スーパーマーケットの販促で効果的な3つのアプローチとは?

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スーパーマーケットの特需が終わりそうなのに、次の需要増が来る確信を持てません。こんな時のスーパーマーケットは、どのような販促を行えば良いのかお悩みではありませんか。

文字通り販売を促進するのですから、販促つまり販売促進とは、売上を上げる目的の手段として実施します。大胆な表現をすれば客数を増やすか客単価を上げるかの2択もしくは両方なのです。

この古くて新しい課題に対する、客数と一人当たり買上点数、1品平均単価(1人当たり買上点数×1品平均単価=客単価)の3つのアプローチを紹介し、最後に最も重要な点を解説します。

スーパーマーケットの販促における大切なセオリー

スーパーマーケットに従事されている方々の多くは、“販促”と聞くとチラシに掲載する“特売”を思い浮かべます。ちょっと前までは販促=特売=チラシがセオリーだったと言えるでしょう。

そして、チラシは新聞を月ぎめで取っている人が対象ですが、皆さんもご存じの通り、新聞を取っている人は急速に減少しています。全年齢層の合計で見ると感じにくいのですが、スーパーマーケットが購買層として重要視しなければならない20代から40代は、2014年から2021年の間に新聞月ぎめ契約が半減しているのです。

特に、食品を多く購入する30代は30%程度の人しか月ぎめで新聞を取っていないので、3人に1人の手元にしか届かないチラシは、届いても見ない人の存在を考えると、多額のコストを要するチラシのコスパは急速に薄くなったのです。

一方、チラシを見た人に対する定番商品の短期期間限定特価(格安)販売効果は薄れず健在です。

ポスティングを利用して対象地域に配布する方法もありますが、これも多額のコストが必要なのでチラシの代わりに利用するのは良い判断とは言えません。

したがって、チラシ情報が顧客の手元に届けばよいので、チラシを見る機会が減るのをリカバリーする方法として効果を発揮する方法がスマホアプリやLINE広告などです。つまり、販促=特売=チラシ情報=スマホアプリ等になってきているのです。

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販促のセオリー1)先ずは客数を増やす

販促のアプローチにおいて、最も重要な指標が客数の増加です。多くの方は客数の増加と聞くと新規顧客の獲得を思い浮かべます。

スーパーマーケットを選ぶ主な理由の首位は『低価格』ですが、相当魅力的な『低価格』をアピールしなければならないですし、販促でアピールできるレベルは限られています。また、ほぼ同率2位は『行き易さ』という立地条件ですので、新規顧客の獲得は販促ではどうしようもないのです。

ところが一方、客数の増加は既存顧客の来店回数を増やしても達成できるのです。そして、既存顧客の来店回数を増やすための方策は、チラシ情報の日替りイベントの実施とクーポンの配布が効果的です。

クーポン配布は店頭渡しが大半を占めていましたが、昨今はスマホアプリ等を利用した方がプッシュ通知で一層効果が上がる事例が多く見受けられるようになっています。同様に、チラシもスマホアプリを利用してプッシュ通知が可能ですので、利用しない手はありません。

販促のセオリー2)買上点数を上げるには

販促のアプローチでは買上点数も大切な視点です。

スーパーマーケットの販促で買上点数に効果がある方法は、チラシとマネキンやバーチカル陳列の合わせ技を利用するのです。

来店客の購買のきっかけは「店頭で見て」や「評判」が中心になると言われています。つまり、荒利を削りコストをかけた販促で来店を促した来店客の買い回り時に、店頭で商品を魅力的にアピールすれば買上点数を増やせるのです。

マネキン販売はインプロ(インストア・プロモーション:店内販促)の中でも買上点数に対する高い効果が期待できます。そして、商品の視認性を高めて「もう一品」を誘導するバーチカル陳列(主にエンドへの縦方向大量陳列)も効果を発揮すると経験法則から解っています。

販促のセオリー3)1品単価は異次元対応で

3つ目に1品単価を取り上げますが、1品単価を上げようとして増量パックや高価格品の売り込みを行う間違いを犯しているケースを散見します。

断じて自店のプライスラインから外れた商品を店頭陳列で扱ってはいけません。扱い商品が高いイメージを来店客に持たれるリスクがあります。

店頭陳列以外で扱えばよいのですから、クリスマスケーキやおせち料理などのシーゾナブル・アイテム(季節商品)を事前に注文を受けて店頭渡し等を行うのです。

しかし、サービスカウンターなどで注文用紙を受け取る方法では場所や時間に制約があり、発注する顧客が迷ってしまいます。

そこで、スマホアプリで気軽に注文できるようにしましょう。日常の営業方法とは異次元の対応が自店プライスラインを壊して顧客の不信を買うことなく、1品単価を上げられるのです。

取り扱いを注意すべき販促 「ポイントN倍セール」

一方、販促として劇的な効果のある方法に「ポイントN倍セール」があります。しかし、効果が劇的である『クスリ』と同様に、副作用も激しくなります。

つまり、スーパーマーケットの基本行動を疎かにしたツケがまわり売り上げが下がっても、「ポイントN倍セール」のNを大きくすれば挽回してしまうのです。

こうなると悪循環に入り、気づいた時には取り返しがつかない状態になってしまった事例を何度も見ています。販促は補助的なものなので、特に劇的な効果のある「ポイントN倍セール」の取り扱いには注意しなければならないのです。

販促を活かすためのスーパーマーケットの3つの基本がある

スーパーマーケットの基本が販促を活かすのです。それはスーパーマーケットの創成期から言われていた「鮮度・価格・品揃え」の3つです。

購入店舗の選択理由は低価格と並んで立地と鮮度なので、必ずしも販促の良し悪しが販売動向を左右する訳ではなく、ましてや大半の来店客が1店舗で買い物をすます傾向を考えると、販促が効果を発揮する前提にはワンストップショッピングに対応した品揃えが必要なのです。

劇的な効果のある販促は、「鮮度・価格・品揃え」に対する努力をせずとも売れてしまいます。そうすると基本をおこたり、おまけに「整理・整頓・清潔・清掃」まで、おろそかにしてしまうのです。

当たり前ですが、スーパーマーケットは原則を徹底し続ける中で、チラシ等の販促をするのであれば良いのですが、販促に頼りすぎると経営体質をむしばみます。利用を間違えると体力が落ちてしまう「劇薬」になってしまうと言えるでしょう。

まとめ

スーパーマーケットの販促について、客数、買上点数、1品単価に分けて考えてみました。デジタル化が一層進展するに伴って媒体等の方法も変遷していますし、今後も大きく変わるでしょう。もっとも店頭販売がEC(電子商取引)に取って代わるともいわれています。

スーパーマーケットの主な扱い品である食品や日用品は、計画購買の比率は低く、店頭やクチコミで購入の意思決定をすることが中心的であり、媒体接触が意思決定に対する影響が少ない実態を考えると部分的なEC移管があったとしても、しばらくは日常的食品、非日常的食品の購入先として中心的な役割をスーパーマーケットが担うことに揺るぎは無いでしょう。

そのような中では、販促は補助的な営業活動の位置づけと認識し、スーパーマーケットの原則を磨き続けることが大事なのです

2022/6/17