スーパーマーケットが今後を勝ち抜くための“ひみつ”を教えます!

スーパーマーケットが今後を勝ち抜くための“ひみつ”を教えます!

今回のテーマ“ひみつ”と言って、スーパーマーケットで真っ先に浮かぶのが、お客様や他社には言えない、安価に仕入れる方法や工夫した商品や独自のノウハウといった企業秘密。

その企業秘密は誰もが知りたがる内容ではありますが、これは経済的価値を持つ大切な情報であるだけに、当たり前ですが入手は困難です。

 

しかし、実は私が“ひみつ”という言葉で真っ先に頭に浮かんだことがあります。それは「ひみつのアッコちゃん」でも「ウルトラマン」や「タイガーマスク」でも、最後にはその秘密はバレるもの(笑)。秘密のケンミンショーだって県民のひみつを全部バラしています(笑)。

だから今回は私が私の主観で、値上げラッシュにも需要減にも負けない、強いスーパーマーケットがなぜ強いか?その入手困難な企業秘密を考察し、みなさんに全部バラしてしまいましょう!お楽しみに~♪

 

自社のポジショニングのひみつ

強いスーパーマーケットの共通点は、独自路線や特化していて、他にはない特長を持っているスーパーマーケットです。苦戦を強いられるのは、特長のない一般的なスーパーマーケットや、一生懸命低価格を目指しているが、他社と比較して大して安くない価格で勝負しているところです。そういうところは残念ながら苦戦をしてしまっています。

一方、何かに特化したり、独自路線を行ったりするスーパーマーケットは今も好調です。では、そのようなスーパーマーケットは、どうしてうまく特化できて、どうやって独自路線を構築しているのでしょうか?

 

それは・・ “市場(マーケット)での立ち位置(ポジショニング)を見る、目線の角度を変えている”こと、なのです。

 

どういうことかと言うと、「良いものをより安く!」とか、「顧客満足度向上」等の抽象的な目線のスローガンを立て、まさしくスーパーマーケット市場で戦っている企業が多くあります。

強いスーパーマーケットは、時代の変化に合わせて、今現在お客様は社会のどんな課題を解決しようとしているのか?どんな体験を求めているのか?というような、お客様の課題や欲求に目線を合わせ、それを明確に具体化して、どの市場のどのポジションで戦おうかという角度から見ているということです。

例えば、食品小売市場というポジショニングではなく、お客様の健康市場にポジショニングするスーパーマーケットがあります。「あなたの体に優しい無添加商品だけをご提供」のように、信用できない世の中において、悪いものを体に入れたくないお客様に、徹底的に安心安全で体に良い無添加商品のみを提供するというような戦い方ですね。

 

多くのスーパーマーケットは、ついついどうしても抽象的な自分目線で見てしまい、具体的な相手目線で見られないため、戦う市場(マーケット)とポジショニングが明確化できません。

全てのお客様に満足を!とか、全てのお客様の幸せのために!と、なってしまい、結果的に食品小売市場というレッドオーシャンで戦うことになります。よって最後は価格勝負になってしまい苦しくなるのです。この状態を私から言わせれば・・

 

“イケメンや金持ちばかりいる合コンに、丸腰で乗り組む!”って感じです(笑)

 

今後必要なのは、自社がどの市場(マーケット)の、どこに立ち位置(ポジショニング)を取るのかを明確にすることです。そうすることで、お客様にとっての存在価値や存在意義が決まり、レッドオーシャンからも抜け出せます。その時に初めて、差別化や独自路線というお客様にとってのマーケットポジションが出来上がのるのです。

 

ちなみに、強いスーパーマーケットが継続的にポジショニングを明確にさせていられる最大の“ひみつ”は・・

  • 自分達の考えにお客様が共感するか?
  • ビジネスが成立するターゲットが存在するか?
  • それをどう確実にお客様に伝えるか?

を絶えず考え、その行動を習慣として仕事にしていることなのです。

 

このように、継続的にお客様にとってのマーケットポジションが明確になり、それが伝われば・・

  • レッドオーシャン、価格勝負から抜けられる
  • お客様が他社他店に浮気しない
  • 集客も収益も安定する

というメリットを得て、強いスーパーマーケットとなることができるのです。

これなら、合コンに行ってもきっと素敵な彼女が見つかりますね(笑)

 

成長するスーパーマーケットは、ターゲットをどう決めているか?のひみつ

貴店のターゲットは?と店長や部門担当者に聞くと「ウチは主婦だとか、お年寄りとか、単身者」って答えが返ってくることが多いです。今後、年齢層や性別をターゲットにしていると、イケメンや金持ちの合コンに・・ いやいやレッドオーシャンに飲み込まれることになると思います。なぜなら人口は減り、他社と同じねらい目になるからです。

 

同じ土俵で戦わないようにするには、今後ターゲットは・・

「人はなぜスーパーマーケットに行くのか?」

から考えないといけないと思います。

 

例えば、欲しいものを予算内に短時間で買いに行くとか、旦那の好きなもので料理を作り喜ばせたいとか、子供に体によいものを食べさせたいとか、お値打ちにおなかいっぱいになる方法はないかといった、スーパーマーケットに行く理由をターゲットにしないと、スーパーマーケットの存在意義もなくなっていきます。ターゲットの見かたもこれからは俯瞰し、角度をつける必要があると思います。

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時代にあった上手な戦略の立て方のひみつ

あらゆる戦略を考え、経営者や上層部は現場に指示します。しかし、なかなか上手くいきません。

なぜうまくいかないのか?結果が出ないのか?のひみつは以下の通りです・・

 

・現場は言われたことをやらされている感があるから

・上司の指示はいつも、単に仕事ややることが増えるだけで、楽しくないから

 

うなずけるところではないでしょうか?では、戦略を上手くいかせるひみつをご紹介します。

まず、戦略が上手くいっている人達の共通点は何か?

それは「楽しそうにやっている」ということです。まさに戦略立案を趣味でやっているように、自発的に考え、行動しています。

例えば、お客様をどう喜ばせるかという課題であれば、言い方は悪いですが・・まるで魚釣りでもしているかのようです。どういうエサをターゲットの魚は好み、どのあたりの釣り場で、どんな仕かけで竿をおろせば釣れるだろう?って考えているように、妙に楽しそうにしています。

実はこのようにビジネスってとても楽しいのです。それなのに「いつまでにやれ」「すぐやれ」とか指示していては、その楽しさは素通りして、楽しくないことに変わってしまうのです。そこを楽しさとして指示して任せることができれば、間違いなく好転していくと思います。

 

もうひとつ、上司からよく言われ、指示される戦略は、単に今までの仕事にオンされるだけのものが一般的です。ただでさえ忙しい店長や担当者やバイヤーは、単に仕事が増えて忙しさが増すだけ。そんなことが楽しいワケがありません。仕事を増やすなら、当たり前ですが仕事を減らさないと入らないはず。それを上司も部下も共にやらない。だから結果が出ないのです。

 

目一杯入ったタンスに新しい服をいれようとしても入らないし、無理やり入れたら新しい服も元々入っていた服もシワシワになってしまいますよね?

そうしたらどうしますか?

着ない服をタンスから出して、新しい服を入れますよね?

このようなごくごく自然なことが、仕事となるとできないのです。そして全部やろうとするのです。そして仕事も顔もシワシワになります。そのシワシワの人達を私はよく見かけます(笑)

 

だから、まずやるべきは仕事を減らすことです。やらなくていいことはやらない。やった方がいいことも多忙のときは減らす。やるべきことだけに集中して、目的・目標をみて本質からズレないようにすることです。

そうすることで生産性は間違いなく上がります。多くの方々は真逆で、どんどん部下に仕事を詰め込み、複雑にしているのです。

このように戦略成功の鍵は実にシンプルで、やらないことを最大限に増やすにはどうしたらいいか?をテーマに、やらないことを増やせるスキルを身につけるのがポイントであると、お分かりいただけるのではないでしょうか。

 

スーパーマーケットが他社をどう見るかの視点のひみつ

よくライバル店のことを悪く言う人がいます「あそこの青果は鮮度が低い」「あそこの惣菜は美味しくない」こういうことを言っている人は、自社や自店を正当化しようとしているだけで、実は全くの無意味な言動です。なぜなら、その部分は既に勝っているのだから、その行為は自己満足にしかすぎないからです。そして、それがむしろライバルに勝てない最大の理由なのです。(ちなみにモテない人も、出世できない人も同様のことしてますから、注意してね~)

 

一方、強いスーパーマーケットが他社をどう見るかの視点のひみつは、相手の悪いところではなく、良いところを見ます。そしてそれをなぜか?と考え、自社に取り込めるように工夫します。ライバル店の悪いところを見て、自己優越にひたり、相手のそこを攻めたところで現状何も変わらないことを知っているのです。そして、そもそもライバルは他店ではなく、お客様の変化や世の中の変化であることも、強いスーパーマーケットはよく知っています。

 

スーパーマーケットの生産性を上げるひみつ

少子高齢化や不安定な社会であるがゆえ、日本国内は今後売上を伸ばすことが難しいと言われています。となれば、利益を上げるにはコストを抑えるか、生産性を上げるしか手はありません。

しかしスーパーマーケットはなかなか一人当たりの生産性が上がらない業態のひとつです。ITを積極的に活用すれば上がるのは間違いありません。しかし、ITで生産性があがっても、価格勝負に出て値下げするようならば生産性は上がりません。またお客様は神様と考え、サービスや接客を向上させるあまり、従業員は多忙となり生産性は上がらないのです。

 

では、生産性を上げるためのひみつをお教えしましょう!

 

・ITの積極活用

・価格勝負から手を引く

・やらなくていいことを最大限増やす

 

ITの積極活用は言うまでもなく、生産性向上の最大の武器です。人がやっていることをITで置き換えれば、無駄なく動作してくれますので、生産性は間違いなく上がります。今後、店舗DXにも期待は持てます。

 

価格勝負に関しては、これまでも書いたように、巻き込まれたら生産性など上がるわけがありません。そもそも生産性を上げるための手段は、売上を上げ、コストを下げることです。しかし値下げという行為は売上を下げ、POPの貼りだしやエンドの作成、品出しでコストを上げる真逆の手法になりますから、そこから手を引く方法を考えるのが良いと思います。

 

最後の「やらなくていいことを最大限増やす」。このスキルは、まさに今後のスーパーマーケットで勝ち残るための最新兵器になると私は確信しています。

スーパーマーケットはやらなくていいことをやりすぎと感じています。もっと自社が実現しようとしている本質をベースにシンプルに考えて、現在のDo(仕事や業務や報告や会議等)を棚卸すれば、多くのやらなくていいことが見つかると思います。日本の完成された製造業を見習い、小売業も見直してみることは超おすすめです。

 

 

他社に決して真似ができないスーパーマーケットのひみつ

現在は、多くの便利なものが溢れています。セミセルフレジやスライド棚やフライリフター、はかり等、生産性が向上するものが業界でもかなりあります。

当社が提供している業務システム向けのパッケージ製品も、導入することでスーパーマーケットの業務パフォーマンスを向上させ、生産性向上が期待できるもの多くラインナップされています。しかし、こういったものは導入することで生産性は上がりますが、他社でも導入すれば生産性は上がり、いわば真似ができてしまいます。

 

しかし、なかなか真似のできないひみつの力を持ったスーパーマーケットは存在します。

そのひみつは何でしょうか?以下の3つです。

 

  • システム導入に留まらず、有効的に活用している
  • 何事もコツコツ継続して、やり続けている
  • ロジカル(論理)より、エモーション(感情)を重視している

 

意外かもしれませんが、この3つの共通点は、決して必死にとか全力でやらないというところにあります。ちなみに”必死”は“必ず死ぬ”と書きます(笑)。

“全力”は“全部力を出す”と書きます。必死も全力も、どう考えても継続のできない行為であると私は思っています。競馬の世界でも、全力で走る逃げ馬が結局力尽きるように・・、ダイエットやスキルアップ勉強が3日坊主で終わるように・・。

 

「うさぎとかめ」でも、全力で走ったウサギよりコツコツ歩いたカメが勝ちます。過去には誰が行っても無事帰還ができなかった南極点に行き無事帰還した部隊も、どんな条件下でも24km/日に進むと決めてそれをカメのように繰り返しました。(ちなみに、それまではウサギのように天候を見て進めるときは全力で進み、悪天候で進めないときは待機したという行動をとった部隊は、日によってどうなるかが見えず、辛く希望が持てず不安をかかえ全滅したといいます)。

 

以前 “コツコツは勝つコツ” と若い社員に教えてもらったことがあります。本当にその通りで、コツコツ積み上げたものは、決して真似されても短期的に結果が出ることはありません。それが真似できない真似されないスーパーマーケットのひみつであると私は思います。

【まとめ】スーパーマーケットが今後を勝ち抜くための“ひみつ”を教えます!

今回は、「 スーパーマーケットが今後を勝ち抜くための“ひみつ”を教えます! 」というタイトルで、書かせていただきました。

 

今回“ひみつ”として私の書いたことは、言われてみれば・・考えてみれば・・当たり前ではあるけれど、これまでの発想とは真逆ですので、ハッと気づいたこともあったのではないでしょうか。

売上や荒利、利益率等の数字を組み立て、それをベースに計画を立てる経済学で経営が成り立っていたのは過去に対して、未来は心理学に近いところで経営を考えなければいけなくなることも同様です。これは、スーパーマーケットが小売業から、顧客満足度向上業や変化対応業に変化していったからです。そして、その本質は実はシンプルで「お客様にどう喜んでいただくか」この1点なのかもしれません。

よって、その価値をどう創造し、どうお客様に伝えるか?ぜひ秘密裡に(笑)構築していただけたらと心から思っております。

 

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