思わず納得!小売業で役立つ法則集2

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相手の要請を受け入れやすくなる法則

■ サーカディアンリズムの法則 とは?

相手を説得したり、情報収集を効率よく行うのに適した、夢のような法則があります。それが『サーカディアンリズムの法則 』です。この法則は、我々生き物としての自律神経が、午前~日中は『交感神経』が働き、午後(夕方以降)は『副交感神経』が働くという方式をとっていることで、脳そのものは、交感神経が働く午前中は”論理的思考”であり、副交感神経が働く午後は”感情的思考”であることから・・

  • 短時間で説得したり、情報収集したい場合は、午前~日中にする
  • じっくり説得したり、人間関係形成や業界事情などを収集したい場合は、夕方以降にする

方が、間違いなく成功しやすいうえに効率的であるという研究結果からの生まれた法則です。

■ 食事をするとさらに効果があがる”ランチョンテクニック”

さらに、その効率を倍増させる『ランチョンテクニック』という手法があります。

ご存じのとおり、会話は飲食をしながらするとスムーズになります。また食べている時は無防備で開放的な心理状態にあるため、相手の話を聞こうとする心理も働きます。そして、美味しいという感情や、満腹という欲求も満たされるため、相手の要求や説得を受け入れやすくなる効果があります。このような、食事をともにした相手に心を許しやすい心理を生かす手法が『ランチョンテクニック』です。

このテクニックを併用することで、さらに商談や部下への指示、業界の裏情報収集等をうまく進めることができます。例えば、契約や提携といったような厳しめの話は、ランチをしながらすれば緩和されます。また、親密度を上げたり、業界(裏)情報などを得るには、夕食をしながらすると効果的であることが分かっています。

シビアに契約や提携を進める外資系企業が、ランチをしながら”論理的思考”をベースに商談を進めることが多く、 人間関係や信用・信頼を重んじる日系企業が、お酒の席で”感情的思考”をベースに商談を進めることが多いのはこのことを示しているのではないでしょうか。

これは、連合の原理という「2つの事象がお互いに結びついていると錯覚してしまう原理」で、食事中に感じる「美味しい」という快感と、商談とのイメージが結びつき、商談に対して良い印象をもたせることができる原理です。よって、美味しいというイメージや楽しいというイメージがとても大切なので、安く上げようと・・ ファミレスや低価格居酒屋チェーンでは、きっと効果が薄いですよ(苦笑)。 くれぐれもケチらないように(笑)

能力・やる気を引き出させる論理思考

■ Skill×Willマトリックス

部下を指導する際に、どう意識されてますでしょうか?もし不公平がないようにと全員平等に指導している場合、部下の能力ややる気を殺してしまっている可能性があります。それを回避する非常に論理的な指導法として『Skill×Willマトリックス』があります。(右の図)

これは、部下を『スキル』と『やる気』で4つの象限に分類して、それ ぞれに適した指導法を考える手法です。

■ それぞれの適した指導法 ~ 右の図の番号を参照しながら

① 委任ゾーン
やる気もスキルも高い部下には任せるのが一番です。余計な指導はいらないですし、余計な会議や報告もさせない方がいいです。とにかく邪魔しないように心掛けることをお勧めします。上司の方は自分の方がスキルが劣ってしまうと、部下が腐ったり、逆に指導されたりしますので、この人材以上に、スキル・やる気を上げていく努力が必要です(苦笑)。

② やる気アップゾーン
やる気はないけれどもスキルがある部下に対しては、褒めることや行動させることで、やる気をアップさせます。自分から行動しないけれども、スキルは高いわけですから、仕事を依頼すれば結果は期待できます(作業興奮効果)。また、やる気のない部下は、褒めることでモチベーションが上がる可能性が高いです。

③ 指導ゾーン
やる気はあるけれどもスキルが伴わない部下に対しては、指導することでスキルアップを図ります。スキルアップには、褒めるよりも厳しく接することが間違いなく効果的です。(褒めるとそこで満足してしまうため)
スキルレベルにもよりますが、このゾーンの部下は期待が持てます。

④ 命令ゾーン
やる気もなくスキルもない部下に対しては、命令してさせるしかありません。そのままにしておくと、周囲に悪い影響を及ぼす。厳しく命令しても態度が改善されない場合は、管理者の管理能力を逆に問われてしまいます。なので、その部下が得意だったり、好きだったり、本人に合うところで、活躍の場を与えてあげるのが最善の方法です。それを見い出せるかは上司の力量かと・・(汗)

■ 働きアリの法則

上記の部下の分布にも実は法則があります。『働きアリの法則』とか『2:6:2の法則』と呼ばれるものです。これは、マトリックスの①が20%、②③が60%、④が20%と、「優秀な人2割」「普通の人6割」「アカン人2割」と、人間もアリもグループを構成した場合、自然発生的にこの割合になるという法則です。また不思議なことに、アカン人2割を全員カットして他から優秀な人2割をもってきても、結局そのグループの中からアカン人が2割生まれてきて、結局2:6:2になるという、まか不思議な法則です。

言葉よりも態度を重視する法則

■ メラビアンの法則

メラビアンの法則』とは、対人コミュニケーションにおいて、言葉・声・態度の3つの要素が、どう相手に影響を及ぼすかを研究した結果の法則であり、その結果”言葉”が7%、口調や話の早さなどの”声”が38%、見た目などの”態度”が55%の割合で、影響すると結論づけた法則です。

この言葉・声・態度の3つの要素で、好意や反感を示すときに、言葉に対して声や態度に矛盾があると、右の図のような割合で、態度や声の方を信用する割合が高いというもの。

例えば、いくら言葉で「楽しい!」と言っていても、言葉と矛盾して声が低かったり、声が小さかったりすると、本当は「面白くないな」と相手に伝わる割合が38%であり、ボディランゲージや態度が面白くなさそうであれば、さらに「面白くないな」と相手に伝わる割合が55%になるという研究結果です。

■ 言葉だけなら、言わない方がマシかもしれない・・

小売業で気を付けなければいけないのは、「いらっしゃいませ」と言葉でお客様に感謝の言葉を伝えても、お客様の顔を見なかったり、投やりな口調だったり、顔が怒ってたりすると、言葉よりも態度の方を信用して「何あの店員、感じ悪いな」と、お客様が感じてしまうことです。品出し中のスタッフとかによく見かける、あの態度には注意が必要で、必ず笑顔でお客様の顔を見て、元気に明るく「いらっしゃいませ」と言うべきです。

また、部下をほめるときや叱るときも言葉だけではなく、声のトーンや態度で判断する割合が高いわけなので、「○○くんは本当にすごい!」と言葉で褒めていても、相手の目を見なかったり、適当な言い方だったり、あるいは言葉では叱りながらも、ニタニタ笑っていたりすると、言葉よりも態度の方を信用して「本当はそんなこと思ってないな」と感じて、信用さえ失ってしまうことになります。パソコンやスマホをさわったり、画面を見ながら部下の話を聞いたり、指示をしている上司を見かけますが、あれは絶対にやめるべきです。

使ってみたい、おもしろ効果3連発!

■ アンカリング効果

アンカリング効果』とは、最初に印象に残った数字やものが、その後の判断において、自分の利害や希望に沿った方向に考えが偏ったり、対象の目立ちやすい特徴に引きずられて、ほかの特徴についての評価が歪められる現象のことを言います。
これは、テレビショッピングや特売の値引き時によく使われており、例えば「この商品14,800円ですが、今から30分以内に注文の人に限り、9800円!」といったのがこれにあたります。いつもは14,800円で販売している商品が、「今なら9,800円!」という場合と、最初から9,800円で販売した場合どちらが得に感じるか?全く同じ9,800円なのに、「今なら9,800円!」と言われた方があきらかにお得に感じてしまいます。

■ カリギュラ効果

カリギュラ効果』とは、何か禁止されると逆にやってみたくなるという心理現象のこと。「中を見ないでください」と言われると見たくて仕方なくなりますよね?またある事例では「買ってください!絶対お得です!」というPOPより、「買わないでください!絶対損します」と書いたPOPの方が売れたというウソのような話もあると聞いたことがあります。テレビで「ピー」が入ると、やたら何を言ったか気になって見てしまうのも同様の効果です。

これは40年くらい前?(私も見ましたが)「カリギュラ」という映画が内容が過激過ぎて、上映禁止になったことでかえって話題を呼び、注目を集める結果になったことから命名された名前です。

■ 両面提示と片面提示

両面提示』とは、例えば、ある商品の良いところも悪いところも伝えることを言います。逆に『片面提示』とは、その商品の良い面、または悪い面だけを伝えることを言います。人はいいことばかりを言われると、「そんなにいいの?」「本当に?」と不安になったり疑います。逆に良い面も悪い面も伝えられると、信用できるのではないかと思うようになります。良い面も悪い面もきちんと伝えることによってお客様の信頼を得ることができるようになります。

かつての八百屋さんが「今日の小松菜は味が落ちるから、こっちの新鮮なホウレン草にしとき」みたいに言って絶大な信頼を得たのも、この「両面提示」による効果ですね。

大きな事故を未然に防ぐ法則

■ ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則』とは「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」という法則です。

人間だれでもミスはします。しかし、小さなミスも積み重なると大きな事故につながるので注意が必要です。ちょっとしたミスだからと軽く考え、何の対策も打たないと、同じようなミスを繰り返し、最後には取り返しのつかない事故につながりかねません。

このハインリッヒの法則は、実践的な法則です。重大な事故は、軽い事故を防いでいれば発生しないもので、軽い事故はヒヤリとするようなうっかりミスを防いでいれば発生しないものだということ。

航空機事故の未然防止はこれを利用していると聞いたことがあります。

■ ウイルス感染やシステムトラブルも

「うっかりミスだから、まあいいか」とミスを放置したり、軽い事故が起こり、「軽い事故だし、根本対策はしなくていいか」などと放置していると重大な事故が起こるこの法則。近年大きな事故となっているウイルス感染や情報漏えいも、間違いなくこの法則に当てはまっています。

当社でも、ウイルス感染や情報漏えいが発生しないように、かなり厳しく小さなミスも起こらない様に教育されています。IT業界に限らず小売業界でも、その対策や、メールやUSBの使用、パソコンの持ち歩きなど本当に注意が必要です。

 

今回は『思わず納得!小売業で役立つ法則集2』というテーマで書かせていただきました。

前回の『思わず納得!小売業で役立つ法則集』が好評だったので、今回もいろんな法則を小売業に当てはめ、まとめさせていただきました。いかがだったでしょうか?

次回は別テーマで書きますが、また機会があれば『小売業で役立つ法則集3』を出したいと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 2015/9/9