小売業の販売管理システムはパッケージの選択が肝心

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小売業における販売管理システムは、オンプレミスにせよクラウドにせよ多くの稼働実績を持つパッケージソフトウェアを採用することに異存はないと思います。しかしながら、導入企業にマッチしたパッケージソフトウェアでなければ百害あって一利なしです。今回は、何をもってマッチしていると判断すれば良いか、比較検討のポイントは何か、必要な機能、それぞれについて解説していきます。

小売業販売管理システム パッケージの適合度を測る条件

そもそも小売業と言っても、経済産業省の業種分類では買回品業種、最寄品業種、各種商品小売業、その他業種の4つに分類されていますし、業態分類では百貨店から無店舗販売まで大きく11種類、細かくは25種類に分けられています。言うまでもなく、これら全てにマッチする販売管理システムなど存在しえないので、各分類特性を考慮することになります。適合度を測る条件は全部で4つあげられます。

(1)スキャニング・コード(EAN・JAN・UPC・JANインストアコード)による運用が前提であるか否か
 世界標準で管理運営されているアイテムコードを利用できるか、自社もしくはメーカー独自コードの利用が必要かによってシステム内容が変わります。

(2)アイテムコードとは別に色柄/サイズが運用上必要か不要か
 こちらについては、あった方が良いと判断すると必要のない作業が発生し、システム運用の生産性を大きく損なうので、利用しない企業は色柄/サイズ管理のできる小売業販売管理システムを選択してはいけません。

(3)扱いアイテムのお取引先への補充発注が大半入荷するかどうか
 社内在庫を店舗間で移動してアイテム補充をする運用と、定番アイテムであれば予め決められた価格・単位・納期で入荷することが前提であり、アイテム補充はお取引先へ商品を発注する運用の企業で利用される小売業販売管理システムとは大きく異なります。

(4)売場がセルフサービス方式か否か
 セルフサービス方式であれば本部と店舗の役割が明確に分担され、運用も合理的に設計されているので、小売業販売管理システムも合理的運用に合せて設計されています。

 

以上4つの条件を基準として、業種分類毎に小売業販売管理システムの適合度が違ってくるため、これらを十分に考慮した小売業販売管理システム パッケージソフトウェアの選択が重要と言えます。

小売業販売管理システム パッケージ比較検討時のポイント

小売業の販売管理システム パッケージソフトウェアを比較検討するにあたり、何にポイントを置くのが適切なのかを解説します。業種業態を問わずに一般的に言われるのは、“コスト、適合度、スケジュール、導入実績、信頼性”の5つです。そして小売業に特徴的なポイントは、“保守サポートの充実度”です。これら6つのポイントについて解説します。

(1)コスト
 コストを比較する場合は、5年間に支出する総額を積算してください。パッケージソフトウェアの対価のみならず、稼働に必要な機器類、ハードウェア・ソフトウェア等の保守費、クラウド・ホスティング・ハウジングの総額、ネットワークの利用料金等を全て漏らさないようにしましょう。

(2)適合度
 前章で解説した内容を理解してください。

(3)スケジュール
 短ければ良い訳ではなく、スケジュール計画に合理性があり、各作業に適切な期間設定がなされていなければなりません。特に、小売業販売管理システムは周辺機器や外部企業との接続があり、自社の都合ではいかんともしがたい部分があるので、余裕を持ったスケジュールでなければなりません。

(4)導入実績
 既に取引のあるシステムベンダーとの取引実績ではなく、パッケージソフトウェアの導入実績つまり同業種同業態へ納品、指導、移行等一連の作業を行った実績を言います。この経験値を導入小売企業が利用すれば、失敗を回避し成功裡に稼働する確率が増すのです。

(5)信頼性
 システムベンダーの企業経営が長期にわたって安定し続けることです。小売業販売管理システムは法定償却期間後に廃棄することは稀で、長期にわたって利用し続けます。この時に安定稼働しているといえども事故はつきものですので、開発導入したシステムベンダーの支援を受けることになります。対象事業から撤退したり、企業が存続していないと継続利用が困難になります。

(6)保守サポートの充実度
 他にも増して重要なポイントです。小売業の多くは書き入れ時の土日祝日を営業しますが、システムベンダーは休業日である場合が多く、休業日には保守サポートをしないケースがあります。また、電話受付を了承してもエンジニアが個人的にサービス残業として受け付けるケースがあります。言うまでもなく、書き入れ時にシステム利用に支障が発生したら、速やかに復旧して欲しいですが、システムベンダーが対応しないと復旧が困難になります。また、組織的な対応ではなく個人的な対応になってしまうと、担当エンジニアが病気になったり退職した時に支障をきたします。更に、対応時間帯も利用企業の営業時間や利用時間に合せるように調整させることも必要です。

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小売業販売管理システム パッケージに必要な機能

先の「小売業販売管理システム パッケージの適合度を測る条件」に記述したように、小売業全般に対応する小売業販売管理システム パッケージソフトウェアはありません。例として、スキャニング・コードを使って運用し、色柄/サイズの運用はせず、補充発注の大半が入荷し、売場がセルフサービス方式である業態に適合する小売業販売管理システム パッケージソフトウェアに必要な機能を解説します。

今回解説する小売業販売管理システムは、複数店舗を持つチェーンストア企業を想定するので、これから記述する本部機能とは別に、店舗システムとして本部の一部機能を抜き出して店舗単独機能を持っている必要があります。

セルフサービス方式の売場で主たる販売を行う業態では、キャッシュレジスターを利用するケースが大半であり、商品のソースマーキング等を読み取るPOSレジが多くなっています。故に、POSレジとネットワークで接続し、商品マスターの配信や販売実績の集信ができる機能が売上管理として必要です。売上関連の実績入力はPOSレジで行われますので、小売業販売管理システム パッケージソフトウェアに機能を持つ必要はありません。また、他業態の販売管理システムが持つ売掛や請求・入金管理機能も不要です。対象としている業態では、現金もしくは類似する方法で販売することにより発生する“回転差資金”が経営に対する重要な資金として利用可能になるので、掛売りを行なってはこの資金を失いますし、掛売りを要求する顧客は極一部ですので、極一部の顧客のために例外運用をすると生産性が落ちます。掛売りを要求する顧客に対してはクレジットカード等を利用していただくようにします。

仕入管理としては、仕入や買掛・支払の入力や管理が必要です。更に、仕入ではないが商品が入庫する入庫管理や店や部門で商品が移動する移動入力・管理も必要です。そのため、売上や仕入に関連した商品や原材料の入出庫により発生する在庫の管理機能が必要になります。在庫管理といえば数量管理をイメージしますが、後で記載する「部門別管理」のための金額管理も必要です。

加えて、小売業販売管理システム パッケージソフトウェアには「部門別管理」を機能として持っていなければなりません。店部門別に売上・仕入・在庫を計算して荒利を算出し、可能であれば販管費を店部門別に割り振って営業利益まで算出します。在庫評価は最終仕入原価法と(税法方式)売価還元法そして月次総平均法の三種を部門毎に選択できれば良いです。

小売業販売管理システム パッケージ選択まとめ

小売業販売管理システム パッケージソフトウェアに関して、適合度の測り方、比較検討のポイント、必要な機能について解説しました。業種や業態により違いがあるので、利用しようとしている企業の特性を理解し、企業に合った小売業販売管理 パッケージソフトウェアを選択してください。小売業販売管理システム パッケージソフトウェアを正しく稼働させることが目的ではなく、経営に貢献することが目的です。そのためには、生産性が向上し、収益が上昇しなければなりませんから、これに資する小売業販売管理システム パッケージソフトウェアを間違えずに選択することが重要です。

 

 

2020/11/26