アプリとスーパーマーケットの商品販売機能

アプリとスーパーマーケットの商品販売機能

スーパーマーケットが商品を販売するという行為は、一昔前では店舗で商品を販売するという選択肢しかありませんでした。

しかし今ではネット通販・ネットスーパー・予約店舗受取りなど、さまざまな方法で商品を販売することができます。

 

ユーザーもそれらを利用することで、便利でラクに買い物ができるようになりました。

ネット通販は毎年売上が増加しており、B to CもB to Bもネット通販を利用することが当たり前のようになっています。

 

ネットスーパーもユーザーに利便性をもたらしています。店舗に行かなくても生鮮食料品や日用雑貨品を購入することができ、最短当日に商品を得ることができます。

予約店頭受取りも便利です。商品を注文して指定日時に受取りに行くことで欲しい商品を配送料なしで得ることができます。

今回は、これらネットを利用した新たな購入方法の詳細をスーパーマーケットの立場から見ていきましょう。

アプリを利用した商品販売機能

スーパーマーケットの商品販売は様々なタイプがあります。その中でもスーパーマーケットの販促アプリを利用した商品販売方法である、「ネット通販」「ネットスーパー」「予約店舗受取り」の3つを見てみましょう。

アプリ販促は顧客に対する新たな販促方法として注目されています。

 

チラシ機能・プッシュ通知機能・ポイント機能・クーポン機能・スタンプ機能など、顧客を店舗に誘導する機能が注目されがちですが、商品を販売する機能も大きなポイントのひとつです。

商品販売機能を活用することは、ユーザーにとっては商品を購入する機会や利便性が増し、企業にとっては商品を販売する機会と売上アップを見込むことが可能となります。

 

では、実際に商品を販売するにはどのようなことが必要なのでしょうか。

ネット通販、ネットスーパー、予約店舗受取り、それぞれどのような準備が必要か確認していきましょう

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アプリ商品販売 ~ネット通販編~

ネット通販は1995年頃から普及し始め、2010年頃から急速に売上を拡大し、「ネット通販台頭」、「ネット通販が実店舗を潰す」、「実店舗のショールーミング化」などと言われるまでの売上となりました。

ネット通販を利用して買い物をすることが当たり前になった現在では、ネット通販の力を利用して売上向上を目指すということも念頭に置いて良いのではないでしょうか。

 

では、ネット通販を実施するとはどのようなことかを見ていきましょう。通販を実施するにあたり、決めなければならないことが多々あります。以下の例で見てみましょう。

  • 担当者(全体管理者・受注担当者・商品担当者・ピンキング担当者・梱包担当者)など
  • 販売商品
  • 業務オペレーション(ピッキング方法・梱包資材・方法・場所など)
  • 宅配伝票の出力方法、納品書の添付方法など
  • 配送業者

 

ネット通販を実施するには、これらを決定とオペレーションを確立することが必要不可欠です。

では、各種決定しなければならない事項の内容を見ていきましょう。

 

  • サイト管理者:通販サイトの管理責任者として、サイトの管理と運用オペレーションの管理を担います
  • 受注担当者:受注商品の配送完了確認やユーザーからのお問い合わせ対応、顧客管理などを担います
  • 商品担当者:通販サイトで販売する商品選定や商品画像の手配、商品発注手配、商品マスター登録業務を担います
  • ピッキング担当者:受注した商品を倉庫や売場から集めてくる業務を担います
  • 梱包担当者:ピッキングされた商品の梱包・納品書添付・宅配伝票添付業務を担います
  • 業務オペレーション:商品をピッキングしてくるための運用方法や商品を梱包方法や場所などを決定します
  • 宅配伝票の出力方法:システムとデータ連携させて宅配伝票を出力するのか、顧客データをCSV化してデータを流し込んで伝票出力するのかなどの出力方法を決定します
  • 納品書添付方法:納品書はダンボールに添付するのか、梱包したダンボールの中に入れるのかなどの運用を決定します
  • 配送業者:どの配送業者に配送を依頼するのかを決定します

販売商品に関しては、いくつか決めなければならないことがあります。

最も重要なことは「何を販売するか」です。

 

例えば、自社の特性に合っている・自社の強みを出せる・自社の看板であるといった商品を販売することでアドバンテージを取る。

このような商品であれば他社との差別化になりますし、売価で競争になったとしても有利性を出すことができると思います。

 

次に品揃えですが、大手通販企業のように消費者に対して「何でも買える」と思わせる品揃えにすることは非常に困難です。

商品点数に比例して商品管理は複雑さを増していきますし、商品管理にはコストが掛かります。

 

自社の特性に合っている・自社の強みを出せる・自社の看板であるといった商品構成にすることで、品揃えを絞ることが可能です。

このように、担当者・販売商品・運用オペレーション・データ連携・宅配業者など、ネット通販を始める前に様々な準備と決定が必要です。

 

アプリ商品販売 ~ネットスーパー編~

ネットスーパーは通販と似て非なるものです。

Webの専用ページやアプリで注文する行為は同じですが、ネットスーパーは主にスーパーマーケットから商品が出荷されるので、肉・魚・野菜・惣菜といった生鮮食品を即日・翌日宅配も含め、短時間で宅配するサービスとなっています。

 

ただし、ネット通販と違って宅配エリアが限られていますし、配達担当者や配達トラックが限られているため、注文を締め切らざるを得ないことも多々あります。

では、ネットスーパーを実施するとはどのようなことかを見ていきましょう。ネットスーパーを実施するにあたり、決めなければならないことは以下のようなことです。

  • 担当者(全体管理者・受注担当者・商品担当者・ピンキング担当者・梱包担当者・宅配担当者)
  • 販売商品
  • 業務オペレーション(ピッキング方法・梱包資材・方法・場所など)
  • サービス内容

 

ネットスーパーを実施するには、これらを決定とオペレーションを確立することが必要不可欠です。

では、各種決定しなければならない事項のポイントを見ていきましょう。

 

  • サイト管理者:ネットスーパーサイトの管理責任者として、サイトの管理と運用オペレーションの管理を担います
  • 受注担当者:受注商品の配送状況確認やユーザーからのお問い合わせ対応、顧客管理などを担います
  • 商品担当者:販売したい商品選定や商品画像の手配、商品マスター登録業務を担います
  • ピッキング担当者:受注した商品を売場から集めてくる業務を担います
  • 梱包担当者:ピッキングされた商品の梱包・納品書添付業務を担います
  • 宅配担当者:商品をトラックに積み込み、お客様のお宅にお届けする業務を担います
  • 業務オペレーション:商品をピッキングしてくるための運用方法や商品を梱包方法や場所などを決定します
  • サービス内容:配達可能エリア、入会費・年会費、配送料金、最低注文金額などのサービス内容を決定します

 

ネットスーパーの商品売価は基本的に店舗の売価と同じとなっています。

しかしながら、品揃えを店舗と同一の仕様とした場合、商品マスター管理・在庫管理・ネットスーパーの画面遷移など解決しなければならない課題があります。

 

サービス面では、配送料金・最低注文金額・配送料金無料条件などは企業によってかなり違うので、自社に合った設定の見極めが重要です。

店舗のセールをネットスーパーでも反映させる、ネットスーパー独自のセールを開催するなどの販促も重要なサービスの一環です。

 

これらのオペレーションとサービスの準備と決定が必要となります。

アプリ商品販売 ~予約店舗受取り編~

予約店舗受取りは、ユーザーが「注文した商品を店舗に取りに行く」という商品販売方法です。

ネット通販やネットスーパーの画面に似ていますが、ユーザーが店舗に行くという行為が大きく違います。

 

予約店舗受取りは、ネット通販やネットスーパーのようにアプリやWebで注文した後に受け取り指定日時に店舗で商品を受け取るという、ネットでの買い物と店舗でのリアルな買い物を融合したようなものです。

 

予約店舗受取りは、オードブル・クリスマスケーキ・恵方巻などの、宅配に不向き、事前に注文数を把握しておきたい、その場で中身を確認いただきたい商品などと相性が良いです。

また、ユーザーが商品を取りに来店することで客数増加や、ついで買いの効果も見込めるため、店舗の売上増加にも寄与します。

 

では、予約店舗受取りを実施するとはどのようなことかを見ていきましょう。

予約店舗受取りを実施するにあたり、決めなければならないことは以下のようなことです。

  • 担当者(全体管理者・受注担当者・商品担当者・店舗教育担当者)
  • 販売商品
  • 業務オペレーション(注文データ管理方法・商品保管場所・商品受け渡し場所)

 

予約店舗受取りを実施するには、これらを決定とオペレーションを確立することが必要不可欠です。

では、各種決定しなければならない事項の内容を見ていきましょう。

  • サイト管理者:予約店舗受取りの管理責任者として、サイトの管理と運用オペレーションの管理を担います
  • 受注担当者:受注管理、ユーザーからのお問い合わせ対応、顧客管理などを担います
  • 商品担当者:販売したい商品選定や商品画像の手配、商品マスター登録業務、受注集計、商品手配を担います
  • ピッキング担当者:受注した商品を売場から集めてくる業務を担います
  • 梱包担当者:ピッキングされた商品の梱包・納品書添付業務を担います
  • 宅配担当者:商品をトラックに積み込み、お客様のお宅にお届けする業務を担います
  • 業務オペレーション:商品をピッキングしてくるための運用方法や商品を梱包方法や場所などを決定します
  • サービス内容:配達可能エリア、入会費・年会費、配送料金、最低注文金額などのサービス内容を決定します

予約店舗受取りは、ネット通販やネットスーパーと比較すると、複雑な業務オペレーションや資材の手配などが少ないため、活用しやすい販売方法であるでしょう。

予約商品と運用方法を組み合わせることで、ユーザーの来店時間をある程度コントロールすることも可能であり、店舗の混雑回避にも貢献することでしょう。

 

アプリ販促と商品販売 ~まとめ~

スマートフォンの普及率が80%以上となっている昨今、企業もユーザーもアプリを上手に活用したいと考えています。

企業がアプリを上手に活用するためには準備が必要です。そのためには自社の事情や背景と、アプリの機能がマッチするかを考慮することが重要です。

 

ネット通販、ネットスーパー、予約店舗受取りはそれぞれ準備や運用方法が違います。

自社の事情や背景と上手く組み合わせて運用することができれば、ひとつの大きなサービスを提供することになります。

サービスを提供するためのアプリは作って終わりではありません。ユーザーはアプリの使い勝手や仕様なども満足度の一部として捉えますが、本当の満足度は機能を使ってサービスを受けた時に判断されるものではないでしょうか。

 

注文した商品が素早く問題なく届く、注文した生鮮食品が新鮮で見た目も良かった、予約した商品が問題なく受け取れたという基本的なサービスができることの方がユーザーの満足につながることでしょう。