小売業のスマホアプリおすすめ!あると便利だと思う機能・いらない機能

小売業のスマホアプリおすすめ!あると便利だと思う機能・いらない機能

2008年に日本にiPhoneが登場してから、スマートフォン(以降スマホ)の普及は加速し、ついには80%を超え、現在では85%程度までいったのではないかという報告が出ています。

この数字が示すのは、ほとんどの人がスマホを持っていることの証であり、若者にいたっては、おそらく持ってない人はほぼいないとも推測できます。

 

この状況下でスマホのハードウエアは、ここのところ大きな進化はなく、スペックが上がる程度の小さな進化しかしていないですが、それに台頭してスマホアプリの方はここ数年進化し増え続けています。

現在も留まることなく次々とありとあらゆるスマホアプリが登場し続けています。小売業界でも負けじと店舗販促系のスマホアプリを多くの企業がリリースしています。

 

これはブームや様子見というよりも、ある程度の効果が確信できることで、各社導入をしていると思われます。なぜなら、スマホアプリは、知恵と工夫によっては、間違いなく大きな効果を生み出すとは思いますし、現に大きな効果を出している企業もあるからです。

一方、せっかくお客様に自社のアプリをダウンロードしていただいたのに、通知機能をオフにされたり、アンインストールされたりして、効果がなかなか出ていないという声も多いようです。

 

この差は一体何なのでしょうか?

今回はその理由を事例を交えながら、スマホアプリをダウンロードしまくっている私の持論を中心に書いていきたいと思います。

 

ちなみに、5G(第5世代移動通信システム)の普及やAR(拡張現実)・VR(仮想現実)により、次世代スマホと言われる「スマートウォッチ」や「スマートグラス・レンズ」が台頭し、スマホが衰退するという見解を出されている方もいらっしゃいます。

私からするとここ数年でのその現実味はなく、いずれは体の一部になるようなデバイスは登場するものの、販促効果という角度で見れば、ラジオ、新聞、テレビ、雑誌と比較し、スマホ販促の息はまだ長いと考えています。

小売業スマホアプリの現状と事例 「お客様は目新しさを感じてない?」

小売業におけるスマホアプリのリリース状況としては、大手と言われるほとんどの企業が既に展開しています。

これら大手企業にとってスマホアプリは、もはや必須の存在と言っても過言ではないくらいの状況です。

 

このようにスマホアプリの導入が広がる背景には、アプリはお客様獲得における今までにない新たなる方法であり、競争力強化と収益の確保に大きな期待が持てることがあげられます。

しかし、まだまだ店舗販促系スマホアプリは世の中に出たばかりであり、最大限に効果を出すためのスキルや知恵は残念ながら確立されていないと私は思っています。

 

それでも、多くの企業が他社に遅れないようにと必死で開発しているのは、スマホアプリで先行することができれば、間違いなく大きなアドバンテージを得ることができると考えるからでしょう。

 

しかし、現状のスマホアプリを見る限り、小売業界においては・・

・店舗紹介等のWebサイト機能
・チラシ、クーポン配信機能(プッシュ通知)
・ポイントカード機能
・チェックイン機能(来店ポイント付与)

 

といった基本的な機能に留まる企業が多く、これまであった機能をスマホにのせかえただけの「移行アプリ」にすぎません。

きっと、お客様はポイントカードや紙が無くなる等の便利さは感じるものの、正直目新しさは特に感じてないのではないでしょうか?

 

これは企業側にとってのスマホアプリの最終目的が、自社の売上・利益を伸ばすための集客ツールであります。

それを果たすための直接的な機能となる「お得情報の周知と展開」だけにアプリがなってしまっていることが要因であると考えます。

小売業スマホアプリの現状と事例「お客様に支持される、おすすめアプリ事例」

では、スマホアプリをインストールするお客様はどのような心理状態でしょうか?

アプリは現在世の中に溢れかえっていて「もうあまりインストールしたくない」というのが本音であると思います。

 

よって、既に需要(入れたくない)と供給(スマホアプリは期待できる)のバランスは崩れはじめているかもしれません。そこから考察すると、同じような機能を持ったアプリでは、今後ダウンロードしていただけない、派手なオファリングまでして、せっかくダウンロードしていただけても削除されてしまう可能性が高いということになります。

 

企業にとっても、結局はお客様にアプリをダウンロードしていただき、使っていただければいただけるほどお客様のリアルなデータを集めることができ、実践的なマーケティングにも生かすことができるわけですから、ダウンロードして使っていただけなければ、スマホアプリは無駄なものになってしまいます。

まずは、以下にそのようなことがないように工夫して、基本機能に留まることなく、その企業独自の機能を持ったスマホアプリのおすすめ事例(小売業以外も含む)をいくつかご紹介します。

 

  • 目覚まし時計機能(ユニクロ)  : 単純ですが、意外に便利で多くの人が利用している
  • 商品バッチ機能(セブンイレブン): 商品を買うごとに、銅・銀・金のようにランクが上がり優遇を受けられる
  • スマホ・レジ機能(ローソン)  : お客様自身のスマホで店内の商品をスキャンし、決済できるサービス
  • 来店予約機能(スシロー他)   : 事前予約で待ち時間が圧倒的に減るため、既に多くの人が利用している
  • ガチャクーポン(丸亀製麺)   : レシートのQRコードでガチャが引けて、それがクーポンとなる
  • 対戦ゲーム機能(王将他)    : ゲームをしてクーポンに換えたり、同アプリ同士でスコアを競ったりできる

 

上記のようにお客様が価値を認め、頻繁に使いたくなるアプリにすると、削除されるどころかホーム画面にアイコンを置いてもらえるようになり、自社のブランドイメージをいつも目にしていただけることになるのです。

 

スマホアプリに関して、自社の最終目的である”売上・利益を伸ばすための販促・集客ツール”という位置づけもとても大事です。

しかし、その最終目的から単純に発想・構想するのではなく、お客様がハマるような価値を提供し、そのしくみを考える知恵や工夫が無ければ、スマホアプリ効果への期待は持てないと言い切ってもいいでしょう。

こんな小売業スマホアプリは嫌われる!?「嫌われるアプリとは?」

上述のようにスマホアプリに対する本音は、企業からすれば販促・集客ツールです。

しかし、お客様から見れば、どれだけ価値があるか、どれだけ便利かが本音です。

 

企業側にお客様のどんな問題や課題を解決するかの方針やコンセプトがなければ、もはや支持されることもないでしょう。

みえみえの販促アプリでは、即行削除されるだけではなく、かえって企業のイメージを落としてしまう可能性もあります。では、ダウンロードされないとか、すぐに消されてしまう嫌われるアプリとはどんなアプリなんでしょう?

 

実際に多くのスマホアプリを使っている私の独自見解を述べたいと思います。

 

ダウンロードされないアプリ
・わざわざダウンロードしてまで欲しいと思う特典がない
・入力項目がやたら多い(途中で断念します)
・結構な個人情報まで必須入力で求めてくる
・操作がしづらい、画面展開が遅い

 

 

消したくなるアプリ
・頻繁に望んでいない販促通知が送られてくる
・立ち上げ起動に時間がかかる
・立ち上げるたびに、商品の宣伝が出てくる
・操作がしづらい
・普段あまり(めったに)使わない
・他のアプリを入れたときにホーム画面から排除しようと思うアプリ
・スマホを新機種に変えたときに再導入の必要性を感じないアプリ

 

個人情報漏えい等の重大な問題を除いては、やはり、面倒、ウザい、使わない、使いづらいというのが、きっと嫌われる理由ではないでしょうか?

 

スマホアプリは、ダウンロードしていただくまでの壁は非常に高いという面を持っていながら、削除の方は壁は全くなく、簡単に消されてしまうという側面を持っています。

嫌われない、消されない工夫というのが一つのキーワードとなってきます。

こんな小売業スマホアプリは嫌われる!?「プッシュ通知に想いがない」

企業から見れば、スマホアプリの一番の魅力はプッシュ通知ではないでしょうか。

プッシュ通知機能を使って、クーポンやセールの情報をお客様をセグメントして送ることができるため、高い確率で来店・購入につなげることができます。

 

また、プッシュ通知によるお客様の開封率は、シンプルで内容やメリットが分かりやすいタイトルをつければ、メールやDMと比較して圧倒的に開封率が高いという調査結果があります。

現にファーストフード業界やコンビニ業界では、クーポン配信で大成功を収めています。工夫次第でプッシュ通知は大化けするのです。

 

しかし、プッシュ通知は適当に配信していると、上述のようにそれこそアプリを削除されてしまうリスクを伴います。全顧客に一斉配信とか、考えなしに繰り返す発信はとても危険です。

私は販促部・プッシュ通知課という組織を作って運用してもいいくらい、運用には手間をかけるべきだと思います。

裏返せば、お客様志向で手間をかければ、その何倍もの効果が期待できると思っています。今は、激化する”プッシュ通知合戦”ですが、お客様の心にささる価値さえ提供できれば、競争力は半端なくつくと確信しています。

 

いずれにしろ、お客様セグメント毎に配信タイミングを調節するなど、お客様が煩わしさを感じないような、微妙なさじ加減をしていく必要があります。

なにしろ年齢が高くなるにつれ、若者と違って、そもそもそんなにスマホが鳴らない、メッセージやLINEも来ない。

そんな中「おっ!なんか来た」とスマホをみて、しょうもないPUSH通知だったら、きっとプンプンですよ。まあ、そうなっても年配の方は削除の仕方をご存じないかもしれませんが(笑)

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小売業のスマホアプリ、今から作るなら絶対こうすべき!「競合他社との差別化に重点」

何度も書いたように、スマホアプリは今後乱立しはじめると思われるため、同じような機能ではダウンロードしてもらえなかったり、削除されたりしてしまいます。よって、絶対に競合他社との差別化が必要となります。

ではどうしたらいいのでしょうか?

結論は「自社のお客様が求めていることに対応できるアプリを運用する」です。

 

競合他社との差別化や競合他社にはない魅力を見つけるには、徹底的にお客様にフォーカスすることです。自社がターゲットとするお客様がどんな人達で、いつもどんな悩みを持ち、何に満足し、何に喜び感動されるか?

それらを徹底的に調査したうえで記載すると下記のようなサービスにたどりつきます。

・自社の商品(価格・品質・品揃え)やサービス
・競合他社の商品やサービス

 

これらのサービスを比較し、競合との違いや魅力を整理し、今の現在の”自社の強みを明確にします(過去の自分達が思い込んでる強みではダメです)。

 

そして、その自社の強みをベースに自社のポジショニングを決定し、競合他社を圧倒するコンセプトを全社で発想し構築します。

これがキチンとできれば、スマホアプリでの販促・集客は必ずや成功すると思います。逆に言えば失敗する要素は少ない、いやほとんどないと思います。

 

なぜなら、これからの小売業ビジネスは、発想・構想・コンセプトといったことがビジネスの行方を大きく左右すると考えられるためです。

これができていない状態で、どんなにテクニックを駆使しても、まして、うまくいった他社事例の単なる真似や、流行りに乗っかるようなことをしても、ビジネスが良い方向に進むことはないでしょう。

小売業のスマホアプリ、今から作るなら絶対こうすべき!「スマホアプリは完成品をつくる発想はNG」

スマホアプリを構築するときだけに限らず、人は何かを作ったり、実行したりするときに、ついつい完璧を求めてしまいます。

そして完璧にできないことを理由に・・ 結局作るのをやめたり、行動をためらったりします。

 

以前は綿密な計画や準備、シミュレーションが必要でしたし、その手法が時代に合っていました。

しかし、これからの時代、完璧を求めて準備・調査していては、一歩踏み出したときには既に遅れ、完成したときには時代に合わないものになる可能性が高いと私は思います。ある程度の準備・調査をしたら、一歩踏み出し、走りながら時代に合わせて変化する対応力の方が、完璧にすることより今はよっぽど重要ですし必要です。

 

スマホアプリにおいても、間違いなくそのスタンスが必要だと思います。そもそも正解とか完成品などアプリにはありませんので、完成品をつくるのではなく、常に変化に合わせてアップデートするという発想が大切です。

楽天やamazon.com、Youtubeがいい例で、お客様がどのように使っているか、満足度を高めるためにはどうすればいいかを絶えず研究して、常に変化しており、日々完成度を高めているのを感じられます。

 

今後のスマホアプリは、さらに位置情報との連携にも拍車がかかり、キャッシュレス・スマホ決済の方向へ行くことは間違いありません。

そして、家電との連携や予約・配送など、スマホアプリが無くては買い物そのものが不便になり、スマホアプリの無いお店はそっぽを向かれる?(汗)。

そんな時代が来るのかもしれません。

小売業のお客様の声から「こんなアプリがあったら便利でおすすめ」

最後に、こんなアプリがあったら便利でおすすめ!ということを友人や知人に聞いてみたので、いくつかご紹介したいと思います。

意外や参考になるかもですよ(^^)

 

<小売業のスマホアプリ もし、あったら便利でおすすめ!その1>

・商品を撮影して一番いいものを判定してくれる”ソムリエ機能”
 -野菜・果物版(一番おいしいものを目利きし選んでくれる)
 -肉・魚版(一番鮮度のいいものを目利きし選んでくれる)
 -惣菜版(同一価格で一番量の多いものを選んでくれる)

・商品をスキャンor撮影すると、過去の単価履歴と今日の値段を教えてくれる
・毎日の献立を体調やその日のやる気を設定すると考えてくれる
・料理名を入れたら、買い物リストがでて、買い忘れたらアラームが鳴る
・商品をスキャンすると、原材料・産地等を表示してくれる
・実際の食事を写真にとると、カロリーを表示してくれる
・冷蔵庫の食材を管理してくれて、残っているもので献立を考えてくれる
・本日の特売品から、献立と買い物リストを出してくれる

・画面にタッチすると体温や体調を判断してくれる
・今日の顔色や髪型に似合うスタイルや色を、持っている服からコーディネートしてくれる
・お知らせアラーム(翌日雨予報なら洗濯指示、資源ゴミの日、薬飲む時間、免許更新、行事、等々)
・レシートを撮影したら、家計簿を自動作成してくれる

 

<小売業のスマホアプリ もし、あったら便利でおすすめ!その2>

・廃棄直前商品落札システム(廃棄する商品情報を掲載しネットで落札するシステム)
・アプリ上で商品の検索を一定回数以上したら、ポイントやクーポンがもらえる
・レシートにQRコードを印刷し、自社アプリから読み込むと抽選で豪華賞品が当たる
・自分や家族のアレルギー情報を登録すると、良い食品を教えてくれる
・予防したい(かかりたくない)病名を入れると、理想の食材や献立を勧めてくれる

食品スーパーのアプリやスーパーマーケット向けアプリから良い献立を教えてくれるのは面白いです!
しかし、お客様に意見を聞くと、いろいろ出てきますね~ (^^)

小売業のスマホアプリおすすめ ~まとめ~

今回は『小売業のスマホアプリおすすめ』というテーマで書かせていただきました。

小売業においても既に多くの企業がスマホアプリをリリースしています。

 

しかし、考え抜いたアプリと思えるものはまだまだ少なく、他社がやってるからウチもやってみよう的なアプリが多いように感じます。

よって、そこに大きなチャンスが潜んでいます。これまでの常識や今やっていることをのせかえるという発想をせず、ゼロベースで自社の強みがスマホアプリにどう連携できるか?

 

自社のお客様にどんな価値を提供するかということを全社で考え、市場における自社のポジショニングを確立し、コンセプトをつくることのできる企業が、スマホアプリで大きな効果を上げるのではないでしょうか。

そして、アプリに完璧を求めないこと、構築して終わるのではなく、お客様がどのように使っているか、

満足度を高めるためにはどうすればいいかを絶えず研究し常に変化させ、完成度を高めていくことが重要!ということが今回の検証で私が一番感じたことでした。

どんなスマホアプリがお客様にとって使いやすいか?
どんなスマホアプリがお客様にとって楽しいのか?
どんな小売業のスマホアプリがお客様にとっておすすめなのか?

その具体的な内容を”続編”として、また書きたいと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。