流通BMSに対応する事で、何かメリットがでるのか?

昨今、流通BMSに対応される企業が増えてきています。その中で、流通BMSに対応した方がいいのかどうか、迷われている方も多くいます。

流通BMSの概要

まずは、流通BMSをご存知ない方もいらっしゃるので、簡単に説明します。

流通BMSとは、流通業の業界団体等が検討・検証し作成された、新しいEDIのガイドラインになります。

通信インフラはインターネット、データ表現形式はXML、伝票レスを前提にデータ項目や取引業務プロセスにおいても標準化し、流通業界全体の効率化をはかる為のEDIの仕様の事を「流通BMS」と呼びます。

 

なぜ他社は流通BMS対応をするのか?

現在は、値下げラッシュやコンプライアンス・法改正と、メーカーや卸にとって、売上を圧迫し、コストを押し上げる要素ばかりが発生しています。

今後も間違いなくこの傾向が続くと予想されます。

 

しかし、企業としては、その逆(コストダウン)を実施しなければなりません。

その為には、業務改革は必須課題となります。

流通BMSは、『伝票レス・検品レス』 『入力作業の削減』 『在庫の適正化』そしてサプライチェーン全体の効率化を実現するためのインフラになる為、メリットは明快ですし、これに賛同した大手スーパー及び大手ベンダー等は既に取り組み、稼働しています。

 

流通BMSのメリット

流通BMSに対応すると、以下効果を生み出します。

 

  • 通信時間を短縮できる
  • 通信費用(電話回線費用)をコストダウンできる
  • 通信用の専用モデムが不要となる
  • 受信・送信が速くなる為、その後の業務を早期に取り掛かれるようになる(業務の早期化ができる)

 

尚、現在、流通BMS対応企業は着々と増えており、旧手順での取引しかできない企業は、優位性を失いかねない事態にもなってきており、取引先との安定取引の為に対応をしている企業もいます。

まとめ

「本当に標準になり、普及するのか?」 「切替え時併行の運用が大変すぎる」 「他社の様子を見ないとリスキーだ」 「今のこの不景気に投資は難しい・・」と言った声。

ほぼ30年前に制定されたJ手順が広く普及し、その後、幾度かEDI標準メッセージが検討されましたが、結局先述のような理由や、切り替えるだけの大きな社会的要因もないため、業界のEDIの標準化ができず、変化できずにいるようです。

 

したがって、業界全体でみれば、企業間で無駄なシステム投資、非効率的は業務運用が発生しているのは明白ですが、各企業にとってみれば自社の事を考え、踏み込めずにいる理由もここに明白です。

2023年にはJCA手順のサポートが終了します。

流通BMSへの取り組みは、日本が国際競争を勝ち抜くためにも広く普及を希望しますが、取り組みは、各々の企業の考え方によります。そう、のるかのらないかは・・ その企業次第なのです。