他の業界では当たり前!小売業ができていない集客管理とは?

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これから小売業が陥る方向とその対策とは?

■ どの業界も向かう方向はそっくり

消費税増税後の回復の遅れ、原材料高騰による物価上昇と、小売業にとって厳しい環境は続いています。
このように経済活動が停滞し、人口が減少傾向になれば、需要が減っていくのは自然な流れです。

小売業に限らず、どの業界も同じような流れをたどっていますが・・

需要が減るから → 競争激化 → 安売り という方向に行き

そして次に・・

利益が減るから → コスト削減 → 専門化(高額・高荒利) の方向に行き

そして、次に何が起こるか?

客数が減り → 専門化でも安価な設定(高荒利のはずが低価格化せざるを得ない)

外食産業を例にとっても、何でもあるレストランは厳しくなり、焼肉・イタリアン・寿司といった専門化になり、次に限りなくコスト削減を実施し、高級・高付加価値メニューを展開し、そしてその高級品も最終お手頃に提供する。

いい例として、現在流行っているのが、立ち食いのイタリアンやフレンチ。高級店の1/2~1/3くらいの価格で食べられます。回転寿司においても、上質のネタが100円ですから驚きです。

■ 頭を使って競争に勝つ! 競争力を計算式で書くと・・

このような現状をふまえ、何も手を打たないと間違いなく淘汰され、体力のある大手に専有化が進んでいくのはあきらかです。スーパーマーケット業界を除く、量販店小売業の大半は既に上位数社でシェア50%を超えてきました。スーパーマーケットだけが、現在上位10社で20%強のシェアですが、このままですと、いずれ専有化は他業態や米国同様進んでいくと思われます。

では、どんな手を打つべきか?

安売り合戦等の体力勝負の戦いは、最終的には大手に軍配があがるのは目に見えていますので、頭を使って戦いに勝つ方法がいいと思います。企業の目的は利益を上げることです。利益を上げるには今の時代、過酷な競争に勝つ以外方法はありません。(戦わずして勝つこと含め) すなわち”競争力”をつけることです。

”競争力”を私の考えた計算式で表してみますと・・

競争力 = 商品力販売力集客力サービス(接客・接遇)力コスト削減力

となります。

理想は各々10%ずつ底上げしていくことでの相乗効果ですが、今回のメルマガでは、他の業種では当たり前にやっているのに、量販店小売業がなかなかできていない、頭を使った集客力のアップについてフォーカスしていきたいと思います。

競争を優位にすすめる集客路線とは?

■ まず、どの方向に進むかはっきりすべき

効率のいい頭を使った集客を考えた時、第一に考えなければいけないのが、企業・店舗としてどの方向に向かうを決めることではないでしょうか。

競争力を強化するためには、上記のような3つの路線のうち、どの方向性でいくか明確にすることが競争を優位に進めるコツです。少なくとも集客のため(広告・宣伝)だけでも路線を決定すべきです。
そうすることでターゲットが明確になり、お客様に強烈にアピールできるとともに、集客の効率化・優良顧客づくりのお客様に対するアクションが明確化されます。

  • 差別化路線 ・・・ 他社にはない独自の手法で力をつけ、競争を避ける
  • 特化路線 ・・・ 商品やお客様に徹底的に特化して、優良顧客に対し価値を提供する
  • 低価格路線 ・・・ コスト削減・ローコスト経営で価格の安さをお客様に提供する

これらの路線を明確にしたうえで、徹底的に追及していくことが集客・競争力強化の大きな土台となります。

他の業界では普通に実践している集客管理方法

■ お客様をステージアップさせる

他業界では普通に実践している、集客の管理方法をご紹介しましょう。
お客様をいくつかのセグメントに分けて、集客・接客・商品・販売方法を考慮し、お客様を確実にステップアップし増やすという方法です。

例えば、以下のようなセグメント分け


上記は有名な ”AIDMAの法則” をベースにしたセグメントです。

読者のみなさまも、お客様をいかに増やすか、自店にいかに来ていただくか、いかにリピートいただくか、そして優良顧客になっていただくか、ということは共通の課題であると思います。それを実現するために、各々のセグメントからお客様のステージが上がっていくようにアクションをすることをしなければなりません。これは販売を主とする他の業界では、ほぼ必ずと言っていいほど実施しています。

しかし、量販店小売業ではお客様の数が多すぎるからか、①~④におけるアクションは意識してされてない。
実施していても、以下くらいではないでしょうか?

  1. ターゲット → 認知   = 店舗そのもの・野立て看板・チラシ
  2. 認知 → 検討顧客 = チラシ・販促(特売)
  3. 検討 → 来店顧客 = 販促(特売・イベント)
  4. 来店 → 優良顧客 = ポイント販促、DM販促

もし上記程度のアクションでしたら、他業界から見たら、「えっ?」って思われるぐらいの集客活動になります。

■ ホームページで何か対策してるのか?

他業界では、例えば①のアクションの場合、ターゲットとなる顧客に対して明確に絞り込んで広告しています。ターゲットが見そうな雑誌やフリーペーパーへの広告、SNSのコミュニティ、ホームページのSEO対策。
ターゲットが検索しそうなキーワードで必ず対策しています。

例えばスーパーマーケットで、

”安心 野菜 大阪” とか ”新鮮野菜 大阪” とかで検索しても、1ページ目にスーパーのスの字も出てこないですし・・

”無添加食品 名古屋 スーパー”って検索しても、スーパーマーケットは1ページ目に出てきません。
名古屋の無添加食品に力入れてるスーパーさん! 対策したら、お客さん独占できまっせ(笑)

①~④でやるべきアクションは、いくらでもあります。ターゲットを絞って、自社の路線を明快にし、お客様にコミットすれば(安心・安全、新鮮な食材を提供し続けますとか、地域一番安い価格で提供します等)、間違いなく効果が表れ、お客様は増えます。

離れていくお客様を知っていますか?

■ 離れるお客様を防ぎ、戻ってきていただく

お客様の中には、離れていってしまう方も必ずいらっしゃいます。転勤や引越しもあるでしょうし、店員のちょっとした態度や、商品への不満等々あるでしょう。しかし、その離れていった理由をご存じでしょうか?それ以上に、離れていってしまったお客様の顔と名前が分かりますか?離れるお客様というのは、下の図のように、必ず優良顧客か来店顧客にセグメントされた大切な方々です。そんな大切なお客様をほったらかしにしてはいけません。必ずツケが回ってきますよ。


もちろん防ぐアクション(予防)が最も大切ですが、復活のアクション(DMやメール、訪問等)ができているかいないかで大きな差が出ます。他業界ではこれも当たり前の活動としてされています。

このようなお客様がどの段階(ステージ)にいるかの判断が、これまで量販店小売業においては、なかなか困難(お客様の数が多すぎるゆえに)だったかもしれません。しかし、現在では技術の進歩により、お客様の来店頻度や来店ペースの変化がデータで管理することが可能になってきました。

これらの集客管理を実践することが、これから他社との競争力に差をつける1つの方法ではないでしょうか。

なぜ、お客様は来ないか?

■ 自分中心で考えず、お客様視点でじっくり考える

なぜ、お客様は自店に来ないか?

値段が高いから? 鮮度が悪いから? 惣菜が今ひとつ? 駐車場が止めにくい? 店員の態度が悪い?

そもそも知らない、だいたい行ったことがない、行こうと思ったことがない・・

様々な理由が考えられると思います。

かつては量販店小売業といえば、大きな店舗を出せば、お客様は集客しなくても湧いてくるものでした。しかし、そのような好調な時代は残念ながら終わりましたし、もし今そうでなくても、必ず終わりがきます。

時代はどんどん変化しているのに、ついつい売る側の理論で考えてしまいがちです。これからは完全にお客様視点で来店までの思考と行動をステージ別に考えてみることがとても重要であり、集客のコツとなると思います。

 

今回は、『他の業界では当たり前!小売業ができていない集客管理とは?』というテーマで書かせていただきました。

それは、ターゲットをしぼり、お客様をセグメントして、集客アクションするという手法です。今回ご説明した内容は、お気づきの通り、実は「当たり前のこと一つ一つをキッチリやる」だけのことです。それがお客様が集まるお店づくりの基本であり,競争力の源であると思います。

”集客”とは、お客様が集まってくるから”集客”であって、お客様を集めているうちは、焼け畑農業と一緒で集め続けないといけない。究極の目標は、集客活動しなくてもお客様が集まってくるしくみを作り上げることではないでしょうか。それができれば圧勝です。

そのためには仮説と検証をくり返すこと。それで企業も店舗も成長していく。ゴールした時点で、そこが次のスタートとなり、どこまでもゴールはないかもしれませんが、それをくり返せる企業が強く、末長く愛されるのではないでしょうか。

 2014/10/28