、品切れの可能性を考えなければなりません。

発注したのに店舗に納入されない未納や、納期に遅れて納品される遅納についても、欠品が発生する原因になります。

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基幹システムを使用して欠品を減らす方法(商品管理編)

売れ筋商品、死に筋商品の見極めを売れ行きが良い、悪いなどの感覚だけで決めるのではなく、具体的な数値で判断して、一定の基準で選定することが重要です。見極める選定基準については、商品回転率、PI値、ABC分析が使用されます。

商品回転率

在庫が1年間に何回入れ替わっているかを表す数値です。計算式は、「売上高÷平均在庫高」になります。商品回転率が高い商品は売れ筋商品、商品回転率が低い商品は死に筋商品と判断できます。

PI値

特定の商品が客数1000人当たりの売れた量を表す数値です。

計算式は、「商品の販売数(金額)×客数÷1000」になります。

 

PI値の高い商品が低い商品より顧客の支持が高く、売れ筋商品と判断できます。

PI値を使用した品切れ対策として、品切れが発生した時刻からの販売数量を予測し、商品が納入される時刻までの予測客数にPI値を掛けて、次回の仕入数量を決めることができます。

ABC分析

売れ筋商品分析のもっとも一般的な手法で、売上高など複数のデータを重要度の高い順にA・B・Cのランクに分類する方法です。

商品を売上高の高い順に並べて、累積売上高と累積売上構成比を算出し、累積売上構成比の70%までをAランク、70~90をBランク、残りをCランクに分けて、Aランク商品が売れ筋商品と判断できます。

 

売上高を縦軸、荒利高を横軸にして、売上と荒利をクロスさせた商品の分析を行なうことで、売上は高いが、荒利の低い商品は集客商品となり、売上・荒利ともに高い重点商品と分けて、取るべき対応が変わります。

売れ筋商品と死に筋商品の見極めができれば、売れ筋商品を確保して、死に筋商品を売場から撤去し、新商品の導入と棚割りの見直しをスムーズに行えます。

 

基幹システムを使用して欠品を減らす方法(在庫管理編)

仕入・売上・棚卸以外に返品・店舗間移動・廃棄を在庫数にカウントして、実在庫との差異をなくします。ハンディターミナルなど使用して、売場で入力した結果を当日の在庫に反映できれば、在庫の精度は上がります。

仕入はケース単位、売上はバラで扱う商品については、商品のJANコードが異なるため、別々で在庫数をカウントすると管理できなくなってしまうため、同一商品としてケースをバラに換算する必要があります。

 

色違いの商品をまとめて1つの商品で扱うと、どの色の商品が欠品になっているか把握できなくなるため、色違いの商品は分けて管理が必要です。

仕入数の管理は、取引先からEDIで出荷データを受け取ることで店着日に在庫に反映する仕組みがあれば、伝票入力の遅れによる在庫反映タイミングのずれはなくなります。

また、出荷データに出荷差異の欠品理由が付いていれば、取引先または小売側の責任で欠品が発生していることか把握できます。

 

棚卸は決算・中間決算以外の月以外でも、一部の売場に特定した棚卸や、棚卸の都度実施場所を変えるなど、棚卸の頻度を上げることで、在庫数の修正とあわせて過剰在庫と欠品の把握もできます。

在庫の精度が上がっても欠品が発見できなければ改善されないため、欠品一覧表の作成、品目毎の基準在庫を下回った時の欠品アラートを出すなど、棚割のフェース数・陳列数の修正、発注の見直しを行ないます。

基幹システムを使用して欠品を減らす方法(発注仕入編)

商品が欠品になった時に、次に入ってくるまでの時間を予測し、在庫があれば売れると推測される数量を算出します。欠品の予測数量が分かれば機会損失数量を算出することで、売上高の予測が可能になり、発注精度の向上に繋がります。

発注精度の向上には単品管理が欠かせないものとなり、POSシステムの販売情報、EOSの単品情報、実地棚卸の在庫情報を活用して単品管理を行ないます。

 

POSシステムの販売情報は、過去データから平均販売数を算出するために使用し、定番・特売毎の販売数を管理していれば、定番販売数を使用して正確な予測ができます。

売上高は天候や気温などの気象条件に影響することから、POSシステムの販売データから分析することで欠品ロスをなくすことはできます。

 

発注用の端末に発注・販売データ、天候、気温、客数などが確認できれば、売場で効率的に発注商品・発注数量を決定することができます。

【まとめ】基幹システムで欠品を減らす方法とは?

今回はシステムを活用して欠品を減らす方法を紹介しました。欠品による機会損失が解消できれば、売上高が増加し、顧客離れを防ぐことができるため、取り組むべき課題だと思います。

単品管理をシステム化することで欠品を減らすと同時に、作業の効率化も期待できますので、検討してみてはいかがでしょう。

 

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