販売管理システムの便利機能 5つの場面別に考えてみよう

世の中には、パソコン単体で稼働するシステムから多くの拠点と接続して稼働するサーバーシステムなどいろいろな販売管理システムがあります。

またそれぞれの販売管理システムでは、特色を持たせて一般的な売上伝票や請求書発行が出来る汎用的な販売管理システムから、専門業種に特化した機能を持つ業種特価型の販売管理システムなどがあります。

弊社でも、1980年後半頃より約30年以上に渡り流通業の卸売業様向けの販売管理システムをご提供させて頂いております。

今回は、弊社の豊富な導入実績から消費財卸売業様に必要な機能を最適化して、再構築致しましたWEB版の販売管理システム　『GROWBSⅢ』の便利な機能を場面別にご紹介します。

みなさんもぜひ、販売管理業務の場面別に「こんな便利な機能があったらいいな」と考えてみてください。

販売管理システム 便利機能の概要

弊社の消費財卸売業向け販売管理システム『GROWBSⅢ』の機能概要は、下記の図となります。　

今回ご紹介する便利機能は、『GROWBSⅢ』の各業務機能を効率よくご活用頂くための補助機能です。

便利機能を各業務運用の5場面に分けてご紹介します。

[便利機能活用場面]

• マスタメンテナンスでの便利機能
• データ登録での便利機能
• 取引先特殊対応への便利機能
• 在庫に関する便利機能
• 帳票作成・変更での便利機能

販売管理システム 場面別便利機能１）マスタメンテナンス

マスタメンテナンスの便利機能は、下記の３つの機能をご用意しています。

• マスタ登録画面表示の便利機能
• マスタ新規登録時の便利機能
• Excelを利用した一括登録の便利機能

　[マスタ登録画面表示]

マスタデータの登録・修正は、画面からの登録処理が基本となります。

そのため、商品マスタの登録・修正は1商品1画面となり、又得意先マスタの登録・修正も１得意先１画面の登録となります。

特に商品マスタや得意先マスタは、登録する項目が多数あるため１画面の中では表示することが出来ずに、縦スライドしながらの登録修正となります。

マスタメンテナンスで縦スライドが頻繁発生すると操作性が悪くなるため、縦スライドを極力少なくして操作性を良くするために、関連する項目を集めてタブ形式で表示する画面としています。

※商品マスタのタブ形式での画面表示

商品マスタ登録項目を　『基本・単価・管理・詳細・画像』　の5項目に分けてタブ形式で表示します。

※得意先マスタのタブ形式での画面表示

　得意先マスタ登録項目を　『基本・取引・管理・詳細』　の４項目に分けてタブ形式で表示します。

[マスタ新規登録時の便利機能]

商品マスタの新規登録時に似たような商品を登録する場合は多数あるかと思います。

例として、カップラーメンの醤油味、塩味、トンコツ味、みそ味などの4商品は、商品名のみが違っているが他の管理するための項目は同じ内容を登録する場合です。この様に類似した内容のマスタを新規登録する場合に簡単に登録できる便利機能としてコピー機能を用意しています。

コピー機能は、既存商品のデータをコピーして変更点のみ編集して新規登録することが出来る機能です。

入力は、必要最低限にして短時間で効率よく新規マスタの登録作業が行えます。

同様に得意先マスタでも既存量販店などで新店が増えた場合などは、コピー元に既存店の情報を呼び出して違っている項目のみ修正して新規登録することが出来ます。

※基本商品マスタ新規登録画面　　データコピーで楽々入力、類似商品は既存データを流用。　　　　　

 [Excel を利用した一括登録の便利機能]

商品マスタの修正登録は、価格変更や項目変更等で一度に大量の商品マスタを変更しないといけない場合が、シーズン前や月末に集中してよく発生します。

１商品１画面でのマスタ修正作業では、とても大変な時間と労力が必要となってしまいます。

それを回避する機能として、Excelを活用して簡単に修正登録する便利機能をご紹介します。

修正対象となる商品マスタデータを条件指定でEXCELへ抽出できます。

Excel上で変更ある項目のみ修正して修正後のExcelデータを一括で取込みして既存マスタの更新することが出来る機能です。

※Excelを活用したメンテナンス処理 ( マスタ一括更新処理 )

ほぼ全てのマスタでExcelへのデータ出力及び取込処理が可能となっています。

また、マスタの新規登録の場合もExcelデータの取込で新規マスタ登録をすることが出来ます。

マスタ以外の業務データも新規データ登録がExcel取込で対応することが可能です。(業務データの種類は、受注、売上、発注、仕入、入金、支払、棚卸データです。)

販売管理システム 場面別便利機能２）データ登録

データ入力作業は、販売管理業務の中でも一番大変な作業となります。

特に受注データの登録作業は、EDIオンラインの比率が高い卸売業様でも電話やFAXでの追加注文等が多数あり短時間で登録作業を行わないと次工程の出荷業務に支障が出てしまう場合があります。

受注入力を効率的に支援する便利機能は、下記の４つの機能をご用意しています。

• いつもの商品受注登録
• 受注パターン入力
• いろんな商品コードで受注入力
• マウスを利用しない受注入力

[いつもの商品受注登録]

いつもの商品受注登録は、過去に販売した商品一覧を表示し、その中で受注した商品の受注数欄に受注数を登録して受注データを作成する方法です。

受注入力画面から得意先を指定して、いつもの商品照会画面を表示して処理を行います。

FAXや電話等の受注では、似たような商品や商品名が省略されている場合などは過去の販売商品から受注登録できるようにしています。

この機能により商品の聞き間違いや打ち間違いによる、受注ミスを削減することが出来ます。

　※受注入力画面　いつもの商品検索

※いつもの商品受注登録画面　

表示された販売商品実績から受注商品の数量を入力すると受注登録の明細に追加されます。

 [受注パターン入力]

新商品や一斉出荷または期間限定商品などで複数商品を組合せます。

そして多くの得意先で同じ商品の組合せを受注入力する場合に、効率よく登録することが出来る便利機能です。

受注パターン入力は、予め必要な受注明細のひな形の商品組合せを登録します。

受注入力の中で受注パターンを呼び出して登録できる機能です。繰り返して登録する作業の負荷を軽減することが出来ます。

※受注パターンの登録画面　　ここで登録した受注パターンを受注入力で呼び出して登録します。

受注パターン登録は、パターンコードやパターン名が任意に登録できますので、受注入力で受注パターンを呼び出す際は簡単に検索できます。

また受注パターンでの商品登録数の制限はありませんので大量の商品を合せた場合の処理には、非常に効率よく作業して頂くことが出来ます。

※受注入力画面　受注パターン検索

※受注入力での受注パターン検索画面

[いろんな商品コードで受注入力]

受注入力で入力する商品コードを複数の商品コードで入力出来るように対応しています。入力できる商品コードは、下記の３種類の内容です。

• 自社商品コード (自社で管理する商品コード)
• JANコード  　(製品に印字されているJANコード、GTIN14)
• 得意先・商品コード (得意先で利用している商品コード)

特にFAX受注が入る場合は、FAXの商品名の前に商品コードが記載されている場合があります。

その場合は、得意先で利用されている商品コード又はJANコードが記載されている場合がありますので、FAXの受注書をそのまま受注入力原票として利用することが出来ます。

※得意先商品コードで受注入力　　コード検索・転記が不要となります。

 [マウスを利用しない受注入力]

受注入力でマウスを利用せずにテンキーとファックション・キーのみで入力したい場合の機能です。

画面レイアウトは、web版の受注入力と同じですが一番下にファックション・キーの項目が表示されます。

これにより受注入力処理が片手だけでの入力が可能なるので入力処理の高速化が図れます。

※受注入力画面　　テンキーとファックション・キーのみでマウスを利用せずにデータ入力が出来ます。

販売管理システム 場面別便利機能３）取引先特殊対応

得意先毎にいろいろな場面で特殊な対応が要求されていて、その対応することが煩雑で大変ではありませんか。また特殊な対応が多くあるため業務が属人的になっていませんか。

業務担当者が取引先毎の個別対応するため、対応する内容をポストイットに記入して入力端末の横に貼ってその都度確認して対応されている光景を良く見受けます。　

この様な煩雑な対応を解決するための便利機能として、個別メモ機能をご用意しています。

個別メモ機能は、下記の３つに場面で活用頂くためメモ内容を登録して確認することが出来る機能です。

• データ入力時　・・・　受注・売上・発注のデータ入力時に取引先毎のメモ内容を表示します。
• 出荷作業時　・・・　出荷指図書に取引先毎のメモ内容を印字して出荷時に確認できます。
• 請求送付時　・・・　請求書に取引先毎のメモ内容を印字して請求書送付時に確認できます。

※得意先マスタのメモ項目登録

※仕入先マスタのメモ項目登録

※登録したメモの画面表示と印字

販売管理システム 場面別便利機能４）在庫関連

在庫に関連する便利機能は、下記の３つの機能をご用意しています。

• 在庫状況を確認する場面の便利機能
• 在庫割当する場面の便利機能
• 出荷指示前に出荷状況を確認する場面の便利機能

[在庫状況を確認する場面の便利機能]

在庫状況確認は、いろいろな確認したい目的によって確認する在庫数量の内容が変わります。

弊社の販売管理システムでは、利用する目的別に下記の３種類の在庫数を照会することが出来ます。

※３種類の在庫数について

[ ３種類の在庫数の内容について ]

🔹有効在庫数は、受注担当や営業担当が今受注して直ぐに出荷できる在庫数です。

🔹実在庫数は、棚にある在庫数です。今から出荷指示で引当対象の在庫数です。

🔹帳簿在庫数は、自社保有の在庫数です。月末の在庫金額を算出する元になる在庫数です。

上記の在庫数を照会する方法は、倉庫別商品別と商品別倉庫別の在庫照会の２種類があります。

※倉庫別商品別在庫照会画面　　倉庫別に商品一覧を表示します。

在庫照会は、条件指定でいろいろな在庫状態の商品を一覧で表示して照会することが出来ます。

　※いろいろな在庫状態の照会例

• デッドストック商品 (過去の最終出荷日を指定してある期間出荷の無い商品が照会出来ます。)
• 在庫過多商品 　(在庫回転率を指定して在庫回転率が低い商品が照会出来ます。)
• 在庫状態別商品　(下記の在庫状態を指定して該当する在庫状態の商品が照会出来ます。)

※在庫照会選択条件指定画面

また、賞味期限別在庫や今日以降の日別に時系列で在庫増減の照会が行える機能も用意しています。

※賞味期限別の在庫照会　　商品別に賞味期限別在庫が照会出来ます。

賞味期限別の在庫照会は、賞味期限日管理を行う商品のみが表示されます。

出荷期限日間近の商品在庫を事前にコントロールして頂くための機能となります。

※予定在庫照会　今日以降の入荷・出荷予定を日別の時系列別に在庫増減数が照会出来ます。

予定在庫照会は、今日以降で在庫がどの様に増減するかを確認して頂く照会画面です。

将来の入荷予定や出荷予定を確認して頂き、在庫コントロールして頂くための機能となります。

[在庫割当する場面の便利機能]

今ある在庫を特定の得意先向けに在庫割当して欠品無しで出荷したいとのご要望を頂く場合があります。

特殊な商品や欠品の多い商品などを事前に得意先毎に在庫割当して出荷指示で在庫引当ができる機能をご用意しています。

この機能は、営業担当又は得意先毎に在庫を割り当てて確保できる機能です。得意先毎に在庫を確保することで欠品が発生せずにお客様への納品することができます。よって納品率が上がり顧客満足度の向上が図れます。

確保在庫の処理は、例えば在庫商品のA商品が50C/S在庫が有り、その中から20C/Sだけを得意先X社に確保した場合は下記の引当の処理となります。

• 得意先X社の引当できる在庫引当数は、確保在庫20C/S+フリー在庫30C/Sの合計50C/S
• 得意先X社以外の在庫引当数は、確保された20C/Sを除くフリー在庫30C/Sの引当となります。

確保在庫は、確保期限が必須登録項目で、確保期限が過ぎますと自動でフリー在庫へ置換わり確保在庫が解放され、他の得意先が出荷できる在庫となります。

※確保在庫の登録画面　　倉庫・商品を指定して、担当者又は得意先への確保数を登録します。

[出荷指示前に出荷状況を確認する場面の便利機能]

受注した商品の出荷指示処理は、出荷締め単位で一括に在庫引当を行って出荷指図書を発行します。

在庫引当で在庫不足した受注商品は、欠品となり出荷指図書に印字されず欠品リストが発行されます。

出荷指示後に在庫欠品した商品が分っても、欠品した商品を対処したい場合はとても大変な作業となります。

そのため、出荷指示を行う前に出荷状況(欠品状況)が照会できる機能をご用意しています。仮引当出荷確定入力の機能は、事前に在庫を仮引当して欠品商品の状況が照会できます。

受注登録してから出荷指示までの間の時間は、あまり余裕がないので欠品状況が分っても対処できる内容は限られます。

そこで、下記の2つの在庫コントロールによる対応は可能かと思います。

1. 入荷が遅れている場合の仮入庫での対応。(仮入庫での補充上乗せの対応)
2. 他の倉庫からの在庫補充移動での対応。(倉庫間移動での在庫補充の対応)

※仮引当出荷確定入力　　倉庫別商品別の引当状況照会画面

出荷指示処理前に仮引当出荷確定入力で倉庫別商品別の出荷・欠品状況が確認できます。

在庫引当処理では、得意先別の引当優先順位設定のご要望やまた欠品した場合の引当数を店別に按分する機能のご要望があります。

その要望を対応するには、とても複雑でいろいろな場面を想定して対処する必要があり、実際の運用はその都度の対応も必要となり煩雑な運用となってしまいます。

そのために事前に確認して出荷数を修正できる機能をご用意しています。

先ほどの商品別単位での照会画面からドリルダウンで商品別得意先別の出荷数と欠品数の明細照会画面が表示出来ます。この照会画面では、得意先毎の出荷数を修正登録もすることも出来ます。

※仮引当出荷確定入力　ドリルダウンでの商品別得意先別引当状況照会画面

　商品・得意先毎の欠品状況を確認して得意先毎の出荷数修正が出来ます。

販売管理システム 場面別便利機能５）帳票作成・変更

帳票の新規作成や変更が、ご担当者の方でも簡単に対応できるツールをご用意しています。

得意先へ発行する見積書・納品書・請求書等の帳票が、得意先毎の専用帳票で対応しなければならない場合に便利です。

また既存の発行している帳票を変更したい場合などにご活用いただけます。

ちょっとした帳票レイアウトの変更は、費用を掛けずに自社で短時間に対応することが出来ます。

※専用帳票デザインツール

　画面に帳票印刷イメージを表示して簡単にレイアウトや項目変更が行えます。

まとめ

「販売管理システム 便利な機能を5つの場面別に考えてみよう」と題しまして、ご説明してまいりました。

ご紹介しました便利機能は、販売管理システム『GROWBSⅢ』の業務機能を利用して頂くに当たって効率的に操作性良くご活用頂くための補助機能です。

弊社の豊富な導入実績の中でお客様からのご要望やパッケージとしての機能アップとして蓄積したノウハウを集約していろいろな便利機能をご提供しています。

今回ご紹介した便利機能以外にも、卸売業様での業務運用で業務の効率化・高速化・管理精度向上の機能を豊富にご用意しております。

もしご興味がございましたら、弊社の製品・サービス資料「消費財向け販売管理システム　『GROWBSⅢ基本ガイドブック』　をぜひダウンロードいただきご覧ください。　

最後までお読みいただきありがとうございました。