Web商談のデメリットを知らずに導入するのは危険!

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ビジネスのあり方も大きく変化しました。中でも膝を突き合わせてすることが常識であった対面型の商談が、Zoom等のツールにより、Web上で可能であることや、そのメリットが極めて大きいことに気づいたのではないでしょうか?しかし、そんなWeb商談にも痛すぎるデメリットがあります。

果たしてどんなデメリット、そしてその攻略はあるのか?これを知らずに導入するのは危険かもしれません・・。

Web商談のメリットに目を奪われ本質を見失うな

新型コロナウイルス感染拡大による自粛が、テレワークやWebでの商談の普及を後押した形となりました。オンラインの活用は、あきらかに便利であり、ビジネスにおいてもメリットが多いことも分かっていたので、普及に勢いがついたことはとてもよかったと思います。

その中でもWeb商談はメリットが多く、広がりをみせています。

メリットをいくつか挙げると、移動時間・出張旅費交通費の削減、アポイントが気軽に取りやすい、商談内容や商談履歴が可視化される、こなせる商談数が増加する、商談依頼から実現までのリードタイムが短縮される、紙が減りペーパーレス化が進む、そして何と言っても、コロナ禍でも商談可能などと、良いことづくしでもてはやされています。

しかし、私はそこに少し疑問を感じます。このメリットは、実は対面型商談のデメリットを裏返して言っているだけではないかと・・ そう対面商談の悪いところを強調することで、Web商談を良く見せているのでは?と・・ これを人間に例えると、大して出来ない社員が、同期の自分より優秀な人のことを「アイツのこういうとこダメなんだよな~」とか「アイツああ見えて、酒飲むと大変なんだぞ」とか「アイツの仕事ザツなんだよな~」って、相手を落とすことで自分を持ち上げる優越コンプレックスのようなものです。

 

なぜこうなるか? それは商談の本質を見失っているからではないでしょうか?

 

ちなみに商談の本質は何でしょうか?各社の価値観でそれぞれ違うとは思いますが、ひとつには「お互いの利害を一致させ、納得いく条件を決定する」というところにあると私は思います。Web商談も本来は、そこに焦点をあてるべきであり、そのために見なければいけないのは、対面型商談の裏返しの部分的メリットではなく、本質を達成できないデメリットであると思います。クリティカルシンキング(批判的思考)に代表されるように、反対側を見ることはとても大切であり、本質を元にデメリット見ることは、もっとも論理的に冷静に判断ができると思います。

 

今回はそのような視点から、Web商談のデメリットをいくつか考え、商談の本質を達成できる“真のWeb商談”とは何かを書いていこうと思います。では、さっそく私の考えるデメリットを3つご紹介します。

Web商談のデメリット1 「空気感が作りづらい」

商談や交渉において、最も重要なのは、「空気感をつくる」ことだと私は考えます。

こちらサイドのサービスや商品、そして条件をうまく伝えるテクニックや、相手のことを聞き出すこともとても重要ですが、ベースとなるこの空気感が出来ていなければ、結果の出る良い商談は難しいです。空気感とは、その場の雰囲気のことを言っているのですが・・ 分かりやすく例えると、プロ野球をドーム観戦しビールを頼むと800円くらいしますが、その球場の雰囲気で、800円を高いとも感じず、その空気感で高額な値段を受け入れ、何杯も飲んでしまうとかいったものです。ドラッグストアで普通のビールが800円だとしたらほとんど売れないですよね?この空気感はとても人の感情・行動に影響を与えます。商談においてもこの空気感を作り上げることが重要ですが、Web商談の最大のデメリットと言ってもいいのが、この空気感が作りづらいというところにあります。これを言い換えれば、相手からの信頼を獲得しづらいという、痛い欠点がWeb商談デメリットの1つ目です。

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Web商談のデメリット2 「伝わる情報量が減る」

デメリットの2つ目は、伝わる情報量が圧倒的に減るということです。

商談におけるプレゼン資料やカタログなど、オンラインでできれば、ExcelやPowerPointを使って、情報量がかえって増えると思われる方もいらっしゃると思いますが、確かにそれはその通りです。しかし、画面上では、人にしかできない味見や商品のさわり心地や感触等その場でできないため、そういう部分は相手には伝わらないうえ、共有・共感もしにくくなります。そして、何よりも相手のリアクションや人柄を見分ける情報量はネットを通すことで、圧倒的に落ちます。よって、トークのタイミングもかみ合わないケースが発生し、提案の訴求力も低くなりがちになります。

Web商談のデメリット3 「関係性の構築にはむいていない」

デメリットの3つ目は、関係性の構築は困難ということがあげられます。

簡単に言うとWeb商談では、中々相手と仲良くなれないということです。中には出会い系に精通したツワモノがいて、ネット越しに仲良くなる人もいるかもしれませんが・・ 一般的に考えたら、結構難しいです。なぜなら、温度感のあるコミュニケーションは取りづらいうえ、熱意や感情を訴えるのはオンラインを通じて行うのは難しいからです。一方通行のセミナーやプレゼンテーションなら、熱意や感情を伝えることは可能ですが、Web商談で双方向のコミュニケーションをとるうえでは、かなり困難なことであると思います。

Web商談のデメリットを乗り越える「商談.net」

上述のように、Web商談のメリットはとても多いですが、デメリットも少し見ていただけたのではないでしょうか?(あえてネット障害やセキュリティ問題等の、本質からずれたデメリットはあげてませんのでご了承ください)

そして、デメリットを読んでいただいて、なーんだWeb商談なんか使わず、対面型の商談を続けろってこと?って思った方もいらっしゃるかもしれませんが・・ それは違います。

 

また、よく世間では、こういったデメリットを乗り切るには、対面型とWeb商談を状況に合わせて併用という話がありますが、そんなことをヘタにすると、かえって仕事量が増えることになりかねず、本末転倒の結果を招くので、やり方を間違えてはいけません。

そのほか、対面型商談の方法をそのままWeb化して、知恵のない”部分最適”をしてしまい、結果として全体の生産性を落としてしまうという例も今後次々と出てくるでしょう。Web商談はあくまで一つのビジネスのやり方・手段で、商談の本質でも目的でもありません。よって、これらの方法もデメリットを攻略する方法ではありません。

 

では何なのでしょうか?

 

私の考える、このデメリットを乗り越える方法は、「商談の数そのものを圧倒的に減らす」という考え方です。例えば、SM業態のドライグロッサリーなどは商談をほぼゼロにすることも可能であると考えています。もちろん大前提となる商談は必要となりますので、完全にゼロは不可能ですが、毎月実施していたものが、年1回になるとかは可能です。それくらい無駄な商談は世の中に多いと思っています。その無駄な商談回数を減らし、その時間をお客様視点のサービス・商品の創造や、それこそ交渉術や空気感の作り方を学び、スキルアップの時間にあてた方が、全体を俯瞰したら確実に成果を上げられると私は確信しています。

 

このような無駄な商談を減らして、商談の本質(各社価値観は違うと思います)を見極めて、何度も交渉を繰り返すのではなく、短期間で決めてしくみとして後はまわす。そして、問題があれば、Web商談を使い、分析改善していくという方法が合理的であると考えます。(具体的な方法まで書くと長くなるので省略して申し訳ありません)

 

当社製品の「商談.net」は、その視点で企画・開発しており、無駄な商談を徐々に減らし、商談そのものを変え、バイヤーの働き方改革を支援するものになっております。もし、ご興味がございましたら、資料ダウンロードまたは当社までお問合せいただければと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2020/7/21