スーパーマーケットが売上・客数を増やすための5つの工夫とは

スーパーマーケットが売上・客数を増やすための5つの工夫とは

総務省統計局の資料によると、令和3年の日本の総人口は64万4千人減少し減少幅は比較可能な1950年以降過去最大です。

また、減少は15年連続しており減少幅は拡大しています。都道府県別にみると人口増加は沖縄県のみで、過去には流入で人口が増加していた東京都でも26年ぶりに人口が減少しました。人口減少は生活者の減少と同じですので、顕在潜在を問わず顧客対象の減少はスーパーマーケットに対する需要減少を誘導し売上が減る原因になります。

 

需要が減少している中においてもスーパーマーケットが出店速度を緩めないのは、縮小する需要を独り占めしようとしています。

つまり参加メンバーの取り分が平均的に減少するのではなく、少数の勝ち組が負け組の取り分を独占しようとするのです。

正に優勝劣敗の厳しい時を売上増加で生き残るには、スーパーマーケットの工夫が淘汰から逃れる道と言えます。

スーパーマーケットが目指す5つの工夫

スーパーマーケットが目指す5つの工夫

まず、スーパーマーケットが目指すべき工夫について大きく5つご紹介します。

1.大衆品(Everybody Goods)・実用品(Everyday Goods)のみの売り場づくり 

小売業に限らず、事業を行うにあたりターゲット顧客は多い方が良いと考えるのが世の常識です。一方でターゲットを絞って少ない顧客を相手にした方がニーズやウォンツが明確になるので、厳選した顧客を相手にするようにスーパーマーケットの工夫を促すようにガイドする業界人が居るのも確かです。

冷静になって考えれば解るのですが、ターゲットを絞るようにとの主張は俗に言う「奇をてらう」、つまり目立つのを目的にしていて事業繁栄を目的にはしていないケースが多いです。この事実は既に歴史が証明しているように、少数の客に対して多額の購入をしてもらうよりは、大多数の大衆に少しずつでも売れた方が桁違いに収入が多いだけでなく、販売コストも少ないので多額の利益が獲得できるのです。

 

更に加えると、日常つまり我が国の伝統的な観念である「ハレ」と「ケ」でいうと「ケ」、比率で表すと8-90%を対象にすれば、多くの機会に応え、顧客対象の拡大と合わせて獲得競争の対象になる需要は最大になります。

 

大きなマーケットをターゲットに選択すると、参入者も多くて激しい競合に晒されるので自社取り分は小さくなるとの反論を聞きます。実際は大きなマーケットのニーズやウォンツの分析には豊富な経験と高い見識が必要なので参入者は少ないです。一方でターゲットや機会を絞ったマーケット分析の方が楽なので参入者が多くなり競合は激しいのです。

 

また、対象や機会の拡大を語る時に、全ての対象や全ての機会を対象にする間違いを犯すケースがあります。間違いの原因はスーパーマーケットの売り場で全ての対象や機会を品揃えするのは、来店客の迷いを引き起こします。また購買をためらわせてしまうといった、百害あって一利なしの現象を知らないからです。

したがって、1つ目のスーパーマーケットの工夫は、大衆品と実用品のみで売り場を満たすのです。

 

2.大部分の人々が気軽に買える価格

大きなマーケットを対象に事業を展開しても、購入を伴わなければ無意味なのは言うまでも有りません。大きなマーケット言い換えれば大衆が購入する最大の理由は商品価値だと言われています。商品価値とは「商品の効用・便益」を「価格」で割った数値です。つまり、商品価値を高めるには、商品の効用や便益を高めるか価格を下げます。

商品の効用や便益に関しては後述しますが、価格を下げるつまり「安く」するにはどうすれば良いかを説明しましょう。

 

「安い」とは顧客が「安い」と感じることに他ならないので、「安い」と感じるとは、①用途に応じた常識(顧客の期待)価格を、②大幅に下回り(3割引きより7割引き)、③目に飛び込んできた(少ない売価種類で1品大量陳列)時なのです。

2つ目の工夫は、大多数の人々が気軽に買える価格、良い意味の非常識な価格を顧客にアピールする工夫がスーパーマーケットの売上を増やすのです。

 

3.便利に入手できる状態になっている

大多数の人々が日常に必要とする商品が商品価値高く購入できたとしても、遠方で買うために多くの時間を割かなければならないのでは購入してくれません。あくまでも“顧客にとって”便利でなければなりません。“顧客にとって”便利とはどうすれば良いかは、名前が示す通り「コンビニ(コンビニエンスストア=便利な店)」が参考になります。

 

近くに何時でも空いているといった特徴は真似るのは困難ですが、いつ行っても同じ物が同じ値段で、かつ短時間で購入できるといった特徴を真似るのは比較的簡単です。言い換えればESLP(エブリデイ・セーム・ロー・プライス=いつでも同じ低価格)商品がショートタイム・ショッピングで買い回りができる売り場です。

ショートタイム・ショッピングとは売り場面積の狭さを言うのではなく、迷わずに短時間で購入できるように売場づくりが実現できているのが理想的です。別な言い方をすれば、カテゴリー毎に絞り込まれた目に飛び込んでくるような大量陳列されている売り場にためらわずに買える価格の商品しかなければ、迷うことなくショートタイム・ショッピングができるのです。

3つ目の工夫は、便利に入手できる状態にし続ける売り場づくりです。

 

4.快適に食べられる品質

商品価値に関する商品の効用や便益について説明します。商品の効用や便益とは、言い換えれば早い、安心、便利、美味しい、使いやすい、楽しいなどです。スーパーマーケットでは、大手チェーンの多くが加工場をセンター化すると言った工夫をしていますが、理由は効率化だけではなく衛生面と美味しさを目指しているのを忘れてはなりません。

魚や肉の店舗後方調理場は空調制御が不十分であるケースが多く、誰でもが入ってくることができ、従業員の入室時衛生管理も不十分です。衛生管理が徹底されているプロセスセンターに比べると衛生面においても劣ります。

 

更に惣菜において問題になるのが加工・調理する担当者がプロではなく、長年勤務している素人のパートさんであるといった実態です。適切な品質の原材料を大量に手配して安価に調達し、徹底した品質管理の下でプロが素人とはレベルの違う技術で調理すれば、言うまでもなく美味しさが格段に違います。

「出来立て、〇時以降に調理」などと美味しさをアピールしても実際は購入してから数時間後に食べる現実を考えれば、冷めても美味しい調理を工夫した加工センター品には敵わないのです。

4つ目の工夫は、快適に食べられる商品づくりです。

5.買い物して使用すれば、暮らしがもっと楽しくできる

スーパーマーケットにおいて小手先ではない本質的な工夫を実施しましょう。大衆が日常の生活で必要な物が便利に気軽に買える価格で入手できるので、買い物をされた顧客の暮らしが今よりもっと楽しくできるようになるので、顧客が短期特価特売を仕掛ける競合店へ流出するのを防げます。

一時的な特価で安いイメージを喚起して売上を伸ばそうとする行動は運用や効果が長続きしません。数多くの成功事例と論理的な思考に裏付けされた革新といったスーパーマーケットの工夫に後れを取るのを多くの事例で目の当たりにしました。

5つ目の工夫は、来店顧客が買い物して使用すれば、暮らしがもっと楽しくできるモノやコトの提供です。

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スーパーマーケットの工夫は客数が増加します

もう少し具体的に説明をします。売り上げの増加は大きく2つの計算式で表せ、一つは「売上=客数×客単価」です。この公式は客数もしくは客単価を上げるのが売上増加につながる理を表しています。比較的簡単である客単価を上げる方法を採ってしまうと客数が落ち込み、売上が下がってしまう因果律が経験法則から解っています。

再確認しますが、大多数の大衆の日常を対象にした企業努力が来店頻度増加により客数が増えるので、若干の客単価減少が伴っても売り上げは増するのです。

 

スーパーマーケットの工夫は単価が増加します

もう一つの計算式は「客単価=一人当り買上点数×1品平均単価」です。客単価を無理してあげる必要はないのですが、強いて上げる場合は1品平均単価を上げるのではなく、逆に下げると一人当り買上点数が上がって客単価を引き上げる事例を多く見ています。百貨店が小売業のリーディングカンパニーであった時代は過去になりました。

理由は大衆ではない顧客の非日常をマーケティングの中心に据えたから、つまり高額品にシフトしたからに他ならないのです。都心一等地の百貨店でのみ通用する方針を、地方の百貨店が成功事例として誤った選択をしたからいけないのであり、現在のスーパーマーケットも、自社のマーケットへの対応を間違えると地方百貨店の様になってしまいます。

高所得層へのアプローチは、セルフサービスと言った大衆に最もふさわしい販売方法を基本にしたスーパーマーケットには到底不可能なのです。目指すべきは「適正品質の物を安く」の追求であり、大量販売による売上増加の工夫です。

 

スーパーマーケットの工夫は豊かなくらしを増加します

スーパーマーケットの工夫はインダストリアリズムの考え方に支えられています。つまり、物事は数字に裏付けられた論理で思考し、マス化で合理化をすすめ、標準化で効率化するのです。結果的に企業オペレーションが低コストで運営すなわちローコストオペレーションになるのです。

 

ローコストオペレーションのみがESLPを可能にし、商品価値の高いモノで売り場が満たされる様になります。買い易く短時間で楽しい買い物を体感できるセルフサービス方式で、大多数の大衆の日常の必需品が安く提供できれば、結果的にスーパーマーケットの工夫が国民大衆の豊かなくらしを実現するのです。

自社の売上が増加すればお取引先からの仕入れが増えて喜ばれ、顧客は豊かなくらしが実現できると幸せになります。

これこそが近江商人の目指す商売の基本である「売り手良し、買い手良し、世間良しの三方良し」に他ならず、中心に位置づけられるのが「スーパーマーケットの工夫」であると言っても言い過ぎでは無いと考えます。

 

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